幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメント予選・71ブロックでは、北神vs奇淋による本戦出場をかけた闘いが今始まろうとしていた。



奇淋「雑魚どもが片付いた。これでゆっくりお前と勝負が出来る」



北神「お前とまともに闘うのもかなり久しぶりになるな」



奇淋「そうだな。いずれお前と決着をつけたかったがその機会を得る事が中々叶わなかった。大会の予選とはいえお前と闘えるチャンスに恵まれた事を嬉しく思う」



北神「勝負だ。奇淋!」


(魔道本家の技を使ってくる前に一気に叩く)



奇淋「来い」



スッ



北神と奇淋は、互いに戦闘の構えをとった。



北神・奇淋(・・・)



ブォーン!!



北神が奇淋の目の前から姿を消した。



チラッ



奇淋「上か」



ブォーン



北神「トァァァ!」



ビュッ



北神は、奇淋の頭上から蹴りを放った。



ガシッ



奇淋は、すかさず左腕で北神の攻撃をブロックする。


ビューン!



奇淋は、右のストレートを北神に放つ。



バッ



くるくるくる



シュタッ



北神は、奇淋の攻撃を背面飛びでかわし回転しながら着地した。



ダッ



ドーン!!



奇淋は、地面を蹴り一気に着地した北神に向かって行った。



スッ



北神は、直ぐに構えて奇淋を迎え撃つ態勢に入った。


奇淋「ハァッ!」



ビューン!



奇淋は、北神の頭部を狙って一撃を放った。



にゅる



北神の顔面に奇淋の蹴りが直撃する瞬間に顔を細長く軟体化させてかわした。



にゅるるる



ガシッ!



くるくるくる



北神の細長く伸びた顔が奇淋の右手に絡み付く。



ズン!



ビューン!!



奇淋の右腕に絡みついたまま北神は、その場に強く一歩を踏み出した強烈なストレートを放った。



ドガッ!!!



ズズズ・・・・・



ビリビリ



奇淋の腹部に北神の一撃が直撃し腹部に衝撃が走る。


奇淋(・・・)



にゅるるる



スポッ



ダッ!!



奇淋の右腕に絡み付いていた北神の顔が元の位置に戻ると直ぐに次の攻撃にうつった。



ビューン!!



奇淋(速い)



バキッ!



奇淋の顔面に北神の一撃がヒット。



ビュッ!!!



続けて奇淋の肩に蹴りを放つ。



ドガッ!



ズズズ・・・



北神「ハァァァ!!!」



バキッ!



ズガッ!!



バゴォ!!!



ズドドド・・・!!!



奇淋の顔と肩に強烈な攻撃を入れたのを皮切りに一気に畳み掛けるように連続攻撃を放ち続ける北神。



ズドドド・・・!!!



ズドドド・・・!!!



数発の攻撃をくらわせた後に奇淋の腹部に数えきれない程の連打を叩き込み続けている。



北神「セャァァァ!!」



ブーン!!



奇淋(!)



バキィィィィ!!!!



ズシャッ!



北神の強烈な回し蹴りが奇淋の顔面にクリーン・ヒット。蹴りの勢いで地面に叩きつけられた。



北神(ふ〜う)



ムクッ



コキコキ



奇淋は、何事もなかったように直ぐに起き上がり首を左右に動かした。



北神(・・・・あれだけの攻撃を受けたはずなのにダメージがないのか)



ブォーン



奇淋は、瞬間的に北神の背後にまわった。



北神(くっ)



クルッ



ビューン!!



ドゴォォ!!



北神の腹部に奇淋の強烈な一撃が入った。



バッ



シュタッ



北神は、腹部を左手で押さえながらジャンプして奇淋と距離をとった。その表情に陰りが見える。



北神「さすがに奇淋だ。一撃が重い」



奇淋は、北神の様子を見ている。



(キッ)
北神「行くぞ!」



にゅるるるる



北神は、首から上を細長く伸ばし3mぐらいの長さに伸ばす。



グググ



ギュンンンン



ピキーン



妖気を集中し伸びた首から上に妖気を伝えていく。肌の色が薄い赤色に染まり硬化した。



ブーーーンブーーーン



北神は、伸びた首を回転させ始めた。



ブーーーンブーーーン



ビューーーーン!!!!



伸びた首を鉄球のように振り回し奇淋に投げつけた。


奇淋「あれをまともにうけるとダメージが大きそうだな」



ダッ!



