幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――魔界統一トーナメントのDブロックの二回戦・第一試合



蔵馬(くらま)
×
電鳳(でんぽう)



――Dブロック



ギイギギギ



電鳳に激しい敵意を剥き出しになったオジギソウが電鳳に向かって動き始めた。


妖狐・蔵馬「あれはお前に害をなす者だ。全力で奴を排除しろ」



妖狐・蔵馬の声に反応したオジギソウはさらに勢いを増して向かって行く。



電鳳「植物ごときで俺をどうにか出来ると思っているのか」



グッ



電鳳は右腕に力を込め始めた。



バチバチ



電鳳の右腕が膨らみ、その腕から火花が見え隠れする。



電鳳「フン」



ドン



膨らんだ右腕で地面を殴る。



グォォォォォォ!!!!!


オジギソウに向かって地中を這うように一直線に火柱が向かって行く。



電鳳「黒焦げになるがいい」



ギイギギギ



オジギソウは素早く身体を動かし火柱をかわす。



電鳳「何ィ!?」



予想外のオジギソウの動きに驚く。



(ニャッ)
妖狐・蔵馬「俺の呼び出したオジギソウを甘く見ないことだ」



妖狐・蔵馬は不敵な笑みを浮かべる。



ギイギギギ!!!



オジギソウは不気味な鳴き声を上げると身体から大量の触手を出した。



シュルルルル



オジギソウに攻撃をかわされないと思っていた電鳳は驚きのあまりに攻撃をかわすのが一瞬遅れた。



電鳳「チィィッ!!」



オジギソウは電鳳の身体を触手でぐるぐるに巻き付ける。



電鳳「こらァァ!さっきから言っているが俺を喰ってもマジで美味くないぞ」



オジギソウに捕まった電鳳は特に慌てた様子はなく、オジギソウに文句を言っている。



ギギギーー!



オジギソウは大きな奇声を上げると一気に電鳳を締め付け始める。



ミシミシミシ



電鳳「ほほう!植物なのに割と力が強いではないか」


電鳳はかなりの力で締め付けられているのに余裕の表情を見せていた。



妖狐・蔵馬(こいつ・・・)



ギイギギギ!!!!



電鳳の反応に腹をたてたオジギソウはさらに締め付ける力を強くする。



メキメキメキ



不気味な音が辺り一面に響き渡る。



電鳳「これがお前の全力の力か?」



妖狐・蔵馬(オジギソウが締め付ける力は凄まじいはずだ。人間界で闘った比羅の仲間はどうすることも出来ずに俺に敗れたというのにな・・・)



メキメキメキ



電鳳を締め付けている音が先程と変わらずにずっと鳴り響いている。



電鳳「どうやらこれがお前の全力の力のようだな」



ブォォォォォ!!!!!



電鳳の身体から巨大な妖気が放出され始めた。



妖狐・蔵馬「なんて妖気だ!?」



電鳳「俺を締め付ける事等100万年早いぞ」



ギイギギギ!?



オジギソウは戸惑い始めた。



妖狐・蔵馬(まずいな)



妖狐・蔵馬はオジギソウに次の攻撃を合図する。



妖狐・蔵馬「オジギソウよ、奴を呑み込め!」



ギギギ



巨大な妖気を放出し始めた電鳳に戸惑い始めていたオジギソウであったが妖狐・蔵馬の言葉で冷静さを取り戻した。



ギイギギギ!!!



オジギソウは巨大な口を開き、締め付けている電鳳を体内に呑み込もうとする。


(ニャッ)
電鳳「グフフ」



ゴクン



電鳳は不気味な笑みを浮かべたままオジギソウに呑まれたのだった。



妖狐・蔵馬(不気味な笑みだ)



――Cブロック



Dブロックで電鳳がオジギソウに呑み込まれた頃、Cブロックでは九浄と木阿弥の闘いが佳境に差し掛かろうとしていた。



ドゴォォォォ!!!



九浄の強烈な一撃が木阿弥の腹部にヒット。



木阿弥「がはっ!!」



ザザザ



九浄の一撃をまともに腹部に受けて後ずさる木阿弥。


木阿弥「くそ・・・」



九浄「今の一撃をまともに受けてもまだ倒れないか。お前、中々強いな」



木阿弥「おのれ!」



スッ



木阿弥は鉄扇を胸元から取り出す。



木阿弥「これでもくらえー!」



シューーー



木阿弥の手から武器の鉄扇が九浄に向かって放たれる。



シュパッ!



木阿弥の鉄扇が九浄の頬を裂く。



裂けた頬から口元の辺りまで滴り落ちる血を舌でペロリと舐める九浄。



(ニッ)
九浄「ただの鉄扇じゃないな。妖気で切れ味が増しているぜ!俺の顔に傷をつけるとは中々やるじゃあないか」



パシッ



木阿弥の手元に鉄扇が戻って来る。



木阿弥「この鉄扇は俺の切札だ」



九浄「流石は躯の戦士の一人だけはあるなって言ってやりたいが」



ズキューン



木阿弥「は、早い!?」



九浄は高速のスピードで木阿弥の懐に入り込む。



九浄「悪いが、これで寝んねしなよ」



ピタッ



木阿弥の胸に軽く手を置く。



木阿弥(!)



