幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合



浦飯(うらめし)
×
陣 (じん)



Aブロックの闘場に二人が対峙している。



幽助・陣(・・・)



二人は黙ってお互いを見つめている。



そんな沈黙の中で先に口を開いたのは陣だった。



陣「幽助ー、これを見てみろ」



陣は自分の立っている耳を指さして幽助に見せている。



幽助「おめーの耳が立つ話しはもう聞き飽きたぞ」



幽助は苦笑いを浮かべた。


陣「それがいつもと違うんだ。耳がいつものビンビンよりさらに立っているんだ」



陣の話しを聞いて困った顔で顔をポリポリと掻く幽助。



幽助「俺には違いがよくわかんねーが」



陣「わかんないか?まあいいや、とにかく幽助と今から闘うっていうから最高に興奮しているんだって俺は言いたかったんだ」



幽助「へっ!俺も陣と今から闘うのは最高に楽しみだぜ」



審判が上空で二人を見つめる。



審判「Aブロックの第十四試合の浦飯選手と陣選手の試合を始めます」



――選手達の休憩場



蔵馬「注目の対決の始まりですね」



桑原「暗黒武術会での対決以来だな。実を言うと俺は浦飯と陣が闘うのを見てねーんだ」



蔵馬「あー、そうでしたね。桑原君は幽助と陣が闘っていた時はまだ気を失っていたっけ?」



飛影「お前はイチガキに操られていた人間共にぼろ雑巾みたいにされていたな」


桑原「ぼろ雑巾は余計だ、コラァ!」



飛影「事実だ」



桑原「うがー!!」



いつものごとく喧嘩を始める二人。



蔵馬(この二人は仲が良いのか悪いのかよくわからないな)



蔵馬はやれやれっといった表情で二人の喧嘩を傍観。


酎「陣のあの表情を見るとあいつ、本当に嬉しそうだな」



鈴駒「待望の幽助との対戦だからね」



酎「幽助と俺も闘いてーな」



鈴駒「ニヒヒ、今度も闘ったら負けるんじゃあないの?」



酎「フン、棗さんLOVEという強い思いを胸に俺は死ぬ気で特訓してきたんだからな、負けねー」



鈴駒「あ〜あ、バトルマニアの酎が、“棗さんLOVE”って恥ずかしいセリフを平気で言えるようになったなんて、おいらは悲しいよ」


酎「うるせーぞ!俺は棗さんが大好きなんだからLOVEっていったっていいだろうが」



酎の馬鹿でかい声が休憩場に響き渡る。



バゴッ



酎「おおー!?」



棗の鉄拳が酎の顔面にめり込む。



棗「ちょっと黙ってなさい」



酎「は・・・い・・・」



ドタッ



酎はその場に崩れ落ちるように倒れた。



棗「大きい声で恥ずかしいたらありゃしないわ」



棗は顔を真っ赤にして、のびている酎を見た。



鈴駒「ち、酎が・・・」



(ギロッ)
棗「何か文句ある!」



鈴駒「あ、あはは・・・」



鈴駒は棗の鬼の形相に苦笑いを浮かべるしかなかった。



修羅「幽助がいよいよ闘うなー。パパは人間界であいつが闘うとこを見ていたんだよね?」



黄泉「ああ、比羅と闘う所を少々な」



修羅「パパ、正直に話してよ、僕と幽助はパパの目から見てどっちが現段階で上なの?」



黄泉「フッ、それはこの試合を見てお前自身が見極めろ」



修羅「分かったよ、パパ。僕は幽助にだけは絶対に負けたくないな」



黄泉「浦飯の闘いを良く見ておくのだ。あいつの闘いは見ているだけでお前のプラスになるはずだ」



修羅「うん」



修羅は幽助達の映るスクリーンに目を移した。



――Aブロック



審判「始め!!」



審判の試合開始の合図の声が響き渡る。



(ニコニコ)
陣「幽助、本当にわくわくするな〜」



陣は満面の笑みを浮かべて子供のようにはしゃいでいる。



(ニカッ)
幽助「だな。気持が凄く高ぶるぜ」



幽助も陣と同様の気持のようだ。



幽助「おめーが相手だから遠慮はしねーぞ」



陣「もちろんだ」



グッ!



お互いに戦闘態勢に入る。


幽助「さあ、おっ始めようぜ!!」



陣「おう!」



ズキューン



幽助と陣は同時に駆け出した。



フォー!!



陣の間合いに近づく。



幽助「おらー!!」



ビューン!!!



