幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――第二回魔界統一トーナメント予選



各ブロックを勝ち抜き本戦への出場を決めてメイン会場に戻ってきた選手達は、まだ終了していないブロックの闘いの様子を巨大スクリーンで見ていた。



終了したブロックには、勝ち抜いた選手の名前が表示されている。



幽助は、71ブロックを見つめていた。表示には、奇淋の名前が表示されていた。


幽助(北神は、奇淋に敗れたんだな)



チラッ



幽助は、他のブロックに目を向けた。



幽助(躯、黄泉、それに親父の仲間達も順調に勝ち残っているな)



桑原「浦飯ぃぃぃぃ!!」


桑原の幽助を呼ぶ大きな声が響き渡る。



ダッダッダ



幽助「あれは、桑原じゃねーか」



チラッ



幽助は、スクリーンを見た。



スクリーンに桑原の本戦出場が表示されていた。



幽助「おっ!桑原おめーも勝ち抜いたんだな」



桑原「当たりめーだ。余裕だぜ」



バッ



桑原は、笑みを浮かべVサインをした。顔のあっちこっちに闘いで苦戦した後が見える。



(ニャニャ)
幽助「余裕のわりには、酷い顔だな。頭にたんこぶまでできてるぞ」



幽助は、笑みを浮かべてちょっとからかうような口調で話した。



桑原「こ、これは・・・・・・」


幽助「へへへ。わかってるって!まあ本戦出場おめでとさん」



桑原「なんかその表情が無性に腹立つな」



飛影「素直にやられたといえばいいではないか」



飛影が幽助と桑原のそばに現れた。



桑原「え〜い!飛影うるさい」



蔵馬「みんな無事に勝ち残ったようだね」



蔵馬も飛影に続いて笑みを浮かべて幽助達のそばにやってきた。



幽助「ああ。勝ち残ったな」



チラッ



幽助達は、再びスクリーンに目を向けた。



蔵馬「酎や陣達も残ってますね」



飛影「北神と奇淋の野郎が闘った以外は、予選では波乱がないだろうぜ」



桑原「予選が終わっていないのが90ブロックだけか」


90ブロックでは、長髪の端正な顔をした赤い髪の男と筋肉質のいかつい顔をした男が激しい闘いを繰り広げていた。赤い髪の男の方がかなり優勢に闘いを進めていた。



飛影「あれは、雑魚」



飛影は、苦戦している筋肉質の男を見て少し驚いたような表情で呟いた。



桑原「雑魚??あの筋肉ダルマみたいな奴の名前か?雑魚ってなんか弱そうな名前だな」



蔵馬「桑原君は、躯の所にいて彼に会っていないのかい?躯の直属の77人の戦士の中でもパワーだけなら彼がNo.1ですよ」



桑原「なぬぅぅ!!名前が雑魚のくせに」



蔵馬「ですよね、飛影?」


飛影「まあな」



コツコツコツ



凍矢「雑魚の奴、苦戦しているみたいだな」



幽助達の所にゆっくりと凍矢が歩いて来た。



蔵馬「凍矢」



凍矢「あの赤い髪の男、闘いを少し見た感じ雑魚を全ての面で上回っているみたいだ」



蔵馬「ああ。魔界は、本当に広いな。そういえばお前は、前の大会で雑魚を倒していたな」



凍矢「四回戦でな」



桑原「へ〜。四回戦って浦飯、そういえばおめーから聞いていなかったが凍矢の奴は、どこまで前の大会で勝ち残ったんだ?」



幽助「凍矢は、前の大会でけっこうくじ運に恵まれていてな、準決勝まで進んでいたぜ。まあ準決勝で煙鬼のおっさんに負けたけどな」



桑原「くじ運が良かったっていったってベスト4か。マジすげ〜な」



桑原は、感心するような表情で凍矢を見た。



飛影「雑魚をあそこまで苦しめているあの赤い髪の野郎は、何者だ?」



スクリーンでは、赤い髪の男が攻撃を雑魚にしかけていた。



――90ブロック



バキッ



赤い髪をした男が雑魚を殴りつけた。



ズズズ・・・・・



雑魚「ハァハァハァ・・・・・・。楽越とかいったな。貴様いったい何者だ!!?」



雑魚は、疲労が蓄積しかなり苦しい表情をしていた。


楽越「あん?何者でもねーよ。闘うのが大好きなバトルマニアなだけだぜ。てめーは、魔界でも上位クラスの妖怪なんだろ!その程度の実力かい?」



楽越は、非常に端正な顔立ちだが雰囲気は、幽助に近いものをもっていた。



(カチン)
雑魚「くそっ!舐めるな」


ドスドスドス



雑魚は、楽越に向かっていった。



楽越「けっ、つまんねー相手だ。遊びをやめてさっさと決めさせてもらうぜ」



グググ



ピキピキピキ



ボンッ!!



