幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメントのAブロックの一回戦・第十四試合



浦飯(うらめし)
×
陣 (じん)



――Aブロック



幽助・陣(勝負だ)



ギュウウウウウ



陣は上空に向かって飛んで行った。



――Aブロックの上空



陣「行くだぞー」



ググッ



グルグルグル



陣は両腕を抱え込み、身体を回転し始めた。



ゴゴゴ!!!



竜巻が陣の全身を包み込む。



陣「おっし!」



グルグルグルグルグル!!!



さらに身体の回転を早める。



ゴゴゴゴゴゴ!!!!!!


陣の身体を包み込む竜巻は先程よりも数倍の大きさになっていた。



陣「修羅突風撃!!!!」


ギュウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!



陣は地上の幽助に向かって突撃して行く。



――Aブロックの地上



幽助「陣、行くぞ」



スッ



幽助は魔光丸(妖丸)を放つ構えを作る。



幽助「これが俺の全力の妖丸(魔光丸)だ!!!!」


キュンンンンンンン



指先に魔光気が集まる。



幽助「くらいやがれェェェェェェ!!!!」



ズドオォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!



――Aブロックの上空



グォォォォォォォォォ!!!!!!!



妖気ではなく魔光気を指先に溜めて放つ魔光丸は通常の幽助が放つ妖丸の数倍の大きさになっていた。


陣「ス、スゲーーぞ!!これが全力の幽助の妖丸(魔光丸)」



魔光丸の大きさに驚く陣。


陣「ホントにスゲーけど、俺の竜巻から吹き出す風も負けねーぞ!!」



ビュォォォォォォォォォォォ!!!!!!



陣を包み込んだ竜巻が魔光丸(妖丸)に向かって行く。


陣「おめーの全力の妖丸(魔光丸)を撥ね返してやるぞォォォォ!!!!!」



幽助と陣のそれぞれの持つ最強の技が全力でぶつかる。



――選手達の休憩場



凍矢「陣!!」



鈴駒「さっきまでの突風激よりもっと凄いよ!」



鈴木「幽助の妖丸(魔光丸)もさっきまで撃っていたものと比べられない程のでかさだ!!」



桑原「あれが浦飯の全力の妖丸(魔光丸)かよ!」



蔵馬「これで二人の闘いに決着がつくかもしれないぞ」



――メイン会場



小兎「こ、これは凄い!!!浦飯選手の妖丸(魔光丸)がもの凄い大きさです!!対する陣選手を包み込んでいる竜巻も先程までよりももっと巨大です!!審判の天海さん、危険ですので避難してください!」



北神「陣も凄いがそれ以上に幽助さんの力がこれほどまでとは・・・」



――Aブロックの上空



審判「に、逃げまーす」



ピューー



上空にいた審判の天海は慌てて地上へ逃げていった。


ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!



竜巻から吹き出す突風が魔光丸にぶつかる。



グォォォォォォォォォォォ!!!!!



ズズズ!!



陣(!?)



陣の身体が魔光丸の威力で押し戻される。



グォォォォォォォォォォォ!!!!!



魔光丸の凄まじい威力は陣の全てを吹き飛ばそうとしていた。



陣「ウォォォォォ!!!!!!!!!」

(負けねー、負けねーぞ)



ビュォォォォォォォォォ!!!!!!!



どんどん威力を増していく陣の風。



陣はもてる全ての妖力を出しきって魔光丸にぶつかっていた。



陣「俺は負けねーぞォォォォォォ!!!」



ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!



陣の風の威力が魔光丸と並んだ。



陣「これが俺のもてる全てだァァァァァ!!!!!」


ビュォォォォォォォォォ!!!!!!!!



陣の過去最大ともいえる風が吹き出した。



ギャギャャャァァァァァァン!!!!!!!!!!



カーー!!!



ドーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!



幽助の魔光丸と陣を包み込んでいた竜巻は共に消え去った。



陣が空に浮かんでいる。



陣「幽助の全力の妖丸に俺は負けなかったぞ・・・」



グラッ



陣(うっ・・・)



ヒューーー



力の全てを出し尽した陣は地上に向かって落ちていった。



――Aブロックの地上



幽助「陣!!」



バッ!!



