Song

□アナザー:メルト
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「おい宿主、もう時間だぜ。
用意しなくていいのかよ」

「うぅん…煩いなぁ…
あと5分だけ……」

「…それ7回目だぞ」



はぁ…とバクラの溜め息が聞こえた。

7回?絶対嘘だ。

記憶には3回しか来てないし…
何より5分経ってないし…

布団の気持ち良さにウトウトしてると、テレビから女性のアナウンサーの声が聞こえてきた。



「9時になりました!
次は天気予報です、前田さーん!」



前田さんって誰……

………9時?

その声を聞いて飛び起きた。





朝 目が覚めて

時計の針がいつもより
       進んでいる





「バクラぁぁぁ!
何で起こしてくれなかったの!?
8時に起こしてって言ったじゃん!」

「俺様はしっかり起こしたっつーの!!
起こす度に宿主が、あと5分っつってただろーが!!」

「3回だけじゃん!
無理やり起こしてよ!!」

「Σ7回だ!!
無理やり起こしたら俺様に当たるだろ!」

「あーもう!
こんな事してる場合じゃない…
バクラどいて!!」

「いってぇ!」



ドタバタと廊下を走って洗面所へ。
顔を洗っても眠気が飛ばず、着替えて無理やり朝ご飯を食べて…

昨日のうちに持ち物の用意してて良かった…

そしてまたテレビから聞こえる女性のアナウンサーの声。



「今日の12位の星座は…乙女座の人!
他人を巻き込む程の思わぬ事が起こるでしょう」

「えぇー…
ちょっとやめてよ…」

「ヒャハハハ!
そう言えば宿主は乙女座だったなぁ?」



ケラケラと笑うバクラを少し睨む。
お前だって乙女座じゃん…なんて負け惜しみを飲み込んで。





星座占い なんと最下位

今日は ついてないのかな





「よし、行ってきまぁす!
留守番頼んだよ!」

「はいはい…
…そんなに夢中になれるモンかねぇ」



呆れたようにバクラが呟く声は、僕には聞こえなかった。

少し遅く出ちゃったから早足で待ち合わせ場所に向かう。

きっと遅くに出ていなくても、早足で向かうとおもうけど。
実は、風月の私服を見るの初めてなんだよね。

待ち合わせ場所が見えてくると、風月の姿も見つけた。

嬉しいと同時に、待たせちゃったという申し訳なさが心に溢れる。



「風月ーっ」

『あっ…了!』




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