幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□序章
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――互角の戦いを繰り広げている黄泉と比羅。



比羅「あれは貴様の息子か?」



黄泉「そうだ。それがどうかしたのか?」



比羅「そうか」



比羅、ニヤリ。



この時既に比羅は、
黄泉を倒す為の作戦を考えついていたのだった。



黄泉(奴は何故急に、修羅の事を聞いてきたんだ?)


黄泉は、突然修羅の名前が比羅の口から出た事で、自分では知らないうちに冷静沈着な思考に僅かながら乱れが生じていた。



比羅(奴の妖気がかすかに乱れたな)



修羅「パパ…」



修羅は父・黄泉の戦いを見つめている。



その目は父の勝利を信じている目であった。



比羅「一応、貴様にもう一度聞くが、桑原を私に渡すつもりはないか?」



桑原(……)



黄泉「ないな」



比羅「そうか」



黄泉「お前から感じる異質な気が俺の勘に何故か引っ掛かる。そこにいる人間をお前に渡せば人間界のみならず魔界にも多大な影響を与えかねないとな」



比羅「あくまで私の邪魔をするという事か。ならば遠慮なく倒させてもらうぞ」



スッ



比羅は一歩踏み出して構える。



黄泉「お前にそれが出来るならな」



黄泉もまた構える。



比羅「出来るさ」



比羅は両手を前に突き出すと両手の手の平に気を集中し始めた。



ジジジ……



黄泉「気を両手に集中させているのか」



両手の手の平に蓄えられた比羅の気は徐々に大きくなっていく。



黄泉「悪いが技が完成するのをゆっくり待ってやるほど俺は甘くないぞ」



ズキューーン!!!



黄泉は地面を右足で強く蹴ると比羅の方へ向かって駆け出した。



ピシッ



その時、比羅の足元が僅かだがひび割れた。



この些細な変化に桑原が気付いた。



桑原「あいつの足元が…」


黄泉「ハァーーー!!」



ビューーーン!!!



黄泉の鋭い一撃が比羅の胸部を捕える。



比羅「フッ」



比羅、ニヤリ。



ズボォォォォォォ!!



黄泉(!)



黄泉の一撃が比羅の胸を完全に貫いた。



何故か比羅のフィールドが発動しなかったのだ。



桑原「おおっ!やったぜ!!!」



修羅「流石はパパだ!!!!」



桑原(うん……?)



桑原は何か黄泉の様子がおかしいことに気付いた。



桑原「おい、小僧」



桑原は修羅に呼びかけた。


修羅「小僧じゃない。修羅だ。僕を子供扱いすんなよ」



修羅は桑原に小僧って呼ばれた事でちょっとムッとなった。



桑原「なんかあいつの様子が変だぜ」



修羅「えっ?」



修羅は直ぐに黄泉の様子を見る。



黄泉「ぬぅぅ!これは………」



黄泉の拳は比羅の胸を貫いたまま静止していた。



比羅「動けないだろう」



ズズズ………



黄泉の背後の地中からもう一人の比羅が現れた。



修羅「あいつがもう一人………」



桑原「こいつは擬態だ!!」

(まるで戸愚呂(兄)の技みてーだ)



比羅「それは私の気で作った分身みたいなもの。私の性に合わない上に消耗も激しいから滅多に使わない技だ。これを私に使わせただけでもお前は賞賛に価する」



ググッ!



黄泉は比羅の擬態から抜けなくなった腕を必死に抜こうと試みる。



だが抜けない。



黄泉「さっきの時間をかけて気を溜めていたのも、
俺に攻撃をさせる為のおとりだったのか…。俺とした事が、こんな子供騙しに引っかかるとは…」



比羅「これは私の来た世界から採れる樹皮と私の気で出来ている。いかに貴様といえども簡単には外せはしないだろう」



ググッ!