幽助は地上に落ちてくる陣を受け止める為に高くジャンプした。



ドスン!!



幽助の腕に落ちてくる陣。


(ニコッ)
陣「ナイスキャッチ」



(ニッ)
幽助「へへへ」



シュタッ



陣を腕に抱えたまま地面に着地した。



幽助「大丈夫か?」



陣「ああ。もう降ろしても大丈夫だ」



陣は幽助の腕から地面に降りた。



陣「幽助、俺は持てる全部の力を出したぞ」



陣は満足そうな表情を見せる。



陣「幽助の気が変化してから闘ってみて正直、幽助に勝てないって分かった」



幽助「陣」



陣「勝てないまでも幽助が全力を出した力がどれだけのもんか知りたかったんだ。それに、俺も自分の限界も知りたかったしな」



幽助「ったく、おめーにはやられたぞ。俺の全力の妖丸(魔光丸)と互角だったからな。あれは自信があった一発だったんだぜ」



陣「スゲー威力だったぞ。俺はあれを抑えるのに全ての妖力を使い切っちまった。撥ね返すなんてとんでもねー話しだった」



幽助「続き、まだやっか?」


陣「あはは、無理無理。もう俺は闘えねーぞ」



陣は苦笑いを浮かべて幽助に自らの負けを告げたのだった。



幽助「またやろーぜ!」



陣「もちろんだ」



ガン



二人は互いに拳をぶつけた。



ヒョコヒョコヒョコ



こっそり地上に避難していた審判の天海が現れた。



そして



審判「Aブロックの第十四試合は浦飯選手の勝利です!!!!」



幽助の勝利を宣言した。



――選手達の休憩場



飛影「幽助の奴、わざわざ全力の妖丸(魔光丸)を撃たなくても陣を倒せただろうに」



蔵馬「俺は幽助らしいと思うけどね」



飛影「フン、これからまだまだ闘っていかねばならないというのに馬鹿な奴だ」


蔵馬「フフ、後先を考えないのは飛影といい勝負じゃあないのか?」



蔵馬は悪戯っぽく飛影に言った。



飛影「むっ・・・」



図星な為に蔵馬に言い返せない飛影であった。



幽助の全力の魔光丸を見た修羅は神妙な顔をしていた。



修羅(今の幽助の妖丸(魔光丸)を放った時の気は僕の全力の妖力を完全に上回っていた)



黄泉(今の浦飯にお前は勝てないだろう。だが、浦飯と闘うまでには時間はある。修羅よ、もっと強くなれ!)



(キッ)
修羅「僕は幽助には負けない」



修羅はさらに幽助に対して闘争心を燃やしたのだった。



それから暫くした後、選手達の休憩場に幽助と陣が揃って戻って来た。



幽助・陣「戻ったぞ」



凍矢が陣の側に駆け寄る。


凍矢「惜しかったな」



陣「いや、惜しくないぞ。本気の幽助は本当に強かった。全力の妖丸(魔光丸)を使わなくてもあいつは俺を倒せてたもんな。でも俺の為に全力の一発を撃ってくれた。おかげで納得いく闘いが出来たから悔いはねーぞ」



凍矢「そうか」



陣「幽助に今度こそ勝てるようにまた修行だ」



凍矢「俺も修行する時はお前に付き合うさ」



陣「サンキュー、凍矢」



陣の目はまた次の目標に向かって輝いていたのだった。



桑原「おい!浦飯、さっきのはなんなんだよ」



桑原は幽助が戻るなり早速、魔光気の事を聞こうと詰めよる。



幽助「ああ?なんのことだよ」



何のことか分からない幽助。



ゴン!



桑原は幽助の頭を叩く。



幽助「ってーな!何すんだよ」



桑原「おめーは馬鹿か!てめえの気だ」



幽助「それがどうしたってんだ?」



ゴン!



