02/11の日記

05:55
海よりも深く、なお遠く(ポニョ感想)
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※ まったくクロエリに関係ない「ポニョ」の感想とか妄想です。





録画してあった「ポニョ」を見たらものすごい感想書きたくなったので(主にフジモトとグランマンマーレのせいで)
ちょっとクロエリから脱線して吐き出し。
公開当時「もしもエリアーデがポニョだったら」みたいな妄想してたくせに見ていなかったこの映画。
海の中のシーンがとても綺麗で、もういきなり最初から虜でした。
なんて画面が生き生きしてるんだ!ジブリアニメのわくわく感はすごいな…!
それから、登場人物が皆可愛すぎた。主要キャラはもちろん、脇役のおばあちゃんとか町の人たちまで皆可愛い。
半魚人ポニョなんて最初に見た時は「変わった顔してるなー」くらいの感想だったのに、
今はもう愛しくてかなわない。あの自由奔放さが好きだ。
ポニョの「ぷいっ」ってする時の顔、可愛いなー。相手がお父さんでも関係なしの傍若無人ぶり!
ポニョが海の上を走るシーンも大好きだし、ラストのポニョと宗介のツーショットもすごく好き。
本当最初から最後まで可愛いがぎゅっと詰まった映画だった!
まさかこんなに可愛い映画だったとはな……。好きだ……!


この映画に出てくるカップルは、本当に皆大好きです。
主役のポニョと宗介ももちろん、リサと耕一夫婦も可愛い。
ポニョなんて、宗介に「好き」っていわれて、バケツでくるくる回ったり万歳したりしちゃうんだぜ…。なんて可愛さだよ…。
ポニョと宗介が「好きー」って言い合うシーンなんてピュアすぎて泣けるくらい可愛い
二人のお互いに対する「好きー!」があまりにも真っ直ぐで眩しい。
二人の数年後とか見てみたいなー。宗介は天然でもてそうな感じがする。それで、ポニョはちょっとやきもち焼き。
いいなー…。見たいなー…。いつまでも仲良く暮らしてて欲しい…。


それから、一番語りたいフジモト夫妻。
もう、フジモトが良いキャラすぎた。ジブリキャラにこんな感情を持つ日が来ようとは思わなかった。
海からプカッと出てくるフジモトのかっこよさといったら……!フジモトの横顔は本気でどのシーンでもかっこいいと思うの!
海からの登場も海への退場もかっこいい。それから、あのいちいち芝居がかった仕草とか台詞がたまらん!!
水魚に指示出したり呼び出したりする時の手つきなんて最高だ。あのさっと手首をしならせる自然な動きが…!
(フジモトが水魚を使うシーンは全部大好きです)
かと思えば、ポンプをきこきこしながら歩く姿は超可愛い。
海の汚れたとこに突っ込んじゃって顔をしかめて手をぶんぶん振ってるところも超可愛い。
顔にライト当てちゃって慌てちゃったりする少し間の抜けた感じがいい。大好き。
だけど不気味って言われたり不審者扱いされたり、なぜか誤解を受けやすいフジモト。
確かに物語的には主人公の恋路を邪魔する障害役なんだけど、でもなんか憎めないフジモト。
おばあちゃんたちに悪人扱いされてすごい不本意な顔したり、いい人なんでしょうけどねえ…ってヒソヒソされたり、
宗介に逃げられて「違うのにー!」とか言ってるところがかーわーいーいー!
あげくに娘からは「悪い魔法使い」呼ばわりされて気の毒すぎる(笑)お母さんは「大好き」なのに!
ポニョはフジモトの前では好き放題やってるのに、マンマーレの前になると急に隠れちゃったり神妙になったりしてて、
その態度の違いが両者の力関係を如実に表しているような気がしてならない。
「実の父になんてことを!」とか、「父はおねえちゃんを思えばこそ…!」とか、
言い方が可愛くて好きなんだけど、報われない台詞だなあとも思う…。
がんばれフジモト!私は部屋にあった服が全部縦縞なところも大好きだよ!


