世界を巡る〜蟲とギンコと私〜

□時間をかけて
1ページ/2ページ

私は蟲師のギンコと旅をしていた。



とある町を出る前のこと。


「ミユ。」


茶屋の椅子に座って休んでいたときに、ふいにギンコが私を呼んだ。



「うん?」


菓子を頬張っていた私は、返事をしながら、首をかしげて
何?と訴える




「品もそろそろ集まったことだし、久しぶりに化野のところに行くか。」



「うん!」



私は化野さんに拾われた。
そして、ギンコに出会い
ギンコと旅をするために、簡単な医術、旅をするための体力や知恵、お金を稼ぐ術も覚えた。


何度も何度もお願いをして
私の粘りに負けて旅に連れて行ってくれることになった。



そして、数年かけて、今は恋人として、ギンコと私は旅をしている。



それでも、私は彼の役に立たなければ捨てられる。


彼が一定以上踏み込ませてくれない。踏み込んで来ない。

そんな不安が年々大きくなっていっていった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