幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□序章
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比羅「とどめだ!」



ビューーーン!!



修羅(殺られる!!)



黄泉「修羅ァァァァ!!!!!」



バッ!!



黄泉は修羅の下へ飛んだ。


修羅(かわせない……)



修羅は死を覚悟をして目を閉じた。



ドゴォォォ!!!!



桑原「ああ……!!」



雪菜(!!)



修羅(あれ…?僕、生きてる??)



修羅は恐る恐る目を開ける。



修羅(!!)



修羅が目を開けるとそこには衝撃の光景があった。



修羅は叫ぶ。



修羅「パ、パパァァァァ!!!!!」



比羅、ニヤリ。



比羅「馬鹿め、息子を庇ったか」



黄泉「ぐっ……」



比羅の拳が黄泉の腹部を完全に貫いていた。



黄泉「ガハッ!!!」



黄泉は口から大量の血を吐いた。



黄泉の腹部からは血が溢れ出ている。



溢れ出る血は比羅の手を伝わり地面にまで流れ落ちていた。



比羅「やはり親だな、黄泉。私としては貴様を倒す手間が省けたからむしろ願ってもない好都合だ」



ズボッ!!



比羅は黄泉の腹部に貫通している手を引き抜いた。



黄泉「ガハッ!」



黄泉は再び血を口から吐いた。



ガクッ



黄泉は腹部を押さえると膝を地面につけた。



比羅「その身体ではもはや私の邪魔は出来ないな」



修羅「パパァァ!!」



修羅は心配そうに黄泉の肩にしがみついている。



黄泉(ぬうう……。思ったより傷が深いな…… )



雪菜「いけない!」



ダッ!!



雪菜は回復の術をかけようと黄泉の所へ駆け寄ろうとした。



黄泉「来るな!!」



桑原「雪菜さん!!行ったらいけねーー!!!」



比羅「フッ」



スッ



比羅は雪菜に右手の手の平を向けた。



比羅「回復の術は使わせない」



ドーーーーン!!!



比羅は雪菜に向けて強烈な衝撃波を放った。



雪菜「キャアァァァァ!!!」



衝撃波による圧力が雪菜に襲いかかる。



桑原「雪菜さーーーん!!!」



ダッ!!



桑原は素早く雪菜の前に立つと全力で霊気を集中した。そして両手の手の平を前に突き出して衝撃波の威力を受け取める。



雪菜「か、和真さん!!」


桑原「グォォォォォ!!!!」



ズズズ……



少しずつ桑原は衝撃波の圧力に押されていく。



比羅「まだそんなに霊気が残っていたのか。だが無駄だ!」



ドーーーン!!!!



比羅はさらにもう一発、
強力な衝撃波を放つ。



桑原(!!)



ズズズズズズ………



桑原「ち・・チクショーォォォォォ!!!」



黄泉(まずい……)



バーーン!!



桑原「うわァァァァ!!!」



雪菜「キャアァァァァ!!!!!」



ズシャッ!!!



桑原と雪菜は衝撃波によって吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。



桑原「グゥゥ…!クソッタレがァァァ!!」



地面に叩きつけられた桑原はゆっくりと立ち上がる。


桑原「はっ!?雪菜さん!!!」



必死に雪菜の姿を捜す桑原。


桑原(!)



雪菜は地面に倒れていて動かない。



桑原「ゆ、雪菜さーーーん!!!!!!」



ダッ!!!



桑原はボロボロの身体を引きずりながらも雪菜の所へ駆け寄る。



スッ



桑原は直ぐに雪菜の身体を抱き起こした。



桑原「雪菜さん!!雪菜さん!!雪菜さーーん!!!」



雪菜「うっ……」



桑原「良かった……。
気を失っているだけか」



比羅は黄泉と修羅の方を向いてニヤリ。



比羅「貴様等の止めは後でゆっくりと刺してやる。そこで待っていろ」



比羅は桑原のいる方へ向かって歩き始めた。



桑原は比羅がこちらに向かって来ている事に気付いた。



桑原「クソォォォ!!」



ジジジ……



右手に霊剣を作り出して戦闘態勢。



黄泉(………)



黄泉は比羅に貫かれた腹部の傷を見た。



黄泉(この傷では人間達を守りながら戦えない。仕方がない…)



比羅「桑原よ。私と共に来てもらうぞ」



桑原(次元刀はもう出せねーし、一体どうすればいい……)



黄泉「*#/>∠煤v&」



黄泉は両手の手の平を合わせると呪術の詠唱を始めた。



修羅「パ、パパその術は??」



スッ



合わせていた両手の手の平を離して前に突き出す。


黄泉「ハァァァ!!」



ボーン!



