幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□序章
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幽助は感じた妖気の場所に向かって夜の街をひたすら走り続けていた。



幽助(人間界で黄泉があれだけの妖気を放って戦っている相手ってのは一体何もんだ??)



幽助は身体の中に湧き上がってくる熱い何かを感じてていた。



幽助「なんかわかんねーけど、霊気でも妖気でもない変な奴が相手みてーだな。おもしれー!」



――辺りには誰もいない広い建物の跡地。そこで黄泉は金髪の男・比羅と対峙していた。



黄泉は地面に足を着いて腹部を左手で抑えている。



腹部から地面に血が流れ落ちるほど、彼は深い傷を負っていた。



比羅「桑原達を何処に飛ばした?」



黄泉は痛みで顔を歪めながらも比羅の問い掛けにニヤリと笑って答える。



黄泉「フッ、俺がそんな問い掛けに答えると思うか?」



比羅「どうやら貴様の口から聞き出すしかないようだな」



黄泉は腹部を抑えながらゆっくり立ち上がる。



黄泉「やってみるがいい」


比羅「さっきまでほぼ互角だったが、貴様が息子を庇って受けたその傷のせいで力の均衡はもはや崩れた筈だ。その身体ではまともな戦闘は出来ないだろう」



黄泉「それはどうかな?」



黄泉は両手を前に出して手の平を合わせた。



黄泉「煤轣Y刀煤c」



黄泉は呪術を唱えると妖気を両手に集中し始めた。



黄泉「ハァァーー!!」



黄泉は両手に集中して高めた妖気を一気に開放した。



開放された妖気は黄泉の全身を包み込む。



比羅「なるほど…。一度高めた妖気を開放し、自ら再び取り込むことで全体的な戦闘力を飛躍的に向上させたといったところか」



黄泉「フッ、元々は大会に備えて新たに編みだしていたものだったが、この傷で貴様とやりあうには使わざるおえないな」



黄泉は戦闘の構えを取った。両手と両足から黒い妖気の炎があらわれている。



比羅「お前がこんな技を隠し持っているとはな。だが私には身体を守ってくれる無敵のフィールドがある。その力を持ってしてもお前が私の身体に傷をつけることは到底不可能だ」



黄泉「やってみないとわからんさ」



ズキューーーン!!!



黄泉は素早く動いて比羅に接近すると鋭い蹴りとパンチを繰り出す。



ガッ!!ガッ!!



だが比羅の身体を守る赤い透明なフィールドの前に攻撃は阻まれる。



黄泉「ハッ!」



黄泉は続いて渾身の力を込めた強烈なストレートを放った。



比羅「無駄だ!」



ガッ!



比羅のフィールドによって黄泉の攻撃はまたもや阻まれる。



比羅「ハァーー!!」



比羅は黄泉に衝撃波を放つ。



ドーーン!!!!



黄泉「むっ!」



衝撃波を受けて後ろに吹き飛ばされる黄泉。



比羅は衝撃波に続いて黄泉に向かって両手からエネルギー波を連続して放った。


ドッ!!ドッ!!ドッ!!


黄泉は飛ばされながらも、途中でなんとか踏みとどまり、エネルギー波に備える。


黄泉(奴の放つのは妖気ではない。煉破反障壁では吸収することは出来ない)



ブォォォォォ!!!



右手に妖気を集中する黄泉。



黄泉「ウォォォォォ!!!!!」



バシィッ!!



右手で比羅のエネルギー波を弾き飛ばす。



ドガーーーーーン!!!!!!



黄泉の背後で弾かれたエネルギー波が爆発した。



そして二人はお互いに構える。



黄泉「行くぞ!」



比羅「ハァッ!」




黄泉と比羅は地面を強く蹴り空中に向かって飛び上がる。



ビューン!!



比羅の強烈な拳が黄泉の傷ついた腹部をめがけて放つ。



黄泉「魔古忌流煉破防御壁」



ガキーン!!



