幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合



浦飯(うらめし)
×
陣 (じん)



――メイン会場



北神「あ、あれは!?」



北神はスクリーンに映る映像に驚いた。それは陣がまた新たな技を使い幽助がその直撃を受けて岩壁に思いっきり叩きつけられていたからであった。



「陣がさっきから凄いぜ」


「風を自由自在に扱いやがるし、色々な技を使ってくるよな」



観客の妖怪達も陣の多種に渡る技の数々に驚いている。



北神「あいつは一体、幾つの技を編み出しているんだ!?」



――Aブロック



ガラガラガラ



岩壁の岩が崩れて地面に落ちている。幽助が岩壁に叩き込まれたのだった。



幽助「さっきから陣には驚かされてばかりだぜ。今度は遠隔攻撃とはな」



(ニカッ)
陣「修羅旋風丸って技だ」


幽助「全く、技の百貨店かよ」



ムクッ



起き上がる幽助。



幽助「今のは油断したがもう同じ技はくらわねー」



陣「力比べといくかー」



幽助「ああ」



バッ!



幽助は横に飛びながら右手で妖丸の構えを作る。



キュンンンンン



幽助「ショット」



ズドオォォォォォォン!!!!!



妖丸を放つ。



陣「行くだぞー」



スッ



ビュォォォ!!



陣の手の平に小さな竜巻が発生する。



陣「修羅旋風丸!!」



ビュォォォォォォォォォ!!!



小さな竜巻が妖丸に向かって行く。そして、竜巻は陣の手から離れると巨大な竜巻となった。



グォォォォォ!!!!



ビュォォォォォォォォォ!!!!!



妖丸と竜巻がぶつかる。



ズギャギャギャーン!!!!!



カーー!!!!



ドーーーーーン!!!!



妖丸と竜巻は共に消滅した。



幽助「相撃ちか」



陣「威力は互角だな」



幽助「行くぜ!」



ズキューン



フォー



幽助は陣に接近。



幽助「オラァァァァ!!」


ビューン!!



パンチを放つ。



フワー



風で身体を宙に浮かせてパンチをかわす。



ギュウウウウウウ



そして再び風を操り空に昇って行く。



幽助「また空か」



――選手達の休憩場



凍矢が試合を終えて戻って来た。



鈴木「おっ!戻ってきたか」



凍矢「ああ、死々若丸はまだか?」



鈴駒「死々若はまだ闘っている見たいだよ。相手が躯の直属の戦士だからちょっと苦戦しているみたい」



凍矢「そうか。それで、幽助と陣の闘いはどうなっている?」



鈴木「今は空中から陣が旋風丸を放って幽助を攻撃しているところだ」



鈴駒「あいつらは凄くこの闘いを楽しんでいるみたいだよ」



凍矢「フッ、だろうな」



チラッ



凍矢はスクリーンに映る陣に目を向けた。



凍矢(陣・・・)



―Aブロックの地上



ズギャギャギャーン!!!!!



カーー!!!



ドーーン!!!!



妖丸で旋風丸を相殺する。


幽助「陣が空から遠隔攻撃をしてくるとこんなに闘いづらいとはな」



ビュォォォォォォォォ!!!!!!



巨大な竜巻が幽助を襲う。


幽助「ちっ、またかー」



スッ



ズドオォォォォォォン!!!!



妖丸で応戦する。



幽助(本当に厄介だ。こうなったらあれを使うことも考えねーといけないかもな)



――選手達の休憩場



鈴木「陣の奴、積極的に攻撃を仕掛けているな」



鈴駒「もう何発もお互いに撃ち合っているね」



鈴木「風を操り空を飛べる陣に対して幽助は空を飛べない。この違いが闘いに影響を及ぼすかもしれないな」



凍矢(あれは三年前の大会が終了してから幽助が人間界に戻って数日後ぐらいだったな)