フジモトが最初に「あの人」って言ったとき、誰のことだろうと思ってたんですけど、
後半でそれが自分の奥さんであると判明した瞬間に私の中で何かが燃え上がった。
「あの人」って…。自分の妻を「あの人」って…。その限りなく純粋な憧憬をこめた呼び方は何だ!夫婦なんだろう!?
子供だっているのに、なぜそんなに切ない呼び方してるんだ。なぜ会えると思っただけで胸が苦しくなっちゃうんだ!
「ポニョ」で好きなシーンはたくさんあるけど、一番はフジモトとマンマーレが海の上で会話してるところです。
「あの人だ」「来てくれたんだ」ってフジモトすごい嬉しそうなんだもの…。
でも、彼女に面と向かってる時は「お前」で、マンマーレも「あなた」って呼ぶ。その夫婦の距離感がたまらない。
しかも、「ブリュンヒルデ」なんてロマンチックな名前をつけたのに娘に「ポニョだもん」と一蹴された上に、
流されたのか自分まで「ポニョ」って呼び出してるお人よしなフジモト。
あげくマンマーレにまで「ポニョ?いい名前をもらったのね」とか言われて立つ瀬がないフジモト…。
私の失敗だ…って申し訳なさげな顔が可愛いです。マンマーレが来てくれたのは嬉しくても、
やっぱり自分の失態を尻拭いさせてしまうのは落ち込むという複雑な心境がうかがえてときめく。
フジモト、家に帰ってきてからびっくりしたんだろうなー。家の中めちゃくちゃだし、ポニョはいなくなってるし…。
全体を通して、事態の収拾に奔走するフジモトの慌てっぷりがとても可愛いんですけど、
それに対するマンマーレの全てを包み込む鷹揚さとゆったりした雰囲気がとても美しいです。さすが偉大なる海の母。
ポニョに「大好きだけどとっても怖い」と言われていた通り、海そのもののような彼女は、
時に厳しく、そしてすべてを受け入れる寛容さを持ち合わせているのだろうなあ……。
あと、このシーンの、マンマーレのイヤリングが鳴るシャラランって音、綺麗で好きだー。


ポニョもフジモトもそうなんだけど、こういう種族を越えて結ばれる二人っていうのがすごく萌える。
異種間恋愛っていうのかな、人間と人間以外のものの恋。(クロエリも同じく)
そういう障害を乗り越える絆の強さが好きっていうのもあるけど、それでも時に二人の存在が
どうしようもなく隔たれたものであるというのが垣間見えるところもあったりして、そんな切なさも大好物。
「ポニョ」でいうなら、「おめめから水出てる」ってポニョが言うところとか。
人間になりたくて人間に化けてるけど、やっぱりなりきれてない(そしてポニョ自身がそれに気づいていない)哀しさというか…。
でも、その後二人はちゃんと手を繋いで歩き出してて、そんな差異すらもこれから二人で
埋めていけるんだろうなと思うと、ますますポニョと宗介には幸せになってほしい。
それから、フジモト夫妻でいうと、「あら、私たちは元々泡から生まれたのよ」っていうマンマーレの台詞とか。
二人の根本的な存在の違いを示してるようで少し切ないと思うのは考えすぎかなー。
マンマーレと一緒にいたくて人間をやめたのであろうフジモトの前で、それをさらっと言ってしまうのかと…。
ただ、人智を越えた存在であるマンマーレの天然さというよりも、この二人にとっては、
そんなこと今さら問題になるほどのことでもないのかもしれない。夫婦になってから長いんだろうし。


マンマーレに恋い焦がれるフジモトという関係に萌え過ぎて妄想が止まらなくなって、
二人の馴れ初め(本気で映画化してほしい)とか二人の過去とかものすごい勢いであれこれ考えて、
ふと冷静になってグーグル先生に教えを乞うたところ妄想の大半は設定と食い違っていて自分の暴走っぷりを思い知りました。
あ、でも一つだけ「『海なる母』であるマンマーレをフジモト一人が独占することは許されず、だから二人は(やむを得ず)離れて暮らしている」
という設定だけ想像通りで超嬉しかった。「許されない」という一文が私の萌え心にどっきゅんハートした。
大変な苦労を重ね、人間をやめて海の世界の住人となっても、なお彼女の全てを手に入れることはできないとか…!
偉大な海、母なる海の化身であるマンマーレの愛情は、おそらくフジモトだけじゃなく全ての生物に等しく注がれているんだよ。
それは彼女が彼女である以上仕方のないことだし、マンマーレはフジモトのことをちゃんと夫として愛してるんだけど、
その愛情を宿命的に独り占めにはできないというところが何とも切ない。
あるいは、フジモトにとってマンマーレは、憧れの存在過ぎて、独り占めしようなんて考えは最初からないのかもしれない。
少なくとも、結婚するにあたってその辺の覚悟はしてたんだろうな。
でも、やっぱりどこかで、もっとマンマーレに近い存在でいたいという気持ちがあるのかもしれない。自分が元・人間だったから特に。
というか、そんな感情をもしフジモトが持っていたら、萌え過ぎて腹筋おかしくなりそう。