黄泉は比羅の拳が腹部に触れる直前に物理的な攻撃のみを全て弾く強力な青く透明な壁を作った。



比羅「!?防御壁か!!」


黄泉「物理的な攻撃に関しては貴様のフィールドに負けていないはずだ」



黄泉は空中で素早く両手を合わせると巨大な妖気の弾を作り出す。



黄泉「くらえ!!」



ドーン!!



巨大な妖気の弾が黄泉の両手から比羅に向かって放たれる。



比羅「私のフィールドの前では全ての攻撃は無駄だーーー!!」



シュゥゥゥ……!!!



妖気の弾は比羅に直撃する直前に赤いフィールドの前に阻まれる。



ズキューーーン!!!



比羅は素早く動いて黄泉に近づいてくる。



黄泉はバックステップで後ろに下がる。



比羅は間をあけず黄泉を追撃して強烈な一撃を放った。



ガキーン!



黄泉は再び防御壁を作り比羅の強烈な一撃を弾いた。


黄泉「トァァ!!」



ビューーーー!



黄泉は比羅に向かって鋭い蹴りを放つ。



ガッ!



この蹴りもまた比羅のフィールドによって阻まれる。


比羅「無駄だ」



ビューン!!



比羅の高速の強烈なストレートパンチを黄泉に放つ。


黄泉「フン」



ガキーン!



黄泉も比羅の攻撃を防御壁で防ぐ。



比羅「どんどんいくぞ!」


比羅は激しい連打を放ち放ち始めた。



ビューン!!!



黄泉(くっ、速いな)



ガキーン!



防御壁で比羅の攻撃を弾いたその時だった。



ズキッ



黄泉(!?)



比羅に受けた腹の傷から激しい痛みを感じたのだった。



ガキーン!ガキーン!



黄泉は防御壁で激しい比羅の攻撃を防ぎ続ける。



ズキッ



黄泉(またか)



比羅は休む間を与えず強烈な攻撃を放ち続ける。



ガキーン!!



ガキーン!!



黄泉(くっ!反撃が出来ん)


黄泉は防御壁で比羅の攻撃をなんとか遮っている。



ズキッ!



腹部の傷がどんどん酷くなっていた。



黄泉(クソッ……)



黄泉の異変に気付いた比羅はニヤリ。



比羅「どうした?防御壁を作る速度が落ちて来ているぞ。腹の傷のせいかな?」



ビューン!!



黄泉(ぬっ…!)



チッ



黄泉の頬に比羅の一撃が擦った。



黄泉の頬から血が流れる。


それは黄泉が防御壁を作るスピードより、比羅の一撃のスピードの方が勝った証明であった。



比羅「擦ったな。いつまで私の攻撃に耐えきれるかな?」



比羅は勝利を確信したのか。余裕の笑みを浮かべながら次から次へと黄泉に激しい攻撃を仕掛ける。



ガキーン!



ガキーン!



黄泉はどうにか防御壁で比羅の攻撃を避け続けているが、傷の痛みと止まらない比羅の攻撃で数発に一発は、擦るようになっていた。


比羅「貴様の防御壁の欠点は、攻撃を受ける度に張らないとならない。だが私のフィールドは常に張られたままだ。そこが私と貴様の決定的な違いだ」



ガキーン!



黄泉「チィッ!」



ズキッ!!



黄泉(うっ…!)



今まで感じた事のない激しい痛みが黄泉を襲う。



腹部に受けた傷は黄泉が激しく動いていた為にかなり悪化していた。



痛みは黄泉の動きを大きく鈍らせた。



比羅「もらったぞ!!」



ビューーン!!!!



黄泉(!?)



ドゴォォォォォ!!!