細かった楽越の身体がたちまち雑魚と変わらない筋肉となった。



雑魚(!)



幽助「あ、あれは、戸愚呂(弟)の爆肉鋼体!?」



楽越「へへへ。俺の四つの能力の一つ筋肉操作って奴だ。」



雑魚「野郎!」



ビューン!!



雑魚は、強烈なパンチを放った。



シュッ



楽越は、雑魚のパンチを軽くかわした。



スッ



楽越は、雑魚の懐に完全に入り込む。



(ニャッ)
楽越「雑魚さん遅いぜ」



雑魚(!?)



ビューン!!!



ドゴォォォ!!!



楽越の筋肉操作で破壊力の増した強烈な右の一撃が雑魚の腹部にめり込むように入った。



雑魚「がっ・・・」



グラッ



ドスン!!!



雑魚は、その場に崩れ落ちるように倒れた。



楽越「魔界の奴らってこの程度かよ。大したことねーな」



上空から闘いを見守っていた審判は、雑魚の様子を見た。



審判「90ブロックからの本戦出場は、楽越選手に決定しました!」



審判が楽越の勝利をコールした。



――メイン会場



凍矢「雑魚が負けたか」



幽助「スゲーな!あの楽越って野郎、戸愚呂と同じ技を使うなんてよー」



蔵馬「まさか雑魚が予選で消えるとはな。北神と奇淋に次ぐ波乱だ」



飛影「魔界にまだまだ隠れた実力者がいたってことだ」



残った最後のブロックを楽越が雑魚を下して本戦出場を決め予選が全て終了した。これにより本戦に出場をする128人が決まった。



―30分後のメイン会場



予選を勝ち抜いた128人の選手がメイン会場のスクリーン前に集まり対戦の組み合わせが発表されるのを今かと待ち構えている。



酎「いよいよ本戦の組み合わせが発表だぜ」



(ニカッ)
鈴駒「酎は、くじ運が悪いからな〜。またいきなり強い奴に当たるんじゃないの?」



酎「うっ!そ、それは、まずいぜ。棗さんと結婚するのに九浄に勝つかあいつよりいい順位にいかないといけねーのだからよ」



酎は、鈴駒に困った表情を見せた。



煙鬼は、腕を組んでスクリーンを見つめていた。



ポンッ



孤光が旦那である煙鬼の肩を叩いた。



チラッ



煙鬼「孤光」



孤光「あんた、あたしと当たって手加減とかしたら承知しないからね!」



(ニャッ)
煙鬼「わかっとる。愛と喧嘩は、別次元だからな」


(どうか孤光と当たりませんように)



笑顔とは裏腹に孤光に当たらないことを祈る煙鬼であった。



鈴木と死々若丸が話している。



鈴木「死々若がこの大会の目標としていた北神は、負けてしまったな」



死々若丸「ああ。だが北神が敗れ奴に借りを返せなくなってしまったがその北神を倒した奇淋を倒すことがこの大会の次の俺の新しい目標だ」



鈴木「奇淋は、強いぞ」



死々若丸「わかっている。お前にもらった新しい試しの剣があるし負ける気はしないさ」



(ニコッ)
鈴木「俺の天才的なアイテム作りに感謝しろよ」



死々若丸「ああ」



その時メイン会場に樹里の声が響き渡った。



樹里「本戦に出場された皆様。お待たせしました。これより本戦の組み合わせを発表します」



ザワザワザワ



樹里から発表のアナウンスが流れると出場選手達が急に騒がしくなる。



ガシッ



幽助は、両手の拳をぶつけて気合いを入れた。



幽助「いよいよ発表か」



樹里「それでは、組み合わせを発表します」



樹里が右手を挙げて合図した。



パッ



樹里の合図と共にメイン会場の巨大スクリーンに魔界統一トーナメントの本戦出場の128人の対戦の組み合わせが発表されたのだった。



ザワザワザワ



選手達がそれぞれ自分の名前を探し始めた。



幽助「初戦からいきなりか・・・」



幽助は、一回戦の相手の名前を見て笑みを浮かべた。


(ニッ)
幽助「おもしれーぜ」



続く
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