バッ



ドゴォォォン!!!



奇淋は、素早くジャンプしてかわした。



ブーーーンブーーーン



ビューーーーン!!!!!


ダッ!



バッ



ズガァァァァァ!!



奇淋は、先程と同様に攻撃をかわした。
北神の首は、地中にめり込む。



ダッ



ドーーーーン!!!



攻撃の軸となっている北神の首から下の身体をめがけて奇淋は、駆け出した。



奇淋「でゃぁぁぁ!!!」


ピキッ



地中に亀裂が入った。



ズガァァァァァン



奇淋(何!?)



奇淋が向かった北神の本体の直前で地中から硬化した北神の伸びた首が現れた。


バゴォォォォ!!



奇淋の顎に直撃した。



奇淋「ぐっ!!」



北神の一撃で少しぐらつく奇淋。



北神「もらったぞ!奇淋!!!!!!」



ぐるぐるぐる



ピシッ



ギシギシギシ



北神は、素早く奇淋の身体にまとわりつくと一気に締め付け始めた。



奇淋「ぬぅ」



ダッ!



奇淋は、北神に巻き付かれたままバックステップで北神から離れようとする。



北神「逃さん」



ギュゥゥゥゥ



奇淋(むっ)



シュタッ



奇淋は、北神の強い締め付けで飛べずに着地した。



ギュゥゥゥゥ!!!!



北神は、さらに締め付けを強くし奇淋を完全に身動き一つ取れない状態に追い込んだ。



グググ



奇淋は、身体を締め付けている北神を離そうと試みる。



北神「お前の動きを封じた。私から逃れられん。全力で締める」



ギュゥゥゥゥ!!!!!!


ギリリリリリリ



ミシミシミシ・・・



北神は、全力で奇淋の身体を締め付け始めた。締め付けによる不気味な音が辺りに響き渡る。



北神「どうした奇淋?負けを認めないとお前の全身の骨が完全に砕け散るぞ」



奇淋「フフフ」



北神により締め付けられて身動き一つ出来ない状態にいるのにかかわらず奇淋は、笑い始めた。



北神「何がおかしい?」



奇淋「三年前の私だったらこれで倒せていたかもしれないが今の私は、倒せない」



北神「なんだと?」



奇淋の身体から妖気の青白いエネルギーが溢れ出す。


奇淋「お前の全力の攻撃がその程度とは少しがっかりしたぞ北神!」



バチバチバチ!!



北神(!)



奇淋「うぉぉぉぉ!!」



ビリビリビリ



北神「ぐっ」



北神の身体に電流が流れたような感覚に陥る。



にゅるるる



奇淋の身体に巻き付いていた北神の伸びた首が外れた。



にゅるるる



伸びた北神の首が元の状態に戻ろうとする。



バッ



ガシッ



奇淋は、直ぐに飛び上がり北神の伸びた首を捕まえた。



奇淋「フン」



ブーンブーンブーン



北神の首を捕まえて空中で振り回す奇淋。



奇淋「ハァァァ!!」



ビューーーン



ドッガァァァァァァ!!



奇淋は、北神を思いっきり地面に向かって投げ飛ばした。



ググッ



ギュッ



ジジジ・・・・



奇淋は、右手を後ろに引き妖気を込めると右手全体が青白く輝き始めた。



奇淋「北神よ、それが全力というなら今のお前には、魔道本家の技を使うまでもない。この三年の間に大きく私達の間に力の差が表れたようだな」



バッ!



ピュ!ピュ!ピュ!ピュ!


奇淋は、無数の妖気で作った小型の蟲を放った。



にゅるるる



スポッ



北神は、倒れている状態で伸びた首を元に戻した。



北神(くそっ!全力の私の締め付けを簡単にはずすとは・・・)



ムクッ



北神(!)



立ち上がった北神が気付くと周りには、奇淋の放った数えきれない小型の蟲が北神を包囲していた。



奇淋「躯様にすら御見せしていないこの技の最初の餌食となってもらうぞ」



北神「こ、これは!?」



奇淋「行け」



キリキリキリ



奇淋の言葉と共に蟲が不気味な鳴き声を鳴き始めた。


奇淋「軟体術ごときでこれを防ぐのは不可能だ」



スッ



キリキリキリキリ



奇淋の合図と共に一斉に蟲達が襲いかかってきた。


北神「な、何だこいつらは!!?」



続く
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