幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメント一回戦のAブロックの第七試合目が間もなく始まろうとしていた。



Aブロックの第七試合に鈴駒と修羅が登場。幽助達にとっては注目の激戦となる。



――選手達の休憩場



鈴駒「Aブロックの六試合目が終わったみたいだ。もうすぐおいらの出番だな」


鈴駒は休憩場の壁際に背中をつけて座り込み、その直ぐ横には酎が立っている。


酎「初戦がいきなり黄泉の息子とは今回はいきなり強敵だ。鈴駒、負けんなよ!」



(ニッ)
鈴駒「もちろん!勝ちにいくよ」



酎「しかし大変な相手だが今回は鈴駒の力を存分に出せそうな相手だ。前の大会では流石に骨抜きにされちまって全く力を出せずに負けちまったからな。あれは本当に見ていて情けなかった」



鈴駒「情けなくて悪かったな!負けて早々に自分を負かした女を口説く奴に言われたくないわい」



酎「なんだとー!」



鈴駒「なんだよー!」



鈴駒・酎「ガルルルル」



パチパチパチ!!



お互いの顔を近づけて目から火花が飛び散る二人。



黄泉と修羅が鈴駒の様子を見ている。



黄泉「修羅よ、鈴駒の事はもちろん知っているな?蔵馬が以前俺の所に連れて来た六人の妖怪の一人だ」



修羅「うん、わかっているよ」



黄泉「総合力ではおそらくお前の方が上だろうが決して舐めてかかれる相手ではない。心してかかれ」



(ニッ)
修羅「大丈夫だよ。へへっ!いきなり歯応えのある奴と闘えるなんて嬉しいな」


会場からアナウンスが流れる。



「鈴駒選手と修羅選手は試合を始めますのでAブロックの闘場に急いでください」



鈴駒「観客席で見ている流石ちゃんにいいとこ見せてやるか」



ムクッ



ガシッ



鈴駒は立ち上がると両手の拳をぶつけた。



修羅「パパ、行ってくるよ!」



黄泉「修羅の修行の成果を見させてもらうぞ」



鈴駒と修羅はAブロックの登場に向かった。



幽助達は闘場に向かう鈴駒と修羅の後ろ姿を見ている。



桑原「鈴駒の奴はあの生意気な小僧とやるのかよ」



幽助「あの二人だと面白い対決が見れそうだぜ」



蔵馬「飛影はどちらが勝つと思います?」



飛影「さあな」



クルッ



コツコツコツ



飛影は蔵馬に背を向けて会場に歩き始めた。



蔵馬「飛影は今から試合ですか?」



飛影「ああ、退屈な相手だがな。早く強い奴とやりたいぜ」



蔵馬「焦らなくても飛影は二回戦で退屈ではない最強クラスの相手と闘えますよ」



飛影「最強クラスが相手ならそれはお互い様だ。お前も二回戦の相手が雷禅の仲間だろう?」



(ニコッ)
蔵馬「フッ、まあね」



飛影「俺にとっては雷禅の仲間がどうとか関係ない。俺が優勝するまでの道のりにいる只の通過点にしか過ぎないぜ」



コツコツコツ



飛影はそう言い残すと歩いてBブロックの闘場に向かった。



蔵馬「飛影は相変わらずだな。お前がこの三年の間にどれほど強くなっているのか楽しみだ」



――メイン会場



スクリーンには鈴駒と修羅の二人が映し出されていた。



流石は観客席で鈴駒の試合を見つめている。



流石「鈴駒ちゃんがいよいよ登場ね。あたしは今回は大会に出ていないからしっかりと応援しないとね」



小兎「Aブロックの七試合目にあの黄泉選手の息子である修羅選手の登場です。前の大会では予選で父親である黄泉選手と同一ブロックで当たる大波乱があり予選で敗退しておりましたが今回は初の本選出場でどのような闘いを見せてくれるか非常に見物です」



「黄泉の息子か!一体どんな技で相手を倒すのだろうな」



「修羅の対戦相手の鈴駒って奴は前の大会で確か女の妖怪にボコボコにされた奴だ。修羅相手だとあっけなくてつまんねー試合になるかもしれないぜ」



観客達の間では前大会での鈴駒は流石の色香であっけなく敗れている為に修羅の圧勝というのが前評判なのである・・・果たして試合の結果はどうなるのか?