黄泉の胸部に強烈な一撃が決まる。



黄泉「ガハッ!!?」



黄泉の口から吐いた大量の血が比羅の顔や身体にかかる。黄泉は胸を抑えて膝を地面についた。



比羅「これで勝負あったな」



比羅は不敵な笑みを浮かべると金髪の髪を右手で掻き上げる。



黄泉「まだだ…」



黄泉はゆっくりと再び立ち上がる。



比羅「その身体でまだ動けるとはな。流石はかって魔界を統一しようとしていた男だけのことはある」



ボン!!



黄泉は両手の手の平から妖気の弾を生み出した。



黄泉「行くぞ」



シュ!シュ!シュ!



黄泉は両手から凄まじいスピードで妖気の弾を次々と比羅に向かって放った。



比羅はその場から一歩も動かず妖気の弾を見つめている。



比羅「何度やっても私のフィールドの前では無駄だ!!!」



シュゥゥーーー



妖気の弾は比羅の身体に当たることなく比羅を守るフィールドによって遮られてしまった。



黄泉「ハァァァ!!」



ドドドドォォォォ!!!
!!



黄泉は比羅のフィールドによって妖気の弾が全て遮られているのにもかからわず大量の妖気の弾を連続で放ち続けている。



シュゥゥー、シュゥゥー


妖気弾は比羅のフィールドに完全によって遮られてしまう。



比羅(奴ほどの使い手が今までの戦いで無駄とわかっている攻撃をするからには、何か策でもあるのか?)


シュゥゥー、シュゥゥー


妖気弾が次々と比羅のフィールドに阻まれていく。



黄泉(………)



黄泉は放つ弾を上下左右と軌道を変えながら放っていた。



一つの妖気の弾が比羅の頭の少し高めの所を通過して外れた。



ドガーーン!!!



比羅の後ろで妖気の弾により小規模ながら爆発する。


黄泉は比羅の立っている位置から少し左側と右側に妖気の弾を放つ



ドガーーン!! ドガーーン!!



黄泉の放った弾は外れて比羅の後ろで先程と同じ小規模な爆発が起きた。



黄泉(…これで奴のフィールドの有効範囲はほぼ掴めたな)



爆発による地面からの砂けむりで徐々に視界が見えずらくなる。



黄泉は両手の手の平を横に並べて前に伸ばすと妖気を集中させる。



ジジジ……



黄泉の手の平に巨大な丸い妖気の塊ができる。



黄泉「今から放つこれが俺の最強の妖気弾だ」



比羅「フッ、貴様が今から放つその巨大な妖気弾でも、私のフィールドを突破して私の身体を傷つけることは無理だ」



黄泉「ならばそのまま動かず俺の妖気弾を遮ってみせろ」



比羅「いいだろう。この戦いもそろそろ飽きてきた。この妖気弾を遮ったら貴様を完全に倒し桑原の居場所を吐かせる」



黄泉「受けてみろ!」



ドーーーーーン!!



黄泉は巨大な妖気弾を比羅に向けて放った。



シュゥゥゥ!!



比羅のフィールドによって巨大な妖気の弾は遮られてしまった。



比羅「だから無駄だといっただろう」



フッ



比羅(!?)



黄泉は妖気の弾を放つと同時に素早く動いて比羅に近付く。



黄泉「かかったな!今の妖気弾はおとりだ」



黄泉は右手の手の平で比羅の身体に触れる。すると赤いフィールドが姿を現した。



黄泉「%島*∫能・・・」


黄泉は呪文を詠唱し呪術を発動させ始めた。



ピシッ!!



比羅のフィールドに僅かだが亀裂が入る。



比羅(何!?)



パリーン!!!



比羅のフィールドが粉々に崩れた。



比羅「ば、馬鹿な!?」



フィールドを破壊されて初めて焦りの表情を見せる比羅。



ボォォォォォ!!!!



黄泉の右手に妖気の炎が光輝く。



黄泉「くらうがいい!これが俺の本当の最強の一撃だ」



黄泉は比羅の懐に入り込む。



黄泉「魔古忌流炎裂撃!!」



グォォォォ!!!



比羅に黄泉の最強の一撃が放たれた。



比羅(!!)



続く
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