月夜の露

□戸惑い…そして…
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「宮田さんが好きです…」
「………っ。ご…ごめん…なさい…。僕、櫻井君の気持ちに…応えられない…」
「………他に好きな人がいるんですか…?」
「…櫻井君の事は好きだよ…でも恋愛の好きじゃない…櫻井君の事そういう風には見られない…。だから…ごめん…」
「…宮田さん。最後にもう一度、キス…していいですか…?」
「えっ…んンっ!ゥんんー!…ぅん」
「…っ宮田さん…」
「…やっ…。も…もう帰って!櫻井君の顔なんて見たくない!帰って…!!」
「宮田さんっ……」











あれから一週間。僕は櫻井君に会ってない。

…もし…同じ仕事で会ったらどうすればいいんだろう…。


年下…しかも男からキスされた…なんて…。でもキスされて嫌じゃ無かった…。

今じゃちょっと言い過ぎたかな…って反省してる…。きっと告白するのって…凄く勇気がいる行為だったと思うから…。


僕の頭の中はあれから櫻井君でいっぱいだった。

「幸季、何か疲れてないか?」
「大丈夫です、森川さん。僕健康オタクですから!」
「そうか…辛くなったら言えよ?」
「はい。」
「宮田さん、ここなんですけど…」


櫻井君は前と変わらず僕に接してくれる。

………あんな事があったのに…。


僕は以前と同じように接してくれる櫻井君の優しさに甘えていた。


「俺…宮田さんの事、諦めてないですから」
「ん?…聞こえなかった」
「別に何でもないです」


何て言ったんだろう…小声で良く聞こえなかったな…。


僕は櫻井君との間には何も無かったと思うようにしてこれからを過ごすようにした。




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