――Aブロック



審判「それではAブロックの第七試合、修羅選手対鈴駒選手の試合を始めます」


鈴駒と修羅が対峙している。



修羅「おいっ!僕は手加減なんかしないからな。降参するなら今のうちだぞ」



鈴駒「まだまだチビッコのくせにけっこう生意気な奴だな」



(ピク)
修羅「チビッコ!?そういうお前もチビッコじゃあないか!」



(ニッ)
鈴駒「おいらの方が修羅よりずっと年上だ」



修羅「年上だからってえばっていても僕とあまり見た目が変わらないぞ。このチビ!チビ!」



(ムカッ)
鈴駒「口の減らない本当に生意気な奴だ!おいらが試合に勝ってそんな口をきかせないようにしてやる」



上空から審判が二人の様子を見つめている。



審判「始め!」



審判の試合開始の合図の声が響き渡る。



修羅「さあ、行くぞ」



ズキューン!!!



修羅は試合開始の合図が聞こえてくると高速のスピードで一気に鈴駒に向かっていった。



鈴駒「いきなり!?」



修羅「ハッ!」



ビューン!!



修羅が鈴駒の顔面を狙ってパンチを放つ。



バキッ!!



鈴駒「くっ!」



ザザザ



修羅の試合開始早々の先制パンチを顔面にくらい後ずさる鈴駒。



(ニッ)
鈴駒「へへっ!試合開始と同時にいきなりとは驚いた。チビッコなのに凄く重いパンチだ」



ゴシゴシ



鈴駒は笑みを浮かべ口元の血を手で拭う。



修羅「またチビッコって言ったな!」



ダッ!



修羅は地面を蹴り鈴駒に向かって直ぐに次の攻撃に移る。



修羅「オリャァァァァ!!」



ビュッ!



素早く蹴りを鈴駒に放つ修羅。



トン



ピョーン!



鈴駒は地面を軽く蹴り身軽な身体を宙に浮かせて修羅の蹴りをかわした。



シュッ!!



修羅の蹴りが空を切る。


鈴駒「残念でした」



クルクルクル!!!!



鈴駒はその小さな身体を空中で急回転させて修羅に向かって体当たりして行く。


ドガッ!!



修羅「うっ!」



ドタッ



鈴駒の空中から身体に回転をかけた強烈な体当たりが修羅の小さな身体にぶつかり修羅はその場に尻餅をつく。



修羅「痛てて・・・」



クルクルクル



シュタッ



鈴駒は修羅から少し間合いを取って着地をした。



ムクッ



コキコキ



修羅は首を左右に動かした。



修羅「今のはけっこう利いたぞ。僕の先制攻撃に対するお返しってわけだな」



(ニッ)
鈴駒「そういうこと。さてと力比べといきますかね」


修羅「挑むところだよ」



ズキューン!!



修羅は高速のスピードで先制攻撃同様に鈴駒に向かって駆け出した。



鈴駒「肉弾戦でどちらが強いか勝負だ!」



ズキューン!



鈴駒も修羅に向かって駆け出した。



修羅・鈴駒「ハァァァ!!!!」



ビューン!!!



同時にパンチを繰り出す二人。



バキィィィ!!!!



修羅・鈴駒「うっ!!」



互いの頬にそれぞれの拳がヒット。



バッ!



シュタッ!



互いに距離を置いて着地する二人。



修羅・鈴駒「ウォォォォ!!!!」



ズキューーン!



再び鈴駒と修羅がぶつかる。



ドガーン!!!



――選手達の休憩場



幽助達が見ているスクリーンには鈴駒と修羅が凄まじいまでの肉弾戦を繰り広げている光景が鮮明に映し出されていた。



桑原「あいつら試合開始早々に激しい肉弾戦を繰り広げてやがるぜ」



幽助「今の所は両方とも力の探り合いって感じだ」



蔵馬「本当の勝負はお互いがそれぞれの持ち技を使った闘いからになりそうだ」


――メイン会場



小兎「あ〜っと!これは凄いです。修羅選手と鈴駒選手が激しい肉弾戦による攻防を繰り広げています!!」



「あの鈴駒って野郎、中々やるぜ」



「ああ。あの黄泉の息子と互角にやりやっているぞ」


「鈴駒はあんなにすげーのに何で前の大会で女の子妖怪に簡単に負けやがったんだ?」



「不思議だ」



流石「鈴駒ちゃん頑張れ〜〜!!!」



――Aブロック



鈴駒「くらえー!!」



ビューン!!



