幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□序章
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――2番地区の深い森の中


飛影は目的の人間のいる場所に向かって走っていた。



飛影(もう少しで霊気を感じた場所に着く)



ガサガサガサ



茂みの中から音がする。



飛影「誰だ」



ビューン!!!!



飛影の剣が音が聞こえた方向に向かって一閃。



ズドーン!!!



側に立っていた木は切られて地面に倒れた。



「あわわ…」



飛影「フン、お前らか、酒王、月畑」



酒王「驚かせないでくださいよ飛影様」



飛影「追跡中の人間はどうした?」



月畑「すいません。逃げられました。人間のくせにやたら強いし、なにより逃げ足が速い」



飛影「お前達は人間を見つけた時に話しはしなかったのか?」



月畑「ええ、人間は酒王の顔を見るなり、いきなり抵抗して逃げ出したらしいのです」



酒王「そうなんですよ。
きっとナイスガイの俺の美貌に驚いたんでしょうが」


酒王の顔をジーと見つめる飛影。



酒王・飛影(・・・)



飛影「フッ」

(ふざけた顔だ……)



酒王(いかん、飛影様も俺の美貌の虜にしてしまった)



二人の表情を見つめる月畑。



月畑(・・・この二人、絶対に今考えていることが逆だな)



飛影「お前らはこれからどうするんだ?」



酒王「それが先程、
人間の追跡中に時雨様と出会いまして、事情を話しましたところ、時雨様が人間を捕獲してくれるとの事で俺達はその後を追い掛けていたんです」



飛影(なるほど。時雨が行ったのならもう捕獲しているところだろうな)



――その頃人間と時雨は・・・



人間(仕方ねー!まともに戦ってもあいつには勝ち目はねーんだ。ここは先手必勝)



人間は時雨に向かって突進した。



人間「ウォォォォォ!!!」



時雨(こちらは危害を加えないって言っているのに抗戦的な奴だな)



人間は走りながら両手を広げた。



人間「くらいやがれー!!」



両手には霊気で作られた普通より長めの剣が形成されていた。



人間「霊剣二刀流!!!」


時雨(霊気で作った剣か)



時雨も攻撃を受け止めるべく構える。



人間は時雨の少し手前から思いっきり飛び上がった。


時雨(何をするつもりだ?)


人間は空中で二本の霊気の剣を繋げて一本の長い棒を作り上げた。



時雨「なんと!?」



その棒を地面に突き刺しその反動で身体を振り時雨の頭上を越えて10m先まで飛んだ。



人間「へっ、戦っても勝ち目がないからよ!ここは逃げるぜ」



ズシャ!!!



人間は着地すると同時に一目散に逃げ去った。



時雨はそれを苦笑いを浮かべて見つめる。



時雨「油断していたとはいえ、真に驚いた」

(霊気の剣を空中で結ぶとは非常識な奴だな)



人間は後ろを振り返り時雨の様子を確認。



人間「へへ、上手くいったぜ。やはり先手必勝だ」



ドン!!



人間「うぉっ!?」



何かにぶつかり思いっきり尻餅をついてしまう。



人間(痛てて・・・何だ・・・)



「フッ、先手必勝という言葉を知っているとはお前も利口になったな」



人間「あっ・・・お、お前は!?」



「やれやれ。しかし何でお前がここにいる?」



人間「ひ、飛影!!」



人間は飛影を見て驚く。



飛影「フン、久しぶりだな、桑原」



――人間の名前は桑原和真(くわばらかずま)。飛影とは共に幾つもの戦いをくぐり抜けてきた戦友でもある。
飛影と桑原、正聖神党事件以来の再会であった。



続く
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