幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界の3番地区



現在の魔界の王・煙鬼のいる大統領府があることで知られるこの地で煙鬼は、王としての最後の仕事がある。



それは、魔界統一トーナメントの主催者としての役目である。



3番地区の中心地である大統領府から少し離れた先に設置された大会の会場。そしてこの大会に使われる為に作られた様々な試合のステージ。



ザワザワザワ



会場には、すでに大会に参加する妖怪達が集結していた。



前大会があまりにハイレベルだった為か前回より半分ぐらいのその数およそ三千人強。



この大会に参加する妖怪達は、この大会の為に修行を積み優勝を虎視眈々と狙う猛者達ばかりである。その者達によって前大会を遥かに上回るハイレベルな試合が今始まろうとしていた。


幽助「よっと」



グググッ



大会用に持って来た道着に着替えた幽助が準備運動をしていた。そのすぐ横には、幽助と一緒に大会にやって来た蔵馬の姿があった。そして幽助達と少し離れた先に、北神・東王・西山・南海の四人の姿、雷禅の仲間達の姿もあちらこちらに見える。



蔵馬「幽助、いよいよ始まりますね」



幽助「ああ。早く闘いたくてウズウズするぜ」



「お〜い浦飯ィィィ!!蔵馬ァァァ!!!」



幽助・蔵馬(!)



幽助「おっ!?」



蔵馬「あれは、桑原君!」


ダッダッダッ



桑原が走って幽助達のそばにやって来た。



桑原「よぉ!」



(ニッ)
幽助「元気そうだな桑原」


ペシペシペシ



幽助は、満面の笑みを浮かべて桑原の頭を叩き始めた。



(ニッ)
桑原「痛て、痛てて。浦飯てめー!再会するなり何するんだ!?」



桑原は、幽助に頭を叩かれながらも嬉しい表情を見せている。



幽助「全くよー、心配かけさせやがって」



(ニコッ)
蔵馬「元気そうでなによりですよ桑原君」



桑原「おう。心配かけて悪かったな浦飯、蔵馬」



蔵馬「桑原君を狙う連中と俺もあの日に桑原君と喫茶店で別れた後に接触したよ」



桑原「そ、そうなのか?」


蔵馬「ああ。詳しい話しは、大会が終わってから話そう。奴らが桑原君を狙ってこの魔界まで追って来ているかどうかわからないが油断だけはしないようにね」



桑原「大丈夫だ!もし金髪の野郎達が来ても修行の成果を奴らに見せつけてやるだけさ」



蔵馬「話しは、聞いている。時雨に剣術を習ったんだってね。修行の成果を楽しみにしているよ」



桑原「まかせておけって! 」



(ニャッ)
幽助「修行の成果を見せるっていっていきなり予選落ちとかしたら俺は、腹を抱えて笑うぞ」



(ニッ)
桑原「へっ。パワーアップした俺様の力をたっぷりと見せつけてやるから見てな」



「フン。相変わらず騒がしい男だ」



桑原「誰が騒がしい男だコラァ!!」



クルッ



桑原が声が聴こえた方を振り向いた。



ブォーン



シュタッ



桑原「あっ!」



幽助「飛影じゃあねーか!」



飛影「幽助」



カチャッ



ビューン!!



