儚く咲いた一輪花

□eveille
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エヴェイエ
[目の覚めた]






あれから2日後、その少女は目を覚ました。

騒ぎにならないよう、兵士達には内緒にしている。
知っているのは僕と医者、それと秀吉だけだ。

あの少女は誰なのか。
どこから来たのか。
何が目的なのか。

質問する事は大量にある。
答えようによっては斬るため、愛用している関節剣も持っていく。

医者の先生に礼を言うと、席を外してくれた。
その少女は医務室の布団で寝転がっていた。



「やっと起きたみたいだね?」



皮肉たっぷりに言うと、僕の方を向き、暫くして目を見開いた。
なるほど、僕のことは知っているみたいだ。
やはり敵方の隠密か何かだろうか。
それにしては妙な術を使っていたが…

発言を待っていると、その少女は片手で自分の顔を覆い…



『いやいやいやいや…
うん、これは夢だ、ありえないって』



と呟いた。
口元が引き攣っている。
夢と思いたいのは僕の方なんだが。

不審に思い、もう1度声をかける。



「何がありえないんだい?
これは夢じゃないけど?」

『嘘だ〜…へ?何で?…竹中 半兵衛!!?
何で…って、ここどこ!?』



少女は勢いよく体を起こすと傷が開いたらしく、痛い痛いと叫んだ。



「ここは大阪城。
まだ傷は癒えてないから派手に動かない方がいいよ」



もう遅かったみたいだけど。

…でも、一体何なんだ?
こんな怪しい女は知るはずもない。
そして、これほど怪しい者なら世に知れ渡っている筈だし、僕の耳にも届くだろう。



「君は何で僕の名前を知っているんだい?
…君は何者で、何が目的だ」




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