ドォォォォォォォン!!!!!!!



木阿弥「ゲボァァァ」



ドサッ



木阿弥はその場に崩れ落ちるように倒れた。



九浄は意識を失っている木阿弥に向けて一言。



九浄「またやろうな。強い奴は俺はいつでも歓迎する」



上空から審判が試合の様子を見つめる。



審判「Cブロックの第一試合は九浄選手の勝利です!」



審判が九浄の勝利を宣言した。



九浄「これで二回戦を突破だ。次は酎だぜ」



――選手達の休憩場



飛影は躯の下で同じ仲間である木阿弥の試合を見ていた。



飛影(木阿弥は敗れたか)



酎とその他の仲間達もスクリーンに映る九浄を見ていた。



酎「やっぱ九浄は強いぜ」


死々若丸「俺は一回戦で躯の戦士の一人と闘って苦戦したというのに奴は簡単に倒したな」



鈴駒「ニヒヒ、酎は死ぬ気で闘わないと九浄に勝てないかもよ。勝たないと“愛しの棗さん”と結婚出来ないもんな」



酎「うるせーぞ!分かっとる」



陣「へ〜、俺達の知らないとこで面白い事になってるんだな。酎が棗にプロポーズしたとこまでは知ってんだけどよー」



鈴駒「酎は九浄に勝たないと結婚出来ないんだ」



鈴木「なるほど、それじゃあ、酎は大変だ。俺達は三回戦で酎が九浄と闘う所を楽しく見させてもらうぜ」



凍矢「そうだな」



酎以外の五人は笑みを浮かべてその後、酎を散々からかったのだった。



酎「お、お前達、他人事だと思って・・・」



チラッ



酎はやれやれっといった表情で再びスクリーンの九浄を見た。



酎「あの一撃をくらっちまったら俺でも一発でやられちまうかもしれねー。これは気をつけんとやばいぞ」


酎は九浄と三回戦で闘う時のシミュレーションを考え始めたのだった。



――Dブロック



ギイギギギ



オジギソウは電鳳の身体を体内に呑み込んでいた。



妖狐・蔵馬(・・・)



妖狐・蔵馬は呑み込まれる直前の電鳳の笑みを見て何か胸騒ぎがしていた。



カーー!!!



ギギギ!?



オジギソウの身体が光を放ち始めた。



(ピク)
妖狐・蔵馬「・・・やはりな」


ギイィィィィィィ!!!!!!!!



オジギソウは今まで聞いたことのないような奇声を上げた。



ドガァァァァァァァァァ



オジギソウの身体がバラバラに砕け散る。



ドサドサドサ



オジギソウの残骸が辺り一面に飛び散る。



シュタッ



砕け散ったオジギソウから電鳳がその姿を現し地面に着地した。



(ニャッ)
電鳳「だからいっただろ、俺は美味くないと」



オジギソウの残骸に向けて言い放つ。



妖狐・蔵馬「流石に甘くないか」



電鳳「今度は俺から行くぞ」



ズンズンズン



電鳳は巨体を揺らしながら走る。



バッ



そして高くジャンプ。



妖狐・蔵馬「電鳳は何をするつもりだ」



ググッ



クルクルクル



電鳳は空中で身体を丸めると凄まじい回転を始めた。


妖狐・蔵馬(どうやら身体を丸めて体当たりしてくる技みたいだな)



グォォォォォォ!!!!



(キッ)
妖狐・蔵馬「来い」



妖狐・蔵馬は回転しながら向かって来る電鳳を迎え撃つ態勢を整えた。



妖狐・蔵馬「そんな攻撃は俺には通用しないぞ」



グルグルグル



電鳳「フフフ」



バチバチバチバチ



回転している電鳳の身体全体に火花が走る。



妖狐・蔵馬(あれは!?)



ジジジジジジジジジジジジ!!!!!!!



電鳳の身体は凄まじいまでの雷を帯びている。



妖狐・蔵馬「あれは擦るだけでもまずい」



電鳳を迎え撃つ態勢で構えていた妖狐・蔵馬であったが危険を察知し直ぐにかわそうと試みる。



電鳳「遅い!その白い身体を黒焦げにしてやる」



ジジジジジジジジジジジジ!!!!!!!!!!!!!!



妖狐・蔵馬(奴のスピードが早くなった!!?)



電鳳が間近に迫って来ていた。



――選手達の休憩場



桑原「く、蔵馬ァァァ!」


桑原がスクリーンに映る蔵馬に向かって叫んだ。



続く
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