幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜
□序章
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――蔵馬たちが立ち去って1時間後の河原崎の建設現場。
警察や関係者たちが爆発した現場の検証をしていた。
「さっぱりわからんな」
「ああ、爆発の要因となるものが見当たらない」
現場検証している一人が地面や壁にいくつか付着している青い液体を発見した。
「何だこの青い液体は?」
指に液体を付着させて触ってみる。
「おいっ!これ見てみろよ」
一人の警察官が近づいてくる。
「これ、塗料かなんかかな?」
青い液体を指に擦りつけながら見せる
「なんか血に似ているけど人間のじゃあないな」
「気色悪いな」
警察官たちは不気味な液体に困惑していた。
河原崎建設現場から離れたビルの屋上で現場検証の様子を金髪の男と小柄な男が眺めている
金髪の男「駁、黎明はどうやら妖狐に倒されたようだな」
駁と呼ばれた男は赤い髪に小柄ながら鋭い目つきをしている野性的なオーラを醸し出していた。
駁「情けない奴だ。あの程度の妖怪に殺されるとは。黎明の奴め相手の力量を甘く見すぎだ」
金髪の男「仮に黎明が甘くみていたとしても、黎明を倒すことが出来る奴らだ。決して侮る事が出来ない」
駁は金髪の男を見た。
金髪の男の肩には戦闘で傷がついたような後がある。
駁「しかしお前のフィールドを貫くやつがいるとはな」
金髪の男「ああ、流石はかって魔界を統一をしようとしていただけの事はある。例の者・桑原を追いつめた時に奴は私の邪魔をして桑原を何処かへ飛ばした」
駁「比羅(金髪の男の名前)、お前は奴が桑原を何処へ飛ばしたと思っているんだ?」
比羅「おそらくは……」
――その頃蔵馬は桑原宅の近くまで来ていた。
「あら、蔵馬君じゃない!久しぶりね。どうしたの?」
桑原の姉の静流だった。
蔵馬「あ、静流さん、久しぶり。元気でしたか?」
静流「あたしは元気よ。相変わらず美容院で美容師としてばりばり働いているよ」
蔵馬「今度、母を連れてお店に行きますよ」
静流「蔵馬君のお母さんならサービスするよ。それより蔵馬君、和と雪菜ちゃんを見かけなかった?」
蔵馬「桑原君たちまだ帰ってきていないんですか?
静流「別に心配するような時間じゃあないけど、和の奴妙なこだわりがあって可愛いがっている猫の餌は俺がやるっていって、餌を上げる時間までには必ず帰ってくるのよ。美味しそうに食べる猫の顔を見るのが楽しみなんだって、だから気になってね」
蔵馬「昼間、桑原君たちには会ったけど、別れてからはどうしているのかはわからないな。俺は桑原君に用があって家の方に向かっていたとこだったんですよ」
静流「まっ、雪菜ちゃんが一緒だからデート気分で浮かれていたりしてね」
静流は苦笑いしている。
蔵馬「はは、昼間に二人の様子を見ましたけど微笑ましい感じでしたよ」
静流「どうする蔵馬君?
和に用があるならうちに上がって和の帰りを待つ?」
蔵馬「いえ、帰っていないならまたにしますよ」
蔵馬は静流に軽く会釈して背を向けた。
静流「ああ、蔵馬君、悪いけどもし和たちに会ったら早めに帰るように伝えといてね」
蔵馬は静流に振り向き答える。
蔵馬「わかりました。じゃあ静流さん、俺はこれで」
蔵馬は静流と別れて静流の姿が見えなくなってから急に走り出した。
蔵馬「桑原君たちにおそらく何かあったに違いない)
蔵馬は桑原を捜して町中を走って捜し続けた。
そして捜している最中に少し乱れた妖気を感じとった。
蔵馬(!?)
蔵馬「妖気を感じる。町外れの方から感じるな」
蔵馬は妖気の感じる場所に向かって走りだした。
蔵馬(一体誰だ!?)
――その頃、人通りの少ない路地裏で黄泉が壁を背にして腰をかけている。そして隣には一人の男が立っている。
黄泉「礼をいうぞ、お前が来てくれなかったら俺も危なかったかもしれん」
黄泉は身体に数ケ所の傷を負っていた。
男「へっ、よく言うぜ!おめーなら俺が来なくても乗りきっていただろ」
黄泉「フッ」
黄泉は男の言葉にニヤリ。
男「礼をいうなら俺の方だぜ。おめーがあいつらを助けてくれるとは思わなかった」
黄泉「あいつらを助けたのは成り行きだ」
男「あいつらをどこに飛ばしたんだ」
黄泉「ああ、それは…」
タッタッタ
黄泉が答えようとした時に足跡が聞こえてきた。
黄泉「フッ、ちょうどタイミングのいい客が来たぞ」
男「あれは…蔵馬じゃねーか!」
二人の存在に気付いた蔵馬が近くまでやってきた。
黄泉「また会ったな蔵馬」
蔵馬「黄泉!?どうしてここに、それにお前のその傷は…」
その時、黄泉の隣にいた男が蔵馬に話しかけてきた。
男「よっ!蔵馬、久しぶりだな」
蔵馬が男の方に視線を向けると驚きの表情を見せる。
蔵馬「ゆ、幽助!?」
――浦飯幽助と蔵馬久しぶりの再会であった。
続く