鈴駒は強烈なパンチを放つ。



修羅「甘いよ!!」



ブォーン!!



鈴駒(!)



修羅は鈴駒の攻撃を瞬間的に姿を消してかわす。



スカッ



空を切る鈴駒のパンチ。



ブォーン



シュタッ!



修羅は鈴駒の背後に姿を現す。



鈴駒「おいらの後ろか!?」



クルッ



直ぐに後ろを振り向く鈴駒。



修羅「そういうこと」



ビュッ!!!



修羅は素早く鈴駒に強烈な蹴りを放った。



バキッ!!



鈴駒「うわっ!」



ヒュー!!



ドガァァァァァ!!



鈴駒は修羅の蹴りを顔面にくらって近くの岩壁に叩き込まれる。



鈴駒「やるな!」



ズガァァァァ!!



ヒュー



鈴駒は修羅に叩き込まれた岩壁から空高く外に飛び出した。



ボォォォォ!!!



修羅は両手に妖気を集中する。



ズキューン!!



バッ!



岩壁から飛び出した空中の鈴駒に向かって高速のスピードで駆け出し高くジャンプした。



修羅「でやでやでやでや」


シュシュシュシュ!!!



修羅は妖気の炎を宿した両手で素早く鈴駒の胸部を狙って空中で連打し続ける。



鈴駒「くっ!!」



パッ!パッ!パッ!パッ!パ!



鈴駒は修羅の連打攻撃を両手で素早く防御しながら受け止める。



二人は空中から地上に降下しながら攻防を繰り広げていた。



修羅「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!



修羅は攻撃の手を休めることなくさらに激しい連打攻撃を続けた。



鈴駒(激しいな!!)



パッ!パッ!パッ!パッ!パ!



鈴駒はどんどん激しくなってくる修羅の連打攻撃を辛うじて防御しているが徐々にさばききれなくなりつつあった。



修羅「でやでやでやでや」


シュシュシュシュシュ!!!!!!!



鈴駒(むっ・・・)



チッ



修羅の拳が鈴駒の頬を擦り頬の皮が裂けて血がしたたる。



修羅「でゃぁぁぁ!!!」


鈴駒(!)



ガガガ!!!!!!!



鈴駒「うっ!」



修羅の激しい連打攻撃が鈴駒の防御スピードをついに上回り鈴駒の胸部に激しい連打を叩き込んだ。



鈴駒「うわぁぁぁぁ!!」


ヒュー!!



ドガァァァ!!!!



空中から地上に鈴駒は叩きつけられた。



シュタッ!



修羅は地上に着地した。



鈴駒は地面に倒れたまま全く動かない。



――メイン会場



「これで勝負あったか?」


流石「鈴駒ちゃん!!!」


小兎「修羅選手の凄まじい連打が鈴駒選手に直撃!!地上に叩きつけられました!!」



――Aブロック



(ニッ)
修羅「もう!さっさと起きてよ!!その程度の攻撃で倒されるような奴じゃあないだろ?」



鈴駒「まあね」



ムクッ



鈴駒は何事もなかったように立ち上げる。



鈴駒「でも今の一撃は利いたよ」



修羅「へへっ!お互いのウォーミングアップはこんなもんかな」



鈴駒「まあね。お互いの得意技でそろそろやりあうか」



ザン



鈴駒は両手を広げて両手の指の間に挟んだ八個のヨーヨーを修羅に見せつける。


鈴駒「おいらの魔妖妖を見せてやる」



修羅「獲物を出してきたな。僕もそろそろ本気で行くよ」



鈴駒と修羅の二人共がそれぞれ本気になったことで試合はさらに激しさを増した闘いにに突入していくことになるのであった。



続く
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