陣に近づくと先制攻撃とばかりに顔面に一撃を放つ。


ガッ



陣は素早く手で幽助の攻撃をガード。



幽助「うらーー!!!」



ダダダダダダダダダ!!!


幽助は陣のガードに構わず交互に両手でパンチを放ち続ける。



陣「おっととと」



ガガガガガガ



陣も幽助の激しい連打を素早くガード。



ビリビリビリ



陣(流石は幽助だ!パンチがめちゃめちゃ重てーぞ)


ヒュゴォォォォォォォォ



幽助(風か!?)



幽助の攻撃をガードしながら陣はいつの間にか、風を自分の周りに呼び寄せていた。



ブォォォォォォォ!!!



幽助「わおー」



凄まじい突風に煽られて吹き飛ばされる。



ザザザ



幽助は地面を手で擦り、ブレーキをかける。



幽助「昔、闘った時よりも一段と風が強いな」



陣「へへへ」



フワー



陣の身体が宙に浮き始めた。



ギュウウウウウウ



陣の身体が空高く舞い上がる。



幽助「陣の風は厄介だぜ」


――Aブロックの上空



ヒュゥゥゥゥ!!!!



上空では強い風が吹き荒れている。



陣「ここの風は結構、荒々しい風だなー」



チラッ



空中で静止した状態で地上にいる幽助を見下ろす。



陣「ここの荒々しい風も俺は嫌いじゃねーぞ」



クイクイ



右腕を軽く上下に降る。



グルングルン



そして、右腕を回し始めた。



ギュルルルルル



陣の右腕は竜巻を作りだす。



ゴゴゴ!!!!



陣の得意技である、修羅旋風拳である。



陣「幽助ェェェ!!!行くだぞォォォォォォ!!」



陣の大声が闘場に響き渡る。



――Aブロックの地上



幽助「おうっ!」



陣の声を聞いて幽助も大声で叫ぶ



幽助「さてと」



スッ



幽助は右手で銃の形を作り、指先に妖気を集中する。


キュンンンンンンン



指先に妖気が集まる。



幽助「さあ、来やがれ」



――Aブロックの上空



ゴゴゴ!!!!!!!!



陣の腕の竜巻が暗黒武術会の時よりさらに高速回転で回っている。



陣「修羅旋風拳!!!」



ギュウウウウウウ



右腕に竜巻を作り出した陣が地上の幽助に向かって急降下。



グォォォォ!!!



竜巻を宿した陣の一撃が幽助に放たれる。



幽助「よっ」



バッ



幽助は素早くジャンプして修羅旋風拳をかわす。



ズガァァァ!!!



陣の一撃で地面に巨大な穴が空く。



ヒューー



幽助「スゲーな、また一段と威力が上がってるぜ」



ギュウウウウウ



陣が直ぐに空中の幽助に向かって来る。



幽助(!)



陣「空中戦ではおらに勝てねーぞ」



バキッ!!!!



幽助「うっ!」



ピューーーーー!!!!



ドガァァァ!!!



地面に叩きつけられる幽助。



幽助「痛てて」



スリスリ



幽助は陣に殴られた頬を擦る。



幽助「へへへ、仙水と闘っていた頃の俺なら即死だな」



ムクッ



バッ



シュタッ



幽助は立ち上がると同時にジャンプして少し離れた位置に着地した。



幽助「陣、来やがれ」



ヒュゥゥゥゥ



(ニコッ)
陣「もちろんだ」



ギュウウウウウウ



陣は風に乗り幽助に突進して行く。



陣「行くだぞー」



グォォォォォ!!



幽助「おらー!」



ガシッ



ズン!!



幽助はその場に踏み止まり、陣の拳を左手で受け止める。



ギギギ・・・



幽助・陣(ウォォォォ!!)


攻撃する陣と受け止める側の幽助、お互いの力が拮抗している。



スッ



幽助は右手を妖丸を放つ構えで陣の顔に向ける。



陣(妖丸か)



キュンンンンンン



幽助「くらいやがれー」



陣「させねーぞ」



クイクイ



陣は左足を素早く上下に踏ると左足に竜巻が作り出された。



ゴゴゴ!!!



幽助「陣の足にも竜巻が!?」



陣「修羅旋風脚だァァァ!!!!」



グォォォォォ!!!



幽助(やべえ)



ドガァァァァァァ!!!



陣の新たな技・修羅旋風脚が幽助に炸裂したのだった。



続く
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