さらに一発、幽助の頭を叩く桑原。



幽助「一度ならず二度までも殴りやがったな!いっぺん死なすぞ、コラァ!」



桑原「てめーが分からんからだ。この馬鹿!!」



幽助「分かるか!」



幽助と桑原のやり取りを見ていた蔵馬がやれやれっといった表情で二人の間に入る。



蔵馬「幽助が先程、陣と闘っていた時に仙水のような姿になっていた。それと同時に妖気から変化した霊気でも妖気でもない、あの気について桑原君は聞いているんだ。あれは何の気なんだ?」



幽助「何だ、あれの事かよ。あれは俺も知らねーよ。仙水と闘った時にあいつが空を飛んだり、気で防具を作ったりしていただろう?あれみてーなことが俺にもできねーかなって、色々やるうちに編みだしたんだ」


桑原「浦飯、おめーの放つ気が金髪の野郎と同じ気なんだよ」



浦飯「マ、マジかよ!?」


幽助はかなり驚く。



蔵馬「ええ」



頷く蔵馬。



幽助「今、初めて知ったぞ」



桑原・蔵馬(・・・)



桑原「ほれみろ!やっぱ、馬鹿だ!俺の言った通りだろ!」



バゴッ



桑原「わっぷ」



桑原の顎に幽助の一撃が決まる。



ドテッ



幽助「ったく、馬鹿馬鹿うるせーぞ」



蔵馬「ところで幽助、コエンマから預かった霊界との通信機は持って来ているのか?あれからこっちも連絡していないから何か霊界に動きがないかコエンマに聞いてみないか?」



幽助「持って来てるぜ!確かに連絡してなかったな。ちょっと待ってろ」



ゴソゴソ



幽助は持って来ていた荷物袋を探す。



幽助(!)



蔵馬「見つかった?」



幽助「あっ・・・、煙鬼のおっさんに借りてた部屋に忘れてきた・・・」



蔵馬「幽助・・・」

(桑原君の言う通り、本当に馬鹿かもしれない)



その後、一悶着あったものの大会は進み、一回戦の全ての試合が全て終了した。


魔界統一トーナメント
【Aブロック】
二回戦の対戦表

(1)
乙夜(いつや)
×
時雨(しぐれ)

(2)
武威(ぶい)
×
桑原(くわばら)

(3)
紅浦(もみうら)
×
魁偉(かいい)

(4)
修羅(しゅら)
×
秋霜(しゆうそう)

(5)
虚仮(こけ)
×
煙鬼(えんき)

(6)
高砂(たかさご)
×
孤光(ここう)

(7)
氷室(ひむろ)
×
浦飯(うらめし)

(8)
砌(みぎり)
×
独参刃(どくさんば)



魔界統一トーナメント
【Bブロック】
二回戦の対戦表

(1)
棗(なつめ)
×
曲尺(かねじやく)

(2)
鉄山(てつざん)
×
樞(とぼそ)

(3)
夏越(なごし)
×
雅(みやび)

(4)
周(しゆう)
×
飛影(ひえい)

(5)
遠流(おんる)
×
奇淋(きりん)

(6)
袁紹(えんしよう)
×
野晒(のざらし)

(7)
泰斗(たいと)
×
八寒(はつかん)

(8)
陰間(かげま)
×
死々若丸(ししわかまる)



魔界統一トーナメント
【Cブロック】
二回戦の対戦表

(1)
木阿弥(もくあみ)
×
九浄(くじよう)

(2)
酎(ちゆう)
×
東王(とうおう)

(3)
闇闇(あんあん)
×
倉皇(そうこう)

(4)
楽越(らくえつ)
×
一弦琴(いちげんきん)

(5)
改廃(かいはい)
×
燕(つばめ)

(6)
才蔵(さいぞう)
×
諸星(もろぼし)

(7)
左奈(さな)
×
孔雀(くじやく)

(8)
戸熊(とぐま)
×
凍矢(とうや)



魔界統一トーナメント
【Dブロック】
二回戦の対戦表

(1)
蔵馬(くらま)
×
電鳳(でんぽう)

(2)
梟(ふくろう)
×
鈴木(すずき)

(3)
鷹松(たかまつ)
×
仙道(せんどう)

(4)
鍬形(くわがた)
×
黄泉(よみ)

(5)
八千草(やちぐさ)
×
躯(むくろ)

(6)
照星(しようせい)
×
刹那(せつな)

(7)
矢治(やじ)
×
暗礁(あんしよう)

(8)
駒津(こまつ)
×
痩傑(そうけつ)



さらに激しい闘いとなっていく二回戦が始まろうとしていた。



続く
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