これは完全に私の妄想なんですが、もしも、フジモトの「『生命の水』を使ってかつての海の姿を取り戻したい」
というのが、マンマーレのためだったりしたすごくいい。
元々の人間嫌いもあったのかもしれないけど、マンマーレはいわば海そのものみたいな存在なわけで、
その海を汚し、破壊する人間たちを許せないとか思ってたのかもしれない。
あるいは、昔の海はこうだったのよ、とかマンマーレが話してくれたことがあって、
彼女が愛したかつての海をもう一度見せてあげたいと思ったのかもしれない。
あるいは、マンマーレのために古代の海を再現するという大事業を成し遂げることで、
少しでも彼女の「特別」になりたかったのかもしれない。
というか、これらの理由全部だったらいいな…。
どれほど海の姿が変わろうとも、マンマーレはそれをそのまま受け入れる懐の深さを持っていると思うのだけど、
フジモトは「人間を一掃して、美しい海を取り返すんだ!」って考える。
その辺の微妙な方向性の違いがそのまま、神性であるマンマーレと人間だったフジモトの違いであるような気さえする。
そんなフジモトを、マンマーレはあの鷹揚さで「あらあら、がんばってね。うふふ」と見守ってたんだろうか。
それとも、マンマーレはまったく知らないフジモトだけの秘密計画だったのか…。
どちらにせよ結局失敗してしまったわけだけど、でも「昔の海みたいで素敵」ってマンマーレが言ってたから
成功したといえばしたのかな。
(予定とはだいぶ違う形でだけど)(というか勝手な妄想なんだけど)


あと、ポニョやその妹たちは、髪の色がフジモト似というのがなんか嬉しい。
(体の色はマンマーレゆずり?と思ってたら違ったらしい)
フジモトは、マンマーレと離れて暮らしてるから、よけいにポニョに対して過保護になるのかなーとも思う。
人間をやめるにあたってどんな苦労を重ねたのかはわからないけど、
やっぱりフジモトの根は人間なんだと思う。(身体的にも、空気がないと駄目っぽいし)
だから、マンマーレと離れ離れという現状は、悟ってはいても、完全に寂しさを払拭できてはないのかもしれない。
ポニョを始めとする子供たちは、いわば自分が彼女に愛されてた(そして愛されている)証なわけで、
それで手放したくなかったのかな、と。単純に人間や人間の住む世界が嫌いだったからという方が
可能性は高いんだけど、なんとなくそう思った。
自分はかつて愛する人のために人間であることをやめたのに、
その愛する人との間にもうけた娘が人間界の住人になろうとしているというのはどんな心境なのだろうなー。
ポニョの妹たちに囲まれてマンマーレの元へ運ばれるポニョらを見るときの複雑そうな表情とか、
宗介たちに大喜びで駆け寄るおばあちゃんたちの後ろにぽつんと一人で立ってるフジモトとか見ると、なんか切ない。
ポニョいなくなったら、ますます寂しくなっちゃうもんなー。
マンマーレは、あのまま去ってしまったんだろうか。フジモトのところに寄ってあげればいいのにと思うけど、
母なる海は誰か一人のものになれないからなー。
こういう不測の事態でもないとマンマーレを呼んじゃいけないんだろうか、フジモト…。


考えれば考えるほど萌え上がるフジモトとグランマンマーレ…。
先日もレッド×かよ子で騒いだばっかりだけど、フジモト夫妻も殿堂入り確実な気がしてきた。
なんという当たり年。今年はいい年になりそうだ!
しかし予想外に長文になってしまったなー。そして久々にクロエリ以外のことを書いた気がする。

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