幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜
□序章
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幽助「久しぶりだな。お前の挨拶にしたらちょっと手ぬるい感じだったぜ、黄泉」
幽助はゆっくりと歩いて黄泉に近づく。
黄泉「戯れだ。魔界統一トーナメント以来だな、浦飯」
幽助と黄泉は、三年前の魔界統一トーナメントの三回戦で対決した。
この試合で幽助は敗れはしたものの、圧倒的に力の差があった黄泉相手に60時間に及ぶ戦いを繰り広げる善戦をしたのだった。
幽助「何でおめーが人間界に来ているんだ?」
黄泉「ああ、息子の修羅を今まで人間界に連れて来た事がなかったからな。大会も近いし息抜きと社会勉強をかねて連れてきたんだ」
修羅「そういうこと」
フッ
幽助と黄泉の前に修羅が現れた。
修羅「よっ!幽助」
幽助「あの時のガキか。おめー、あれから三年もたっているのに姿は全然変わってねーな」
修羅「うるさいな。僕はあれからいっぱいパパと修行して技も妖気も強くなったぞ。今度の大会じゃあ僕が幽助をボコボコにして完全勝利!」
修羅は幽助の前に右手を突き出してVサイン。
幽助はそれを見てニヤリと笑う。
幽助「相変わらず生意気なガキだな。楽しみにしてるぜ。倒せるもんなら俺を倒してみろよ」
幽助は右手を前に出して親指をたてる。
黄泉「浦飯。今日の昼に蔵馬に会ったよ」
幽助「そうか、俺は、同じ人間界にいながら仕事が忙しくて最近は蔵馬とはろくに会ってねーんだ。大会には蔵馬は出るって言っていただろ?」
黄泉「いや、まだ分からないようなことを言っていたよ。そして今の魔界で優勝出来る者なら誰が王になっても悪い世界にはならないだろうともな」
幽助「蔵馬らしいな。でもあいつのことだ。必ず参加するさ」
黄泉「フッ、俺も蔵馬は口ではああ言っていても参加すると思う。クールでありながら好戦的なあいつが大会の熱気に触れたら嫌でも血が騒ぐだろう」
幽助(そういえば考えたら蔵馬とは一度も戦ったことねーな。あいつと戦うことになったら面白いな)
黄泉「浦飯。お前も前の大会からかなり修行したみたいだな。俺は今度の大会でもう一度お前と戦えるのを楽しみにしている」
幽助「俺もだ!おめーには、前の大会での借りを返さないといけねーんだからな」
黄泉「あれから三年の間に俺も修羅も修行を積んだ。お前の三年間の修行の成果の全てを俺にぶつけてもらいたいものだ」
幽助「当たりめーだ!今度は負けねーぞ!」
黄泉「俺と当たるまでつまらない相手に負けるなよ」
幽助「おめーもな」
黄泉「さて、俺たちはそろそろ行く。次に会うのはおそらく大会だろうな」
幽助「何だもう行くのか?俺のラーメン食っていかねーか?」
黄泉「ラーメン?何だそれは??」
幽助「人間界の食いもんだ。美味いぜ。俺の奢りだから食ってけよ」
幽助の誘いに黄泉はちょっと困惑気味。
黄泉「俺は人間を食べるタイプの妖怪だぞ」
修羅「パパ、僕はラーメンっていうものを食べてみたいよ」
黄泉「うん、そ、そうか。修羅がそういうなら食べていくか」
幽助は屋台の椅子に黄泉と修羅を座らせてラーメンを食べさせた。
修羅「何だこれ?細くて長い!?」
幽助「それはラーメンの麺だ。修羅、うめえだろう?」
修羅「幽助にしてはまあまあかな」
幽助「へっ、可愛げのないガキだぜ」
幽助はチラッと黄泉の様子を見る。
黄泉「ぬぅ、これは!?」
修羅とは対称的に深刻な顔をしながら食べている。
どうやら箸が上手く使えないようだ。
幽助(はは、日本に初めて来た外国人みてーだな)
修羅「幽助、今日人間界の遊園地ってとこにいったけど面白いな。魔界にはあんなものがないからびっくりしたよ」
幽助「へ〜、遊園地に行ったのか。黄泉に連れていってもらったのか?」
修羅「うん。僕が看板で遊園地を見て行きたいっていったらパパが連れて行ってくれた」
幽助は黄泉の顔を見てニヤリと笑う。
黄泉「な、何だ浦飯?」
幽助「相変わらず子供には甘いようだな黄泉」
黄泉「うっ……」
黄泉はちょっと困った顔。
――数十分後
黄泉「ご馳走になった。では俺たちは行くぞ」
幽助「もう魔界に戻るのか?」
黄泉「いや、明日の夜に蔵馬にもう一度会ってから戻ろうと思っている」
幽助「そっか。じゃあ大会でな、黄泉」
黄泉「ああ」
修羅「またな!幽助」
フッ
二人の姿が幽助の前から消え去った。
幽助(黄泉も修羅も前より遥かに強くなってる感じだったな。おもしれーぜ!ぜってーにあいつらに負けねーぞ!!)
三年ぶりの再会を果たした幽助と黄泉であったが再び二人が会う事になるのは大会ではなく、会った翌日に繰り広げられる事になる戦闘の中で再会することになるのであった。
続く