空しき旋律*儚き唄

□第6箱 相変わらずだね
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『やっほー阿久根くん』

「水泡さん」

わたしは阿久根くんの横に並んで歩き始める
久しぶりだね、この感じ

『どうしたの?それ』

分厚い本やら紙やらを大量に抱えた阿久根くん
少なくとも柔道にそれらは必要ないはずだよね

「ああこれはですね…」

『ん?』

よく見れば阿久根くんの身に纏っている制服は普通の生徒のものとはちがって真っ黒だった
めだかや善吉くんみたいだねー
…めだかや善吉くん?

『もしかして阿久根くん…いや、もしかしなくても……』

「気づきましたか?」

『まぁ』

阿久根くんがキラキラし始めたぞ…
気づきましたかっていうか気づかない方が不思議なんじゃ……

「あれから俺は生徒会書記になったんですよ」

めだかの様に凛っと胸をはる阿久根くん
胸元を露出してるのには何か意味があるんだろうか…
なんか怖いから聞かないケド

『なるほどねー
 じゃあそれは生徒会の書類かなにか?』

「そんな所です」

現在生徒会の人数は合計三人ということか
着々と人数が増えてるね

そろそろ、わたしが手伝いにいかなくても大丈夫かな?

「そういえば、めだかさんが最近水泡さんが生徒会室に来てくれないと嘆いていましたよ」

嘆かれちゃいましたか…
めだかは嘆く様な人じゃないと思ってたんだけどなー

まあ、最近、生徒会室に行っていなかったのは事実だし
わたしはほーんの少しだけ反省した
…だからといって、わたしが生徒会室に行く回数が増えるわけじゃないんだけどね

気が向いたら今度また生徒会室に遊びに行くよとだけ伝えて、わたしは阿久根くんと別れた



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