空しき旋律*儚き唄

□第7箱 素敵だと思う
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「何?絵のモデルになってほしいだと?」

「はい!図々しいお願いとは思いますが
 是非!黒神さんと水泡さんに引き受けていただきたく!」

『え?わたしにも言ってる?』

モデルなんかやれるほどスタイルよくないと思うんだけどねー

ちらっと今回の依頼主の方を見る
確か部活見学の時にみかけた顔だなー
絵のモデルってことは美術部あたりかな?

「一年十二組夕原クンかキミは美術部員なんだってね」

あったりー
ちょっと嬉しいねー

「いえ!美術部員ではありません!
 芸術家(アーティスト)です!!」

…これまた随分と濃いキャラクターの人みたいだね
よく存在を忘れてたよ、わたし


『めだか!ちょっと待って
 わたしはモデルをやるなんて言ってな』

「さて!それでは夕原同級生!
 思う存分描くがよい!!」

生き生きしてんなーめだか
何故ビキニでボディビルのポーズなのかわかんないけど
結局わたしも水着着てるしね…

「エ…クセレント!」

今にも鼻血を出しそうな勢いの阿久根くんと魂の抜けている善吉くん

「素晴らしいめだかさん!
 あなたは女神だ!」

「おいおい阿久根書記女神は言い過ぎであろう
 せめて妖精といったところではないか?」

うーんなんでわたしの周りには賢いバカが多いのかなー
和波とかめだかとか阿久根くんとかねー

「水泡はよく水着が似合うな」

「めだかさん程じゃないにせよ
 水泡さんもお綺麗ですよ」

『お褒めに預かり光栄です』

阿久根くんのは誉めてるのか貶してるのかわからないけど

『めだかこそスタイルいいから水着になると更に綺麗だよね』

私が軽く微笑むと、めだかはこれ見よがしに美しい肢体を見せつけてくれた
スタイルがいいのはわかるんだけど何故に決めポーズがサイドチェストなんだろうね?


「ったく…なんで女神がボディビルのポージングするんだよ」

「いや人吉くん
 阿久根さんの言う通りだよ
 なぜなら今回の僕のテーマは『女神の浜辺』!
 つまり女神でなければ描く意味がない!」

びしっと決める夕原くん
そして筆をとり勢いよく描き始める
すぐに終わりそうだし、絵のモデルって案外面白いなーなんて思ってたら





そう簡単にはいかなかったのです



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