幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編01
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――孤光の回想による魔界統一トーナメント四回戦。黄泉vs孤光の対戦。



黄泉(・・・)



ボォォォ!!!



黄泉の右手に妖気で作られた炎が燃え始める。



幽助「あれは、黄泉の最強の技・炎裂撃」



蔵馬「黄泉の奴、ここで一気に勝負に出るつもりか?」



黄泉(浦飯との闘いで体力・精神力を大きく消耗したこの状態で奴と長時間闘うのは、不利だ。最強の技で一気に蹴りをつける)



黄泉「勝負だ!」



ダッ!ダッ!ダッ!



ダッ!ダッ!ダッ!



黄泉(・・・)



黄泉は、冷静に孤光を探している。



ピーン



黄泉(!)



黄泉は、孤光の位置を察知した。



黄泉「とらえたぞ」



クルッ



黄泉は、素早く身体の向きを変える。



ダッ!ダッ!ダッ!



孤光の足音が響く。



黄泉「お前は、そこだ!!魔古忌流炎裂撃!!!」



ビューン!!!



黄泉は、右手に炎を宿した最強の一撃を孤光に放たれた。



(ニッ)
孤光「よくわかったね」



孤光の姿が黄泉の目の前に現れた。



蔵馬「とらえたか」



幽助「いや、駄目だ」



ブォーン!!



シュッ



黄泉の炎裂撃が孤光をとらえたかに見えたが孤光は、黄泉の攻撃を瞬間的にかわした。



修羅「あのパパの一撃をかわした!?」



黄泉(今のをかわしたか。しかし何てスピードだ!)


ダッ!ダッ!ダッ!



キョロキョロ



黄泉は、直ぐ様に聴覚で音を聴きわけて消えた孤光を探す。



ダッ!ダッ!ダッ!



ブォーン!!



シュタッ



孤光「くらいな」



ビューン!!



黄泉(!!)



突如、黄泉の目の前に孤光が現れて鋭い一撃が黄泉の腹部を狙って放たれた。



黄泉「魔古忌流煉破防御壁」



ピキーン!!!



黄泉は、瞬間的に物理的な攻撃を防ぐ防御壁を張った。



ガキーン!!



孤光の一撃を防いだ。



黄泉「ハァッ!」



ビューン!!



黄泉は、孤光の攻撃を防御壁で防ぐと同時に孤光に炎裂撃を放つ。



ブォーン!!



シュッ!



黄泉の攻撃が空を切り孤光の姿が再び黄泉の目の前から姿を消した。



幽助「黄泉のあの防御壁は、本当にやっかいだったぜ」



蔵馬「黄泉は、妖気系の遠隔攻撃なら煉破反衝壁で吸収。物理的な攻撃なら煉破防御壁で防ぐからな」



飛影「全く守備力の高い野郎だぜ」



何処からか孤光の声が聴こえてくる。



孤光「そういえばあんたは、そんな防御技を持っていたね。幽助との闘いで使っているのを見たのをすっかり忘れていたよ」



ダッ!ダッ!ダッ!



黄泉「ぬうう」



キョロキョロ



孤光「あたしの最大の武器は、全盛期の雷禅より速いって言われたこのスピードだよ」



黄泉「なるほど・・。恐ろしい程の速さだな!!」



ビュッ!!



黄泉は、言い放つと同時に孤光の声が聴こえた先に強烈な蹴りを放った。



ブォーン!!



シュッ



空を切る黄泉の蹴り。



ダッ!ダッ!ダッ!



孤光「今のあんたにあたしをとらえることなど出来やしないさ」



ブォーン



シュタッ!!!



ビューン!



黄泉「ちっ」



ガキーン!



素早く防御壁を張り孤光の攻撃を防ぐ。



ブォーン!



姿を消す孤光。



黄泉(だが本当に速い動きだ。俺のこの聴覚を持ってしても奴の動きをとらえられない)



孤光「あんたは、隠しているけどかなり前の闘いで消耗しているようだね。あたしには、わかるよ」



黄泉(・・・見抜いていたか)



孤光「あんたの目が見えない為に極限まで極めたその聴覚で万全の状態だったならあたしの動きをもしかしたらとらえることが出来たかも知れない。でも幽助との闘いで精神力を使い過ぎたようだね」



ダッ!ダッ!ダッ!