飛影が腰に下げていた剣を抜いて幽助を斬りつけた。


パシッ



幽助は、その場から動かず右手で軽く飛影の剣を受け止めた。



(ニカッ)
幽助「相変わらず物騒な挨拶だぜ」



(ニャッ)
飛影「フッ、ちゃんとあれから修行していたようだな」



幽助「当たりめーだ。優勝を狙いに来てるのだからな」



チラッ



蔵馬が幽助、桑原、飛影の三人の姿を目で追いかけた。


蔵馬「この四人がこうやって同じ場所に一緒に揃うのは、本当に久しぶりだな」


桑原「言われて見れば」



幽助「あの時以来だな」



飛影「フッ」



飛影が魔界にいる為この四人が全員揃ったのは、正聖神党事件以来だった。



蔵馬「この四人が今回は、それぞれが敵同士になるとはいえ、また一緒に闘える事が俺は、嬉しいな」



幽助「まあな。でも俺達が対戦することになっても手加減なしで全力でぶつかるまでだ」



飛影「フン。俺は、元々手加減なんかしないぞ」



桑原「俺は、手加減して欲しいぜ。でもよ〜本戦の前の予選だけは、お前達とは、いきなり当たりたくないな」



蔵馬「前の大会は、予選から黄泉対修羅の親子が闘うサプライズがあったから今回も何があるかわからないですよ」



桑原「そうなんか?あの生意気な小僧と黄泉の奴がな」



「幽助〜〜!!!」



ドーン!!



幽助「!!?」



突然、何者かが幽助の名を叫ぶと背中から体当たりして来た。



ドテッ!!



幽助と幽助に突っ込んで来た者は、思いっきり倒れた。



幽助「いって〜な・・。いきなり誰だよ〜」



(ニカッ)
「俺だよ幽助!陣だ。久しぶりだな」



(ニカッ)
幽助「お〜!!!陣!!!!!」



ガシッ



幽助は、笑いながら陣の首にヘッドロックをかました。



幽助「久しぶりだな〜陣」


ギュウゥゥゥ〜



(ニコニコ)
陣「痛い痛い痛い!!」



コツコツコツ



「早速じゃれあってるな二人共」



陣に続いて三人の男達が歩いてやって来た。



蔵馬「あっ、お前達!!」


三人の男達とは、凍矢・鈴木・死々若丸であった。



凍矢「久しぶりだな蔵馬」



鈴木「みんな、元気そうだ」



死々若丸「フッ」



(ニコッ)
蔵馬「凍矢!、鈴木!、死々若!」



桑原「なんか滅茶苦茶懐かしい連中ばかりだ」



死々若丸「なんだ?暗黒武術会の時に浦飯チームにいた潰れた顔がいるではないか」



桑原「つぶ、誰が潰れた顔だ!コラァ!!」



死々若丸「だって潰れているだろう」



ピシッ



死々若丸は、桑原の顔に向かって指を指した。



桑原「うがぁぁぁぁ!!」


ゴツン!



桑原が死々若丸にゲンコツをくらわせた。



死々若丸「痛たっ!?」



スリスリ



死々若丸は、桑原にどつかれた頭を擦りながら文句を話し始めた。



死々若丸「潰れた顔のくせにいきなり何をするんだ??俺の頭まで潰れたらどうする!」




桑原「だぁぁぁ!!また潰れたって言った!ちょっと顔がいいからっていい気になるなよ!!」



死々若丸「誰が見ても俺は、美形だ。」



ピクッ



鈴木(美形なら美しい魔闘家と讃えられた(自称)この鈴木が上だ)



