Song
□メルト
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『…ん……ふぁぁ…』
窓から優しい太陽の光が降り注ぐ。
朝か…いい天気で良かったぁ…
ベットの中で伸びをすると、頭に思い浮かんだ了の笑顔。
あぁ…何か幸せ。
朝 目が覚めて
真っ先に思い浮かぶ
君のこと
楽しみだったのか、少し早くに起きてしまった。
顔を洗いに洗面所へ行く。
鏡を見ると、目にかかる前髪。
…ちょっと鬱陶しいかなぁ。
時間もあるし、整える程度に切ろうっと。
思い切って 前髪を切った
「どうしたの？」って
聞かれたくて
少ししか切ってないけど、これで気付いたら凄いよなぁ。
パジャマを脱ぎ、用意していた膝上のピンクのスカートを履く。
春みたいな雰囲気の、お気に入りのスカートだ。
髪の毛も少しアップさせて、花の付いた髪飾りを付ける。
簪(かんざし)みたいな感じ。
軽くリップを塗って…
これでよし！
今日は少し…可愛い、かなぁ？
ピンクのスカート
お花の髪飾り
さして 出かけるの
今日の私は
かわいいのよ！
待ち合わせの駅に着く。
あぁ…どうしよう…
今日の格好、変じゃないかな？
派手って思われないかな…
反対に地味だって思われないかな…
そんな不安を悶々と考えてると、彼の声が聞こえた。
「風月ーっ」
『あっ…了！』
少し向こうから走ってくる了を見つけた。
私も了の元へ駆け寄った、が…
ど、どうしよう…
ノロけではないんだけど…かっこいいよ…
そんなの口に出すことも恥ずかしくて言えないけど。
心臓がドキドキして、体が熱くて。
もう何もかも溶けてしまいそうだ…
私は了の目を見ることができず、俯いてしまう。
メルト 溶けてしまいそう
好きだなんて
絶対にいえない…
だけど メルト
目も合わせられない
「ごめんね…
えっと…待った？」
『ううんっ、全然！
私も、今来たとこ、だよ』
「そっか…良かったぁ」
うぅ…つっかえながら答えちゃった。
チラッと見ると、了のほんわかした笑顔があった。
少し赤くなってる…ような？
「行こっか？」
『ぅ、うん！
えっと…この手は…』
「もう、言わせないでよっ。
手、繋ご？」
『ふぇ!?えっと…！』
手!?つ、繋ぐの!?
驚いて了の顔を見たり他を見たりと、挙動不審になってしまう。
そんな様子を見てクスリと笑い、優しく
私の手を取ってくれた。
『Σ……っ//』
「ふふ、じゃあ映画からかな」
『うん…っ』
了の手をキュッと握って歩き始める。
そして、私と目が合った時。
照れたように笑って…
「今日の服‥可愛いね。
凄い似合ってて…ビックリしちゃった」
…と言ってくれた。
私も小さい声だったけど、ありがとうと心を込めて言った。
恋に恋なんてしないわ わたし
だって 君のことが
…好きなの
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