幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□序章
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蔵馬が義弟秀一を傷つけられついに妖狐の姿に変貌を遂げた。



妖狐・蔵馬「人間界でこの姿にはなりたくなかったがお前を許すわけにはいかないからな」



カシャ


剣を両腕で持ち、構えをとり戦闘体制に入る黎明。


黎明「行くぞ、妖狐!」


バッ!


素早い動きで妖狐・蔵馬に切りかかる。


妖狐・蔵馬はその場から一歩も動かず妖気を高めた。



ビューン!!



黎明の剣が妖狐・蔵馬に振りおろされる。



妖狐・蔵馬「無駄だ」



ドカァァァ!!



妖怪・蔵馬の足もとから巨大な植物が出現した。


黎明「何!?」



ガチン!!



巨大な植物が黎明に鋭い牙で剣に噛みつく。



黎明「ぬっ!」



妖狐・蔵馬「魔界のオジキソウだ。簡単には逃れられんぞ」



ギギギ



オジギソウが不気味な鳴き声を発している。



黎明はオジギソウに噛みつかれた剣から手を放してバックステップで後ろに飛ぶ。



ギギギ


妖狐・蔵馬「どうやらオジギソウは、お前を敵と見なしたようだ」



黎明「くっ!」



黎明は着地すると同時に両腕を横に広げ床に散乱しているコンクリートの破片を吸いよせる。



ギギギ



オジギソウは黎明の追跡を開始した。



黎明の両手にコンクリートの破片が集まる。



コンクリートは徐々にその形状が変化し巨大な剣に変貌を遂げた。



ギギギ



黎明に接近するオジギソウ。



黎明「雷撃閃」



黎明の持つ巨大な剣に雷が宿る。



ギィギギギ



オジキソウが大きな奇声を上げると一気に黎明に襲いかかる。



黎明「ハァァー!!」



黎明は襲いかかるオジギソウに向かって斬りつける。



ズバッ!ズバッ!



オジギソウを次々と斬り裂いていく。



黎明「フン!!」



両手で剣を握り天に掲げて一気に振りおろす。剣には雷が宿っていた。



ズドォォ!!!



オジギソウは頭から一刀両断されるとともに雷による高電流が流れる。



ギ、ギ、ギギ・・



ドーン!!!



地面に崩れ落ちて、そして黒焦げになるオジギソウ。



黎明「もらったぞ!妖狐ォォォ!!!」



オジギソウを蹴ちらしそのままの勢いで妖狐・蔵馬に襲いかかる。



妖狐・蔵馬「悪いがこの程度でオジギソウから逃げられない」



妖狐・蔵馬は不敵な笑みを浮かべこめかみに右手の人差し指をあてて呟く


妖狐・蔵馬「BANG!!」


半分に切り裂かれ崩れ落ちた筈のオジギソウが突如再生して黎明に襲いかかった。



黎明「チィ!!」



ズバッ!ズバッ!ズバッ!



高速のスピードの斬撃でオジギソウを切り裂いていく。



黎明「魔界の植物はやっかいだな」



黎明は、オジギソウを斬り裂きながら横目で妖狐・蔵馬の様子を見る。



黎明(妖狐がいない!?)


妖狐・蔵馬の姿が消えていた。



フッ



黎明の背後に回る妖狐・蔵馬。



黎明「くっ!!」



黎明が振り向く瞬間に妖狐・蔵馬が鋭い一撃を放つ。



妖狐・蔵馬「樹霊妖斬拳!!」



ズボォォ!!!



黎明の複部を妖狐・蔵馬の拳が貫いた。



黎明「ゲボォッ!!」



青い血を吐く黎明。



妖狐・蔵馬「ハァッ!」


ドガッ!



黎明の身体に突き刺した拳を抜き身体を回転して回し蹴りで黎明の頭部を直撃する。



黎明「ぬぅぅ!!」



後ろに吹き飛ぶ黎明。



妖狐・蔵馬「チェックメイトだ」



妖狐・蔵馬は冷酷な瞳で黎明を見つめている。



ギギギ



一斉にオジギソウが吹き飛んだ黎明を捕まえて呑み込むと、全身を締め付けはじめた。



バキッ、ボキ、グキ



黎明「ぐわぁぁぁぁ!!」


不気味な音が辺り一面に鳴り響く。



妖狐・蔵馬「大口を叩いたわりには大したこともなかったな」



パチン



妖狐・蔵馬が指を鳴らすとオジギソウは黎明を呑み込んだまま姿を消した。



妖狐・蔵馬「秀一」



妖狐・蔵馬は気を失っている秀一に近づきながら元の南野秀一(蔵馬)の姿に戻った。



蔵馬は秀一を抱き起こすと揺すって目を覚まさせる。



蔵馬「大丈夫か?秀一」


秀一「う……」


ゆっくりと目をあける秀一。



秀一「・・・秀兄ィ・」


蔵馬「良かった。気がついたか秀一」



蔵馬は義弟に優しい笑みを浮かべる。



蔵馬「どうして建物の中に入ってきたんだ?」



秀一「秀兄ィが爆発した建物に作業員の人の救出に入ってから中々戻らないから心配で秀兄ィに何かあったと思っていてもたってもいられなくて」


蔵馬「すまない秀一。お前をこんな危険に合わせてしまった」


秀一「何いってんだよ、秀兄ィ、俺たち“家族”だろ」



蔵馬「そうだな。でもこんな危険な事はしないでくれよ。



秀一「秀兄ィこそな」



蔵馬は目を閉じて微笑みを浮かべ秀一の手をとると立ち上がらせる。



蔵馬「作業員の人も連れてここから出よう」



秀一「うん」



蔵馬(倒すことは出来たが恐ろしい使い手だった。奴から感じた異質な力や奴らの目的がまだわからない。桑原君たちが気掛かりだ、何もなければいいが)



――その頃、蔵馬の心配していたことが既に現実となり桑原たちに最大の脅威が訪れていた。



続く
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