鈴木が心の中で呟いた。



桑原・死々若丸「フン」



桑原と死々若丸がどつきあいを始めた。



凍矢「桑原とか本当に久しぶりだな」



鈴木「ああ。暗黒武術会以来だからな」



コツコツコツ



「お〜みんなまとめて揃ってやがるぜ」



「あらら。幽助と陣が桑原と死々若丸がじゃれあっているね」



酎と鈴駒の二人が合流して来た。



凍矢「酎達も来たか」



酎「よお!みんな元気か」


陣とじゃれあっていた幽助が酎達の存在に気付いた。


(ニコッ)
幽助「おお!!酎!!久しぶりだな」



(ニッ)
酎「幽助、久しぶりだな」



蔵馬が飛影に話しかける。


蔵馬「飛影。これでみんな揃いましたね」



(ニャッ)
飛影「これから敵同士になるというのに全くお気楽な連中ばかりだぜ」



ザワザワザワ



突然周辺にいた妖怪達がざわめき始めた。



陣「何かあったか?」



鈴駒「誰か大会に来たようだよ」



妖怪達の輪が割れて左右からそれぞれ歩いてくる者達がいた。



「む、躯だぜ」



「こ、こっちは、黄泉親子だ」



妖怪達が冷や汗を掻く程に躯と黄泉が強烈な存在感を醸し出していた。



躯が左から黄泉親子がそれぞれ幽助達のそばに歩いて来た。



蔵馬「さすがだな。現れただけで周りにいる妖怪達が一瞬で彼等の妖気に呑まれて怯えている」



コツコツコツ



躯が幽助のそばに近づいて来た。



幽助「躯」



(ニコッ)
躯「フッ、三年ぶりだな幽助」



(ニッ)
幽助「ああ。相変わらず凄い妖気だな」



躯「見違える程あれから強くなっているようだな」



幽助「当たりめーだ。おめー達に負けないように修行してきたからな」



躯「前の大会でもお前に言ったが実戦に勝る程の修行はない。全力を出した俺と互角に闘えるぐらいまでの力を俺と当たるまでにつけろよ」



(ニッ)
幽助「へへ。今でも負けるつもりはないんだけどな。おめーも俺と闘うまでに負けるんじゃねーぞ」



躯「フッ、今の俺は、誰にも負けないさ」



チラッ



躯は、黄泉の顔を見た。



躯(・・・)



黄泉(・・・)



躯「あいつにもな。お前もあの男にまた敗れないように頑張るんだな。俺を失望させるなよ」



クルッ



コツコツコツ



躯は、そういうと背を向けて立ち去っていった。



コツコツコツ



躯が立ち去った後に黄泉と修羅が幽助達の所に歩いて来た。



黄泉「浦飯。人間界では、世話になったな」



幽助「いや世話になったのは、俺達の方だ。ありがとな」



桑原「あっ、あいつは!?」



死々若丸とどつきあいをしていた桑原が黄泉に気付いた。



ダッダッダ



黄泉「あいつは」



黄泉も桑原の存在に気付いた。



桑原「てめー。助けてくれた事の礼は、言うがいきなり魔界に飛ばすなよ。化物には、襲われるわ、不気味な面の奴に追いかけられるわで酷い目にあったぜ」


(ニャッ)
黄泉「フッ、元気そうだな。いい冒険が出来ただろう?」



桑原「いい冒険なわけがあるかー!!」



蔵馬「まあまあ、桑原君」


黄泉「蔵馬か。浦飯ともまた再戦したいがお前と真剣に闘うのも面白いかもな」


蔵馬「フッ、どうだろうな」



幽助「黄泉!おめーとの勝負を楽しみにしているぜ」


黄泉「俺もだ」



修羅「幽助、僕もいる事を忘れるなよ」



(ニッ)
幽助「ああ。もちろんだ」


黄泉「修羅行くぞ」



修羅「うん」



黄泉「浦飯、蔵馬。お前達の健闘を祈る。また後でな」


幽助「おう」



クルッ



コツコツコツ



黄泉親子は、幽助達の前から立ち去った。



凍矢「今回も厳しい闘いになりそうだな」



酎「躯と黄泉。元魔界の三代勢力の二強。果たしてあいつらと当たって勝てるかな」



鈴駒「あいつ達以外にも雷禅の仲間達もいるし予選から当たりたくないね」



その時会場にアナウンスが流れ始めた。



樹里「会場にお集まりの皆さん。それではこれより第二回魔界統一トーナメントの予選抽選会を行います」


幽助「この声は、カルトの三人組の樹里だな」



飛影「待ちくたびれたぜ」


桑原「予選から強い奴に当たりませんように」



蔵馬「いよいよだな」



(ニャッ)
幽助「みんな行こうぜ」



第二回魔界統一トーナメントの本戦に出場する128人を決める予選会のくじ引きがいよいよ始まる。



続く
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