幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合



浦飯(うらめし)
×
陣 (じん)



――Aブロックの地上



(ニャッ)
幽助「完成だ。陣、覚悟しゃがれ」



幽助は気で作られた装束のような気鋼闘衣を纏っていた。



そして、今の幽助の身体からは妖気でも霊気でもない全く異なる気が放出されていた。



――メイン会場



小兎「あーーと!!浦飯選手の身体に突如、黒い装束が現れたーー!!!!これは何なのでしょうか!?」


北神「幽助さん・・・これは一体!?」



黎明(あの幽助の気は初めて感じた気なのに昔から知っているような気がするのは何故なのだ・・・)



――選手達の休憩場



桑原「おいおいおい・・・」


蔵馬「あれはまさか!?」


飛影「仙水の気鋼闘衣」



桑原達は幽助の姿に驚きを隠せない。



蔵馬「だがあれは聖光気じゃない。仙水の聖光気とは全く異なる気!」



桑原(・・・)



桑原は何かを考えるように真面目な顔になった。



蔵馬「桑原君、どうしたんだ?」



桑原の表情の変化に蔵馬がいち早く気付き問いかける。



桑原「なぁー蔵馬。おめーも奴らと接触したんだろう?浦飯の放つ気が奴らに似てねーか?」



蔵馬「桑原君も思ったか。これは似ているというより同じ気ですよ」



桑原「やっぱ、そうだよな」



飛影「お前達は何の話しをしているんだ?」



蔵馬「幽助が放つ気は・・・」



蔵馬は飛影に幽助の放つ気について話し始めた。



修羅「パパ、幽助のあの気!」



黄泉「ああ」



桑原と蔵馬と同様に黄泉と修羅も幽助の気を感じてから表情が変わった。



――大会の様子を見守る比羅達



袂「馬鹿な!?」



駁「どういうことだ」



比羅「浦飯幽助が放つ気は私達と同じ魔光気だ」



砂亜羅「私達の魔光気を持つ者が妖怪の中にいるとは」



比羅達は突如、自分達と同じ気を放ち始めた幽助に驚いていた。



比羅「あやつは人間から妖怪に転生したと樹から聞いた」



袂「それならばあの者には妖怪の妖気と人間だった時の霊気の両方を持っているということですか?」



比羅「我々の魔光気は霊気と妖気の二つを合わせ持って生まれた究極の気だ。奴が魔光気を放つことが出来るのはそれしか考えられないだろう」



駁「信じられないな。仮にそうだとしても妖気を魔光気に変えるなど簡単に出来ることではないぞ」



袂「あの者が纏っている黒い装束は魔光気で作っているみたいですね」



比羅「浦飯幽助・・・確かに樹が言っていた通り侮れない男だ」



魔光気とは・・・聖光気と並ぶ究極の闘気。霊気でも妖気でもない全く別の気である。霊気と妖気の双方を合わせ持つものしか使うことが不可能な為に莫大な情報を持つ霊界ですら殆どその存在が知るされた資料がないという。



――Aブロックの地上



幽助「見せてやるぜ」



ビュォォォォォ



フワー



身体が宙に浮き始めた。



ギュウウウウウウウ



仙水がかって聖光気で風を操って魔界で空を飛んだように魔光気で幽助も風を操り空を飛んだのだった。



――Aブロックの上空



幽助は上空の陣の目の前に現れた。



幽助「驚いたろ?」



陣「驚いたなんてもんじゃねーぞ!!」



(ニャッ)
幽助「だろうな。へへへ、実戦でこれを使うのは本当は初めてなんだけどな」



陣「幽助、それは気で作ってんのか?スゲーな、俺の疾風脚を弾き返しちゃったし」



幽助「この気鋼闘衣は俺の気で作っている。今のこいつは防御タイプだ」



陣「ホント、おめーは俺をいつも驚かせてくれる」



(ニッ)
幽助「陣、おめーもな」



陣「よーし!幽助がどこまで空中で闘えるか見てやるぞー」



幽助「悪いが勝たせてもらうぜ」



ギュウウウウウウ!!!!


幽助・陣「ウォォォォー!!!!!」



ドガァァァァァ!!!!



幽助と陣の空中戦が始まった。



――選手達の休憩場



蔵馬「と言うわけなんですよ」



飛影に説明した蔵馬。



飛影「なるほどな。桑原が言っていた異質な気を持つ奴と幽助が放つ気が同じだと言うのだな」



蔵馬「ええ」



飛影「しかし、幽助の奴は自分が放つ気が奴らと同じだということに気付いていないのか?自分が放つ気と同じなら直ぐにわかるだろう?」



飛影は不思議そうな顔でスクリーンに映る幽助を見た。



蔵馬「俺も幽助があの気を放ち始めてから思ったよ」


蔵馬も飛影と同じ考えのようだ。



桑原「あいつは馬鹿だから深く考えていねーからその事に気付いていないだけじゃねーのか?」



蔵馬・飛影(!)



桑原「だって、浦飯だぞ」


蔵馬・飛影(ありえるかもしれないな)



桑原の言葉は妙に説得力があったのだった。



――Aブロックの上空



ギュウウウウウウ!!!!!!



