夏組

□HAPPY BIRTHDAY
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何かを貰うより、どこかに連れていって貰うより、大好きな人が側にいるのが何よりも幸せだと思うの。

HAPPY BIRTHDAY


今日は私の誕生日、って事で、私の彼氏の梓君は今日のために大分計画を練っててくれたみたい。

雑誌とか見てデートコースとかご飯のお店とか調べてたの知ってるから(内緒にしてたいみたいだけど)、それだけで愛されてるなぁって感じて幸せになった。

「先輩!今日は楽しんでくれました?」

「うん!すっごく楽しかったよ!」

「喜んで貰えて光栄です。」

楽しい時間はいつだって早く感じるもの。いつの間にか時間は経っていて、結構遅い時間にまでなってしまった。
寮の前まで送ってくれた梓君にもう一度お礼を言って部屋に戻ろうと思って顔をあげた。と同時に首にヒヤッとした感触がはしった。

「ひゃ…!」

「あ、冷たいですか?もう少し我慢して下さい。」

変な声をあげた私を適当に流して、凄い近い距離で話す梓君にドキドキする。

「はい、出来ました。」

「え?」

「誕生日プレゼントです。ネックレス、似合ってますよ。」

「あ、ありがとう!」

今日のデートだけで嬉しかったのにまさかのプレゼントまで貰えて、嬉しすぎて涙が出そうになった。

「本当にありがとうね…。」

「先輩?」

「あ、このネックレスについてる石、何?」

泣きそうになってる顔を覗かれて、ごまかすために口から出た言葉。不自然な感じになっちゃったけど…変に思ってないかな?
特に気にした様子もなく、梓君は私の質問に笑顔で返してくれた。

「これ、12月の誕生石なんです。ターコイズっていう石みたいですよ。」

「ターコイズ…って確か‘成功を保証する’みたいな意味あったよね。」

「そうなんですか?先輩詳しいんですね。」

「女の子だしね、一応自分の誕生石くらいは知ってるよ。」

「そんなもんなんですかね?」

「大体の子は自分の誕生石くらいなら知ってると思うよ。
そういえば、梓君も12月生まれだから誕生石ターコイズだよね!」

「そうなりますね。」

「私にはあんまり似合わないけどさ、‘成功を保証する’って言葉、梓君にはしっくりくるよね!」

「自分じゃ別にそうは思わないですけど…。あ、でも、そうですね。

先輩を幸せにするのは僕だっていうのは保証しますよ。」


何の迷いもなくにっこり笑ってそう言ってくれた梓君に、私はもう一生、梓君だけがいてくれればいいや。とまで思ってしまった。



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19日が誕生日の梓スキーな友達に捧げます。
なんてくだらない話になってしまったのかしら←

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