ダッ!ダダッ!ダダダッ!


ダダダダダダダダ!!!




孤光の足音の聴こえる速度がさらにどんどん速くなる。



躯「あそこまでのスピードを持っている者は、魔界には、他にいないだろうな。あの棗とかいう女といい、雷禅の仲間達は、どいつもこいつも厄介な奴らだ」



速度を上げた孤光の様子を見ていた煙鬼は、笑みを浮かべた。



煙鬼「孤光の奴、一気にいくつもりだな」



バッ



ボォォォ!!!



黄泉の右手に再び炎が燃え始めた。



孤光「それは、あんたの最強の技だね。あんたがかなり消耗しているとはいえこれは、真剣勝負だ。あたしは、手を抜くつもりはないよ」



黄泉「来るがいいさ。俺は、負けん」


(奴を倒すには、確実にこの炎裂撃を叩き込むしかないがどうやってあの女にこれを直撃させるか)



ダダダダダダダダ!!!



孤光「それなら一気に決めさせてもらうよ」



ダダダダダダダダ!!!



ブォーン!



ドーン!!!



黄泉(!)



ビューン!!!!!



孤光のあまりの速さに黄泉の防御壁は、間に合わない。



修羅「パパ!?」



ドゴォォォ!!!



黄泉の腹部に強烈な一撃が入った。



黄泉「ぐっ」



解説「孤光選手の強烈な一撃が黄泉選手にまともに入ったぁぁぁ!!!」



鉄山「完全に入ったな」



電鳳「孤光の奴、このまま一気にいくぞ」



孤光「ハァァァ!!」



ドガガガガガ・・・!!!!!



解説「こ、これは、凄い!!あの黄泉選手が孤光選手によってなすすべがなく攻撃を受け続けています!!!」



孤光は、強烈な一撃を黄泉に入れた後、防御をさせる暇を与えないそのスピードで一気に黄泉に攻撃を叩き込んでいた。



バキッ!!



ドゴッ!!



ドガッ!!



幽助(・・・)



幽助は、孤光の攻撃を受け続けている黄泉を黙ってじっと見つめている



バキッ!!



バゴォォ!



ドカッ!!



黄泉は、孤光の攻撃をひたすら受け続けていた。



凍矢「強い!」



孤光「ヤァァァ!!」



ブーン!!



バキッ



孤光の高速の回し蹴りが黄泉の頭部を直撃した。



ドーーン!!!



黄泉「ぬぅぅぅ!!!」



ドガァァァ!!



ガラガラガラ



黄泉は、思いっきり岩壁に叩きつけられた。



解説「孤光選手の強烈な回し蹴りが黄泉選手に炸裂!!黄泉選手は、そのまま岩壁に叩きつけられました!!!」



バッ



岩壁が崩れ砂煙が漂う中で黄泉は、素早く立ち上がった。



黄泉「ちっ」



ブォーン!!



シュタッ!



黄泉「くっ!」



孤光「ハァッ!!」



ドガガガガ・・・!!!



孤光は、起き上がった黄泉に容赦ない攻撃を続ける。


バキッ!



ドガッ!



バゴッ!



解説「孤光選手は、攻撃の手を休める様子は、ありません!!黄泉選手がもの凄い速さで殴られ続けています。



修羅「パパが防御壁を作る間すらないなんて!?」



バキッ



バゴッ



酎「信じられねえ。あの黄泉があんなにやられるなんて」



鈴木「ああ!あの女、凄過ぎるぜ」



ビュッ!!



バキッ!!!



孤光の強烈な蹴りが黄泉の肩を直撃した。



ドシャッ!!