もの凄いスピードで陣と幽助が空中を飛び回っている。



陣(マジか!?空中のスピードが俺と互角かそれ以上だぞ!)



ガン!!



ドゴーン!!!



空を駆けながら互いにぶつかり合う拳と拳。



幽助は拳に魔光気を集中したパンチで陣は修羅旋風拳でそれぞれを攻撃していた。



ドガッ



幽助「ウォッ!?」



ピューーーー



陣の一撃で吹っ飛ばされた。



グッ



踏み止まる幽助。



陣「行くぞー!」

(修羅旋風拳がまともに入ったってのに、あの気鋼闘衣でダメージが少ねーぞ。防御力がけっこー、上がっているみてーだ)



ギュウウウウウ



陣は直ぐに次の攻撃に移る為に空を駆ける。



スッ



キュンンンンンン



幽助「くらいやがれ」



陣「!?」



ズドオォォォォォォォォン!!!



妖気で作る妖丸とは別の魔光気で作った弾を放つ。妖丸ではなく魔光丸といったところだ。



陣「爆風衝壁ィィィィ」



ビュォォォォォォォォォ



ギャギャァァァァン!!!


グォォォォォォォ!!!!


陣(!)



陣は風が魔光丸の力に力負けしていることに気付く。


陣「さっきまでの妖丸(魔光丸)より威力が増しているぞ」



ギャギャャァァァァァン!!!!!



陣「ウォォォォォォォォ!!!」



ビュォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!



ググググッ



陣の風は魔光丸の軌道を変えた。



グォォォォォォォ



軌道が変わった魔光丸は左に軌道を変えて飛んでいった。



陣(ハァハァハァ)



フォー



幽助「オラァ!!!!」



陣(幽助!?)



魔光丸を防ぐのに妖気を集中していた為に幽助の接近に陣は気付かなかった。



ズドドドドドドドド!!!!



両手で激しい連打。



陣「くそー」



パシ!パシ!パシ!パシ!



陣は辛うじて両手で素早く防御。



陣(一撃がさっきよりもずっと重たいし動きがはえー)



幽助「オラァ!」



ドゴッ!



陣「グェッ!!」



陣の腹部に強烈な一撃がヒット。



ビューン!!!



バキッ!!!!!



腹部に一撃をうけて怯んだ陣の顔面に強烈な一撃。



陣(・・・・・・!)



幽助「もう一発だ」



ブォーン!!!



幽助の姿が一瞬で消え去る。



陣(!!?)



幽助「こっちだ!」



ブォーン



陣の背後に回る幽助。



ドゴォ!!!



陣「グワッ!」



ビューーーーーーーーー



強烈な一撃を背中にうけた陣は地面に向かって落ちていった。



――Aブロックの地上



ビューーーーーーーーー



陣の身体は地面に叩きつけられる直前だった。



陣「ぐっ、やべえ」



スッ



ビュォォォォォォォ!!!


地面に直撃寸前に強烈な風を起こした。



フワーーー



風で地面との直撃を避けた陣は宙に身体を浮かす。



陣「ヒャヒャしたぞ」



幽助「陣!」



ギュウウウウウ



幽助は陣に向かって飛んで来た。



陣(!)



スッ



幽助「ショットガン」



ズドドドドドド



無数の魔光気の弾を陣に放つ。



陣(早い!防ぎきれねー!!)



ドゴゴゴゴ!!!!



陣「ウァァァァ!!」



陣の全身に命中する。



ドシャッ!!



陣は幽助のショットガンをまともに受けて倒れた。



シュタッ



幽助は陣から少し離れ位置に着地する。



――選手達の休憩場



鈴木「陣の奴、今のはまともにくらったぞ」



鈴駒「陣は大丈夫か?」



凍矢「幽助の攻撃力もスピードも格段に上がっている。あれが力を出した幽助の力か・・・」



――Aブロック



グッ



陣はゆっくりと立ち上がる。


陣(今のはスゲー利いたぞ。幽助の奴、気鋼闘衣を身につけて防御力を上げただけでなく気が変化してから急激に攻撃力もスピードも数段階は上がっている)



幽助「流石は陣だな。やっぱ、今の攻撃では倒せねーか」



陣(さっきの動きを見た感じ、今の幽助に俺は勝てねー)



スー



陣は目を閉じた。



幽助「おい、陣!急に目を閉じてどうしたんだ?」



幽助は驚いたが陣は静かに何かを考えているようだ。


パチッ



目を開くと陣は笑みを浮かべる。



(ニカッ)
陣「幽助ーー!今から俺は最強の技の修羅突風撃で全力でおめーにぶつかる。三年間の修行の全てをこの一撃にかけるぞ」



幽助(!)



幽助は陣の言葉に少し驚いた顔を見せたが直ぐに笑みに変わった。



(ニッ)
幽助「おもしれー!受けてやるぜ。だったら俺もおめーに全力の一撃を放つ」



幽助・陣(勝負だ)



陣はいよいよ幽助と最後の勝負に出る。



勝利の女神が微笑むのは果たして幽助か陣なのだろうか?



二人の決着は近い。



続く
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