黄泉「くっ…!」



比羅「さっき私がお前の息子の事を聞いたよな?それによって貴様は自分では気付かないうちに冷静さを欠いてしまっていたのだ」



黄泉(………)



比羅「これで勝負あったな。貴様は終わりだ」



修羅「パパーー!!」



修羅が父を助ける為に比羅に向かって駆け出した。



比羅「フッ」



比羅は修羅の方を向いて構える。



修羅「今度は僕が相手だ」


比羅「お前では私の相手にはならない」



修羅「僕を甘くみるなよ」


黄泉「修羅!お前に勝てる相手ではない。よせ!」



ググッ



黄泉「くそっ!」



修羅「ヤッ!!」



バッ



修羅は上に向かって飛び上がる。



グルグルグル……



修羅は身体を回転させながら呪術を唱え始めた。



修羅「*凵煤レ>/&」



修羅「くらえェェェ!!魔円咬!!」



ドドドドドッ!!



回転する修羅の身体から大量の妖気の弾が比羅に向かって放出された。



だが。



シュゥゥゥゥ……



修羅の魔円咬は比羅のフィールドによって完全に遮られた。



比羅「父親と私の戦いを見ていなかったのか?このフィールドの前では全ての攻撃は無駄だ」



修羅「クソッ!」



バッ



修羅は比羅に向かって飛びかかる。



ビューーーン!!!



修羅はパンチを素早く比羅に放つ。



比羅「遅い」



フッ



比羅は修羅のパンチを素早くかわす。



比羅「ハァーーー」



ビューーーン!!!



修羅(………)



フッ



修羅は比羅の攻撃をかわした。



修羅「ハッ!」



ビューーーン!!!



比羅「遅いパンチだ」



パシッ!!!



比羅は右手で修羅の拳を受け止めた。



修羅「くっ!」



比羅「やはり子供だな。
妖気の高さだけは認めてやる。だが実戦での経験不足に加えてその小さな身体。私と戦うには役不足だ」



ビューーーー!!!



修羅(!)



ドゴォォォォォォ!!!!!!



比羅の左足が修羅を蹴りあげる。



修羅「うわぁぁ!!!?」


ズシャッ!



修羅の小さな身体は地面に叩きつけられた。



黄泉「修羅ァァァ!!
クソッ!!」



ググッ



黄泉「抜けん。やはり呪術でこれを破壊するしかないな」



修羅「クソォォォォ!!!!!」



修羅は立ち上がると比羅に向かっていった。



修羅「くらえーーーーーー!!」



修羅は両手の手の平を広げると妖気の炎が現れた。



修羅「僕の得意技!魔炎竜だァァァァ!!!!」



ドーーーーン!!!



妖気で作られた炎の竜が比羅に向かって行く。



桑原「あの小僧、なんてすげー妖気だ。仙水を倒した時の浦飯の妖気とは比べもんにならねー……」



比羅、ニヤリ。



比羅「本来なら恐ろしいほどの威力があるのだろうが、私のフィールドの前ではそれも無力だ」



シュゥゥゥ……



修羅「そんな……」



比羅「所詮は子供だな」



フッ



比羅は一瞬で修羅の懐に入り込む。



修羅(!)



ドゴォォォ!!!



修羅「うっ……!!ガハッ!」



口から大量の血を吐き出す修羅。



黄泉「修羅!!」



桑原「クソッ」



ジジジ……



桑原は右手に霊剣を作りだした。



雪菜「和真さん!?」



桑原「野郎!!」



桑原は霊剣を構えると比羅に斬りかかろうとする。



黄泉「行くな!奴の狙いはお前なのだからな」



ビクッ!



桑原の言葉に足を止める桑原。



桑原(チクショー……)



黄泉「#>&凵レ&煤v



黄泉は呪術の詠唱を始めた。



比羅は黄泉が呪術を詠唱をし始めた事に気付いた。



比羅「奴があれを外したらまた面倒だな。こいつの相手をしている場合ではない」



修羅「ハァハァ……」

(僕は、パパとあんなに修行をして強くなったのにこんな奴にここまでやられるなんて……)



比羅「時間がない。この一撃でお前を殺す」



比羅は右手の拳に気を溜め始めた。



黄泉「>*&凵пレ…」

(まずい、修羅……!)



修羅「クソォォォ……………!!!」



比羅「これで終わりだ。小僧!」



比羅はとどめを刺す為に修羅に向かって走りだした。


黄泉「ウォォォォォ!!!」



ドガァァァァン!!!



黄泉は呪術で比羅の分身体を破壊した。



比羅「とどめだ!」



ビューーーン!!



修羅(殺られる!!)



黄泉「修羅ァァァァ!!!!!」



続く
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