月夜の露
□-想い-
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俺には好きな人がいる。
…好きになってはいけない人ー…。それは分かっていた。
でも、この想いを止められなくて、俺はあなたを傷つけてしまった………
『-想い- 』
いつも仕事で会うと飴をくれる宮田さん。『はい、あげる♪』って笑顔で俺に飴を渡す、それだけの事がとても嬉しかった。
最初は『相手を凄く気遣ってくれる優しい先輩』。でも…今は…。
これはまだ俺が宮田さんと知り合って間もない頃のお話。
仕事で一緒になった宮田さんとこの後ご一緒したくて俺は勇気を出して宮田さんに声をかけた。
「っ…あの…宮田さん…!」
「…ん? あれ…どうしたの?櫻井君」
「…名前…覚えててくれたんですか?」
「当たり前じゃない!可愛い後輩の名前だよ?ちゃんと覚えてるよ。それでどうしたの?」
「あの…み、宮田さん、この後お暇ですか…?」
「? どうしたの?仕事で不安な所とかある?相談にのるよ?」
宮田さんは相談か何かだと勘違いしてるみたいだ。でも宮田さんとこの後一緒にいられるなら…と話を合わせておいた。
喫茶店に入って宮田さんと2人で話し合い、今仕事で悩んでる事も宮田さんになら話せる気がした。