幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜
□序章
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――黄泉と修羅に会った日の翌日。
幽助は某TV局の裏口に訪れていた。
幽助の母である温子が持ってきた依頼のカルトの三人組のサインと小兎の私物を手に入れる為である。
幽助「いつも悪いな」
小兎「いいよ。これもファンサービスになるし、私達にもお金が入るしね」
幽助はカルトの三人組のサインと小兎の私物を受け取る。
瑠架「貴方もいつも大変ね」
樹里「本当本当」
幽助「まあな、魔界と人間界との結界を霊界が解いちまって妖怪が自由に人間界に行き来出来るようになっちまってから、妖怪と人間とのトラブルがあると思って始めたこの商売だけど、依頼の殆どがおめーらのサインとかばかりだからな」
樹里「でも私達には人間界でのいい収入減になるし、私たちファンには喜んでもらえるし、良いことばかりだよね」
瑠架「そうね」
幽助「依頼がある時はまた頼むぜ」
小兎「了解」
幽助「そういえば、おめーらはもうすぐ魔界統一トーナメントがあるの知っているか?」
小兎「もちろん!私達は三人とも大会に行くわよ」
幽助「芸能界で売れっ子のおめーらがよく休みがとれたな?」
幽助の問い掛けにカルトの三人組はニコリと笑う。
小兎「凍矢(とうや)の…」
瑠架「陣(じん)の…」
樹里「鈴木(すずき)の…」
三人「応援に行くためよ」
幽助(おいおい…)
――その頃の魔界では
凍矢・陣・鈴木「へっくしょん!!」
同時にくしゃみをする三人。
死々若丸(??)
死々若丸(ししわかまる)は三人が同時にくしゃみをしたので不思議そうな顔で三人を見つめた。
――人間界
小兎「はにゃ〜、まあ半分は冗談で実は私は実況。樹里さんは大会の審判やスタッフ。瑠架さんは医療の手伝いをそれぞれ煙鬼さんから依頼を受けているんだ」
幽助「なるほどな。煙鬼のおっさんも今回の主催者だけあって中々やるな。おめーらのことは暗黒武術界の時から知っているからな。楽しみにしているぜ」
小兎「任せて」
幽助はカルトの三人組と別れてTV局を後にした。
幽助「よし。依頼品は無事に手にいれたな」
(後は、預かった三人のサインと小兎の私物を依頼主に渡せば依頼完了だな)
――幽助の実家
幽助「お袋〜、いるか」
温子「いる…わよ〜…」
幽助「寝起きかよ。うわ〜酒くせーな」
温子「あ〜頭痛いわ。昨日は飲みすぎた」
幽助「お袋が持って来た依頼をやってきたぜ」
温子「流石ね」
幽助「依頼主から金をもらってきたからお袋の取り分の仲介料ここに置いとくぜ」
温子「悪いわね〜、そこ置いといて。本当に二日酔いで頭痛いわ」
幽助「へいへい」
温子「ふわ〜あ。頭が痛いし眠いし幽助、私はもう一眠りするわ」
幽助「お袋が寝る前に言っとく。明後日からちょっと春ぐらいまで魔界に行ってくるわ」
温子「魔界??アメリカより遠いんだっけ?まあ気をつけて行ってらっしゃい…」
温子はそう言うと再び深い眠りに入った。
幽助「全く、お気楽中年が」
幽助は母の姿に苦笑いを浮かべながら眠った温子にソッと毛布をかけた。
――その日の夜。
幽助はいつものように屋台の準備を整え終えて営業を始めていた。
いつもの常連の一人が現れる。
幽助「いらっしゃい」
客「食べにきたよ。幽ちゃん、いつものやつ」
幽助「毎度」
幽助はラーメンを作りは始めた。
客は屋台の椅子に座る。
客「そうそう幽ちゃん、たまたま近くを通りかかったうちの娘が言っていたんだが、河原崎で現在建設中の建物が突然爆発を起こしたらしいぞ」
幽助「へ〜、危ねーな。死人でもでたのか?」
客「死人はいないみたいだ。でも作業員が一人、中に取り残されていて怪我したらしい。現場の関係者が助けだしたようだよ」
ラーメンを客に差し出す幽助。
客「いただくよ」
幽助「しかし最近物騒…」
幽助が呟きかけたその時だった。
幽助(!?)
幽助は素早く屋台から飛び出す。
幽助(大きな妖気と何かよく分からねーが、感じた事のねー気がぶつかっている)
客が屋台の椅子から立ち上がって幽助の隣までやってきた。
客「どうしたんだい幽ちゃん?突然飛び出したりして」
幽助(ここからそう離れていないな。一体何が起こっているんだ)
客「ちょっと幽ちゃん?」
幽助「あ、ああ。すまねえおっちゃん。俺は行かなくてはいけないとこが出来た。ラーメンの代金はいらねーぜ」
幽助は客にそう言うと全力で走っていった。
客「ゆ、幽ちゃん!!」
幽助(おそらくこの大きな妖気は黄泉だ。あいつがこれだけの力を出す相手とは一体何もんなんだ)
幽助は黄泉が戦い始めた場所に向かって全力で走っていった。
異質な力を持つ者とは果たして何者なのだろうか?
続く