ヒバツナとなっておりますが、ショタツナとなりますので、それが許せる方はお進み下さい。






この並盛という町には最強で最恐な覇者が居る。
彼の名は雲雀恭弥。
並盛中に通う生徒。
風紀委員長でありながら不良のような理不尽な行いもする、はちゃめちゃな生徒だ。だがしかし、生徒だと思って侮ってはいけない。
校長だろうが、不良だろうが、会社の社長だろうが、警察だろうが彼には一切関係ない。
彼はこの町に君臨する支配者なのだ。

しかしそんな彼に最近奇妙な噂が流れている。
それは彼に恋人ができたらしい。ということだ。
普通ならそれは喜ばしいことで、誰もが心温まる出来事だろう。
だか、彼の場合は違う。
なんたって彼は2人以上を群れとみなし、咬み殺すという癖があるのだ。
そこに男女の差は無い。
とにもかくにも気にくわなければ誰であろうと己の愛器であるトンファーで咬み殺していく。
そんな彼に『恋人!?』
生徒達は物凄く気になりながらも本人にそんな事は聞けず、ただただ噂だけが独り歩きをしていくのだった。








「よ、ヒバリ」


「げっ」


廊下を歩いていると前から2人の生徒が歩いてきた。


「山本 武……そっちのはまた制服をちゃんと着てないね。咬み殺されたいの」


この2人(というか山本)はこの町、否、学校中で風紀委員以外でで唯一、ヒバリに気さくに声をかけられる貴重な人物だった。
何度気安く声をかけるなと言ってもききやしないので、ヒバリも今では放っておくことにしている。


「うっせーな。だいたいテメェふがっ!?」


「はいはい獄寺〜、ちょっとだけ静かにな〜」


獄寺がヒバリにつっかかっていこうとしたのを山本は片手で獄寺の口を塞ぎ、もう片方の腕でぐっと体を抑え止めた。


「はぁ…で、何か用なの」


これもどうせいつものことだと獄寺をまともに相手にせず山本に視線を送る。
それがムカついたのか、獄寺の塞がれた口からフガフガと何かを言う声が漏れてくる。
離せとバシバシと山本の腕を叩くが全く効果は無かった。


「いや、何か最近噂が流れてきてさぁ


「噂?」


「そう。それが何と、ヒバリに最近恋人ができたって」


「…何それ…」


「で、本当なのか?」


「恋人は居ないよ」


「やっぱそうだよな〜」


「そんな事聞くために放課後に残ってたの?とっくに下校時間過ぎてるよ」


は〜、すっきりした。もう気になって気になってと笑う山本にヒバリは風紀を乱すなとばかりにトンファーを取り出した。
それを構えられたトンファーを見て山本は困ったように笑った。
その時獄寺を押さえる腕の力が緩んだのか力いっぱい腕を引き剥がし、獄寺はがなった。


「テメー山本ふざけんな!体力だけが取り柄の奴に口塞がれたら息できねぇだろうが!!しかもバカが!!ヒバリは恋人は居な言っていったんだ!!」


「??噂が間違ってたんだろ?」


「そうじゃねー!!恋人以外が出来たんだろ!噂になるような親しいな!!」


獄寺がそう叫んだ後、数秒考えやっと解ったのか、あぁ。とポンと手を打った。
そんな山本を見て、疲れる奴と獄寺は両肩を落とした。


「君達、本当にうるさいね」


「で、どうなんだ?」


うるさい、と顰めっ面をし声音を低くするヒバリにへらりと笑う山本。
流石鋼の心臓と言われるだけある、と獄寺は呆れていた。


「別にどうでもい…」


「委員長!!」


流石に鬱陶しくなったのか攻撃態勢に入った瞬間と、ヒバリの後方から声がかけられたら。
何?!と首を動かせば廊下を焦ったように走ってくる風紀副委員長の草壁がいた。







「風紀委員の癖に廊下を走るなんて良い度胸だね」


「申し訳ありません、委員長!しかし緊急事態で」


「携帯にかければいいだろ」


「それが繋がらなく」


は?と思って携帯を取り出すと、画面が真っ黒だった。


「…充電切れてる、で何?」


「はい、それが…」


そう言ってヒバリに近づき何かを耳打ちしたとたん、ヒバリは驚いた顔をして一目散に草壁がきた方向に走り去っていった。
その一連の出来事に呆気にとられた2人は言葉がなかなか出なかった。
やっとでた言葉は、獄寺の「テメェが走ってんじゃん」という言葉だった。


「えっと…草壁、さん」


「何だ、山本」


「いや…あれ、何だったのかな、と…」


いったい何だったのか。
知り合ってたいして年数はたっていないが、ヒバリがあんなに感情を露わにする事なんてなかった。
ましてや、それを出すような人物でもない。怒りなどは別として。
そんなヒバリがあそこまで感情を露わにするなんて。


「あぁ、綱吉さんがいらっしゃったのだ」


「「?」」


「あぁ、おまえ達は知らないのだな。そうだな、今噂になっている委員長の大切な方が学校にいらっしゃったから、流石がの委員長も慌てたのだろう」


あのようなヒバリを見慣れているのか、草壁は随分あっさりとそう言葉を残し、いまだポカンとする2人を残しヒバリを追い来た道を戻っていった。




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