紫陽花日和

□祭り〜花より団子〜
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櫻井君に拉致された(違)僕は櫻井君が歩く横で同じ歩幅を頑張って保ちながら歩いていた。

櫻井君…もうちょっとゆっくりー;


「宮田さん大丈夫ですか?速くないですか…?」

「大丈夫だもん…!」


僕も櫻井君みたいに背が高ったら良かったのに…。前、櫻井君に言ったら「宮田さんはそれでいいんですよ」って言われたんだよ! 櫻井君は高いからそう言うだよ…僕には切実な願いなのに…!


あれ…櫻井君、僕にペース合わせてくれてるのかなぁ…。えへへ…嬉しいなっ。


「宮田さん、まず何食べるんですか?」

「たこ焼きでしょー綿あめでしょーリンゴ飴でしょー、それから…」

「宮田さんらしいですね」

櫻井君は微笑んで僕を見てる。僕も釣られて笑ってみる。


祭り会場が近くなるとだんだん人混みになってきた。僕は体格のいいおじさんにぶつかりながら櫻井君に何とか追いつこうと頑張って歩いた。


「……宮田さん、大丈夫ですか?」

「う…うん…。何とか…;」

やっぱり人混みは苦手だなぁ…。

えっ…。櫻井君が僕の手…。

「離れるといけないですから。俺が手を握ってれば大丈夫でしょう?宮田さんは頑張って歩いて下さいね」
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