黄泉は、地面に強く叩きつけられた。



ググッ



黄泉は、肩をおさえながらゆっくりと立ち上がる。



ブォーン



シュタッ



孤光が姿を現した。



孤光「もう降参したら?その身体では、もうあたしに勝つことは無理よ」



黄泉の試合を見ていた幽助が突然大声で叫びだした。


幽助「黄泉!!一体どうしたんだ!!相手が俺の親父の仲間とはいえ俺に勝ったんだ!!こんなとこで負けるんじゃねーぜ!!」



蔵馬(幽助・・・)



黄泉の発達した耳に幽助の声が届いた。



黄泉「フッ、浦飯め。誰と闘って俺がこうなっていると思っているんだ」



黄泉は、笑みを浮かべた。


黄泉(消耗しているとはいえ俺は、黄泉だ。このまま無様に負けるわけにはいかないな)



キッ



黄泉は、目の前に現れた孤光に向かって大きな声で叫ぶ。



黄泉「俺は、この右手の一撃に全てをかける。お前も最強の一撃で来い」



ボォォォ!!!



黄泉の右手には、妖気の炎が燃えている。



孤光「いいわ。これであんたを確実に倒す」



ブォーン!!



ダダダダダダダ!!!



孤光は、姿を消し高速の足音が辺り一面に響き渡る。


スー



黄泉は、その場に静止して立ち止まった。



黄泉(大きな賭けだが奴をを倒すには、これしかない)



周「あいつ、立ち止まったぞ??動かないと孤光は、このまま一気に来るぞ」



蔵馬「黄泉は、何故、最強の一撃で来いと孤光を挑発したんだろう?」



幽助「あいつもしかして」


飛影「何かを狙っているのか!?」



ブォーン!!



シュタッ!



最強の一撃を放つべく孤光が黄泉の目の前に姿を現した。



孤光「なんで動かないのさ?一気に決めちまうよ!」


ビューン!!!!!



孤光がこの闘いで最高速の速度の最強の一撃を放った。



キッ!!



黄泉「来い!!」



蔵馬「黄泉の奴、まさか!?」



幽助「あいつの狙いは、カウンター攻撃だ」



ドガァァァァァ!!



辺り一面に凄まじい衝撃が走る。



シーン



激しい衝撃の後に辺りは、静まりかえった。



黄泉(・・・)



孤光(・・・)



黄泉の右手による炎裂撃が孤光の胸部を直撃寸前で止まっていた。



だが孤光の一撃は、黄泉の腹部に決まっていた。



孤光「惜しかったね」



黄泉「消耗した俺があの速度で動くお前を倒すには、これしかなかった。だがお前には、通じなかった・・・」



孤光「カウンターを狙っていたとは、本当に驚いたよ。万全の100%のあんたとまともに闘っていたらあたしでもこの勝負わからなかったよ」


(ニャッ)
黄泉「万全なら負けないさ」



(ニッ)
孤光「あたしも消耗したあんたに実力で勝ったなんて思っていないからね」



黄泉「フッ」



ドサッ!!



黄泉は、その場に倒れた。


上空から試合を見守っていた審判が手を上げた。



審判「この試合、孤光選手の勝利です」



解説「な、何とここで大波乱が!?あの優勝候補に数えられていた黄泉選手が孤光選手に敗れました!!!」


「嘘だろ。あの黄泉が」



ザワザワザワ



試合を見守っていた妖怪達が優勝候補といわれた黄泉の敗北でどよめき始めた。


修羅「パパが負けた・・」


躯(・・・)



蔵馬「黄泉は、もしかしたら幽助との闘いで体力と精神力をかなり消耗していたのかも知れないな。目が見えない分あいつは、相当、集中力が必要だからな」



幽助「黄泉・・」



(ニコッ)
煙鬼(ほっ、孤光が勝ったか)



〜孤光の回想・終わり〜



――煙鬼のいる大統領府



才蔵「どうしたんだ孤光?急に静かになって」



孤光「いや、別になんでもないさ。ちょっと黄泉と闘った時の事を思い出しただけさ」



黄泉「フッ」



コンコン



その時部屋の外からドアをノックする音が聴こえてきた。



煙鬼「今度は、何かな?」


(ニッ)
孤光「また来客かな?」



才蔵「さあな」



煙鬼「入っていいぞ」



ガチャッ



ペコッ



「失礼します」



一つ目の妖怪が部屋に入って来た。



一つ目の妖怪が口を開く。


「煙鬼様。実は、躯様の・・・」



煙鬼「何!?それは、本当か」



続く
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