ボーン!



ボーン!



黄泉の手から三つの黒い円が現れた。それはまるでブラックホールの様にも見える



修羅「ま、まさかパパ、それは!?」



黄泉「空間転移の術だ」



スッ



黄泉が黒い円の一つに手を触れると円は突如高速回転を始めた。



ブォォーーーン



スッ



続けて残り二つの円にも黄泉は手を触れた。



ブォォーーーン



ブォォーーーン



さっきの円と同様に二つの円も高速回転を始めた。



黄泉「ハァァァ!!!」



ドーン!



ドーン!



黄泉は二つの黒い円を桑原と雪菜に向かって投げた。



比羅も黒い円の存在に気付く。



比羅「な、何だあれは!?」



パァァァ!!!



桑原「なんじゃあこりゃあァァァ!?」



黒い円が桑原と雪菜を包み込む。



修羅「初めて見た!これが空間転移の術…」



ドンッ



修羅(!?)



黄泉はそばにいた修羅を残り一つの円の中に突き飛ばした。



修羅「パ、パパ!?」



桑原「て、てめー!これは何なんだァァァァ!?」



黄泉「人間よ。お前を奴に渡すと人間界のみならず必ず魔界にも悪いことが起こる予感がする。悪いがこの場から逃がす為に別の場所に飛ばさせてもらうぞ」



桑原「お、おい冗談じゃあねーぜ!!これってまさか」



桑原は自分を包み込んでいる黒い円を見て何かを思い出した。



桑原「こ、この感覚は、死々若丸や鈴木に昔、別の場所に飛ばされた時のあの感覚と同じだ」



修羅「パパ!僕までどうして??」



黄泉「修羅よ。この場は俺に任せるのだ」



修羅「僕も一緒にあいつと戦うよ」



黄泉「駄目だ!!今のお前では到底、奴には勝てない。かえって俺の足でまといになる。お前は父の足でまといになりたいのか!!」


父の言葉にビクッとする修羅。



修羅「で、でもパパは僕を庇って大きな怪我をしてる……」



黄泉、ニコリ。



黄泉「案ずるな修羅。俺には大会用に編みだしたあの技がある。俺一人ならなんとかこの場は切り抜けられる。奴を倒したら直ぐにお前を迎えに行く」



修羅「パパ……」



黄泉は立ち上がると右手を強く握り締める。そして今度は右手を高く上に挙げたのだった。



黄泉「ハァァァ!!!」



掛け声と共に三つの円は空高く昇った。



比羅(!)



桑原「何だ!身体がどんどん何かに吸い込まれていく!!」



黄泉「這凵煤v



黄泉の短い詠唱によって円の回りは強力な妖気に包まれる。



黄泉「ハァッ!」



桑原「ま、またかよ〜〜〜!!!雪菜さ〜〜ん!!」


修羅「パパァァ!!」



フッ



桑原と雪菜と修羅の三人の姿はこの場から完全に消え去った。



比羅「消えた!?」




黄泉「フッ、上手くいったな」



ズキッ



黄泉「ぬうう……」



ガクッ



黄泉は腹部の傷の痛みで再び地面に膝をつけた。



キッ



比羅は黄泉を睨みつけた。



比羅「き、貴様ァァァァ!!!!」



怒る比羅とは対象的に黄泉はニヤリ。



黄泉「フッ、これでゆっくりとお前と勝負の続きが出来るな」



――とある森



上空に黄泉の飛ばした黒い円が姿を現した。



桑原(!)



ヒューーーーー!!



桑原「ウォォォォ!?」



ドタッ!!



桑原は空からどこかの暗い森の中へと落とされた。



桑原「痛てて……」



桑原が辺りを見回すと桑原が落ちた森は、障気に満たされた異様な雰囲気を醸しだしていた。



桑原「こ、ここは…まさか!?」



続く
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