儚く咲いた一輪花

□jeu
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ジュ
[働き、動き、遊び]






女中の仕事をしている最中。
何故かいきなり半兵衛に呼ばれた。



『どしたの?
まだ洗濯物残ってるんだけど…』

「話しておかなければならない事があるんだ」

『大事なこと?』

「うん」



濡れた手を適当に拭きながら、前を歩く半兵衛の後をついていく。

人通りの少ない部屋に着き、そこに向かい合って正座。

…うわぁ!改まって見ると半兵衛素敵!
綺麗!美しい!美形ー!!
どうしよう昂ってきた抱き付きたい!
髪の毛もふもふしたい!
なんであんな睫毛長いの!
あの仮面って、絶対イケメンなのを隠すためにあると思うんだ!



「ここの生活にも慣れてきた?」

『半兵衛、抱き付いていい?』

「ちょっと待って。
なんでいきなりそうなるんだ」

『え?あ、ごめん。
半兵衛の美しさに酔ってた』

「それは仕方ないけど」

『ツッコミ無いのかよ』



話し合いにならないかもしれない。

このナルシストどうにかして。
あたしもどうにかならないと駄目だけど。

若干ナルシが入っても許してしまうのは、本当にかっこいいからだと思う。
ちょっとイラってするけど。



『ここの生活、慣れてきたよ。
楽しいし、驚きや発見も多いし、皆もあたしと話してくれるし!』

「そう、それは良かった」

『まだ皆との間に壁があるのは分かるけど、それは追々取っ払っちゃえば問題ないしね〜』



そーゆーのは直ぐなくせるワケないし、現状であたしは満足してる。

あ、今思えばこの状況…学校の二者面談に似てるかも。

高校どこ行くかって、休み時間や放課後に先生と相談してたっけ。
高校に入ってからも今みたいな現状報告っぽいの何度かあったし…

うわぁ、懐かしいなぁ。



「人付き合いには問題なさそうだね。
それで、あの力はどんな感じなんだい?」

『要領とかも分かってきたし、使い方も殆どマスターしたかな!
まだ試してない部分も多いけど…その辺りも先生が思ってる通りだと思うよ』

「先生…?
ねぇ、君の頭の中で僕はどうなってるんだ?」

『あーごめん。
なんかごっちゃになってきた』

「ここがどこだか分かる?」

『失礼な、分かるよ。
視聴覚室の隣にある空き教室』

「どこのことを言ってるんだ!」



あ、違った違った。
ここは学校じゃない、教室が畳の学校はきっとない。
あったとしても茶道部とか、そういうのだ。

そういえば視聴覚室って使った覚えないなぁ。
何するとこなんだろ…って駄目だ。
こんなこと考えてたら、また先生とか言ってしまう。



「海璃って、よく師匠や先生にお母さんとか言っていただろう」

『バレた!』




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