淡雪結晶
□Christmas FOR YOU
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『うん…僕なら平気だって。お仕事なんだからしょうがないよ。櫻井君はお仕事頑張ってね』
今日はクリスマスイブ。誰でも知ってる好きな人と一緒に過ごす日。好きな人は家族だったり恋人だったりその人で違うけれど…。
僕もその好きな人と今日は一緒に過ごす予定だった。でも櫻井君に急な仕事が入って電話で今それを知ったところ。
普段は一緒になんてなかなか過ごせないからクリスマスだけは!と思ってたけど…僕達の仕事はクリスマスなんて関係ない。
会えるの楽しみにしてたのに……なんて口に出して言うのは恥ずかしい。だから『平気』だよなんて言っちゃったけど…本当は寂しい…逢いたい…。
もう10時半…。
僕は1人年賀状書きをしていた。本当なら櫻井君と一緒だったのに…。
「……もう仕事終わった頃かな」
と携帯を取り出す。
でもまだ仕事してたら迷惑だよね…
さっきから手が進まなくて気づくと時計ばかり見ている。
「…っはぁ。」
《ピッピッピ〜ピ〜》
「狽、わっ びっくりした!…電話…櫻井君からだ! もしもし…」
『あ、宮田さんですか?』
「そうだよ。僕の携帯だもん」
『仕事終わって急いでやってきました』
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