世界を巡る〜蟲とギンコと私〜
□時間をかけて
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私は蟲師のギンコと旅をしていた。
とある町を出る前のこと。
「ミユ。」
茶屋の椅子に座って休んでいたときに、ふいにギンコが私を呼んだ。
「うん?」
菓子を頬張っていた私は、返事をしながら、首をかしげて
何?と訴える
「品もそろそろ集まったことだし、久しぶりに化野のところに行くか。」
「うん!」
私は化野さんに拾われた。
そして、ギンコに出会い
ギンコと旅をするために、簡単な医術、旅をするための体力や知恵、お金を稼ぐ術も覚えた。
何度も何度もお願いをして
私の粘りに負けて旅に連れて行ってくれることになった。
そして、数年かけて、今は恋人として、ギンコと私は旅をしている。
それでも、私は彼の役に立たなければ捨てられる。
彼が一定以上踏み込ませてくれない。踏み込んで来ない。
そんな不安が年々大きくなっていっていった。