凍矢は幽助と熱い闘いを繰り広げている陣を見ながら過去を思い出し始めた。



――凍矢の回想



魔界の18番地区(18階層)で陣が一人、修行に明け暮れている。



修行を続けている陣の下に凍矢がやって来た。



凍矢「陣、もう修行を開始しているようだが、体はもういいのか?」



陣「ああ」



凍矢「大会も終わってまだ数日だ。傷も癒えていないだろう。今は身体を休めた方がいいのではないのか?」



陣は大会で雷禅の仲間の一人と闘いの中で全身に大きな傷を負っていたのだ。



陣「ありがとう、大丈夫だ」



凍矢「それならいいが、そうそう、幽助は人間界に帰ったらしいぞ」



陣「そっか」



陣はちょっと残念そうな声を出す。



凍矢「今回は幽助と闘えなくて残念だったな」



陣「だな。幽助とは久しぶりに闘ってみたかったのだけどなー」



凍矢「しかし、お前が大丈夫だといっても大きな傷を受けた筈だ。修行は完全に治ってからにしたらどうだ?」



陣「今は少しでも早く修行をして強くなりたい気分なんだ」



陣はいつもとうって変わり真面目な表情で凍矢に答える。



(ニッ)
凍矢「お前の事だ、幽助と黄泉の闘いに触発されたんだろう?」



陣「ああ、幽助の奴、黄泉との激しい闘いの中で急激に成長していった。どんどん幽助と俺との力の差が広がっていってる」



凍矢「あの試合であれだけ力の差があった黄泉に追いつけとばかりに急成長を遂げた幽助の底力には俺も驚かされたけどな」



陣「幽助の事もあるけど、それ以上に自分自身の力のなさも一番悔しかった。あんなに簡単に負けてしまうなんて」



陣は声のトーンを落として話す。



凍矢「それを言うならば俺もだ。今回はくじ運に恵まれてベスト4まで進んだが、準決勝で闘った煙鬼には一撃で倒されてしまったからな」



陣「今度の大会は三年後だ。幽助は勿論、あいつらとも肩を並べるぐらい俺は絶対に強くなってやる」



(ニャッ)
凍矢「同感だ。修行には俺も付き合うぜ」



「お〜い!!」



その時、大きな声が聞こえて来た。



陣・凍矢「うん?」



クルッ



二人は声が聞こえて来た方を振り向く。



陣「あれは、鈴木と死々若だ」



(ニコッ)
凍矢「あいつらもどうやら俺達と同じ気持みたいだな」



陣「だな。へへへ、みんなで一緒に修行して強くなって三年後の大会は大暴れしてやるぞー」



凍矢「フッ、賑やかな修行になりそうだ」



――凍矢の回想終わり



凍矢(あれから、俺達は三年間共に修行を積んできたんだよな)



スクリーンには幽助と陣が妖丸と旋風丸で激しく撃ち合っている。



凍矢(一緒に修行した四人の中で一番努力を重ねてきたのは陣、お前だ。幽助や雷禅の仲間と闘う為に編み出して来た技の数々を存分に見せてやれ)



――Aブロックの上空



(ニッ)
陣「俺の遠隔攻撃は旋風丸だけではないぞ」



ヒュゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!



陣の右足に風が集まってきていた。



陣「修羅疾風脚」



ビュッ!!



ヒュオォォォォォォ!!!


陣は右足で空中を蹴ると大気の刃が発生した。



―Aブロックの地上



幽助「あれは何だ!?」



ヒュオォォォォォォ!!!


幽助に大気の刃が迫って来た。



幽助「これはやべーな」



バッ



素早くジャンプ。



ヒュオォォォォォォ!!!


大気の刃はそのまま幽助の後方にあった岩壁に向かって行く。



シュパーン



岩壁を真っ二つに切り裂いた。



ズドーン!!!



切り裂かれた岩壁が地面に落ちる。



幽助「今度は大気の刃なんて、マジかよ!?」



幽助は苦笑いを浮かべた。


幽助「このままでは流石にやべーな。仕方ねー、俺の新たな力を見せてやるぜ」


――Aブロックの上空



陣「幽助の奴は流石に俺の新技の数々に驚いているみたいだなー」



陣は幽助との闘いを心から楽しんでいた。



(ワクワク)
陣「これは妖丸で撃っても消滅させるのは無理だぞー。幽助がどういうやり方で疾風脚に対処して来るか楽しみだ」



そういうと再び修羅疾風脚を幽助に向けて放つ態勢を整えた。



――Aブロックの地上



幽助「俺の身体には人間だった頃の霊気、そして魔族になってからの妖気の両方が存在している」



スッ



両手を左右に広げる。



幽助「左手に霊気、右手に妖気」



ゴゴゴ・・・



両手に色の異なる光があらわれる。



幽助「これを50:50に合成する」



ブォォォ!!!



幽助の胸元で二つの異なる光が一つになる。



シュゥゥゥゥゥ



一つになった光は幽助の身体に吸収されて行く。



ゴォォォォォォォォォォ!!!!!



幽助の身体から妖気と霊気の両方が放出された。



幽助「本当は黄泉や躯と闘う為に編み出した技だが陣、ここでおめーを倒す為に使うぜ!」



ゴォォォォォォォォォォ!!!!!



幽助の身体から妖気と霊気が一つになった全く別の新たな気が生み出されている。



幽助「ウォォォォォォ!!!!!」



ピカーー!!!!!!



幽助の身体が大きな光を放ち始める。



――選手達の休憩場



(ニャッ)
楽越「あいつ、最高に面白いぜ」



楽越はスクリーンに映る幽助を見て不気味な笑みを浮かべた。



――Aブロックの上空



陣「あれは何だ!?」



陣は幽助の変化に驚く。



陣「なんかわからないけど、無防備だぞー」



ビュッ!!



ヒュオォォォォォォ!!!


陣は幽助に修羅疾風脚を放った。



――Aブロックの地上



ヒュオォォォォォォ!!!


光を放ち続ける幽助に大気の刃が襲いかかる。



ガン!!!



幽助の身体に接触した大気の刃は弾かれた。



――Aブロックの上空



陣「嘘ーー!!?」



大気の刃が弾かれたことで陣は驚きの声をあげた。



――Aブロックの地上



幽助の身体から放たれていた光が止む。



(ニャッ)
幽助「完成だ。陣、覚悟しゃがれ」



幽助の身体にある変化が起こっていたのだった。



そして、幽助vs陣の闘いは終盤戦に突入して行く。



続く
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