幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編04
28ページ/35ページ

――魔界統一トーナメントAブロックの四回戦・第一試合



桑原(くわばら)
×
修羅(しゅら)



――Aブロック



ドガァァァァァァン!!!!!



修羅の放った妖気弾を桑原が首位打者剣で打ち返し、それが修羅にヒット。



修羅が立っていた場所で
大きな爆発が起きた。



――メイン会場



小兎「あ〜〜っと!!!
なんと桑原選手が修羅選手の妖気弾を打ち返したァァァァァ!!!!」



「スゲーぜ、あの人間……」



「あの弾を打ち返すなんてありえねーー!!」



――Aブロック



桑原(………)



爆発の様子を黙って見つめる桑原。



桑原「今までわからなかったが、オレの能力って実は結構強いんだな…」



今更ながら自分の時を操る能力の強大さに気付く桑原であった。



――選手達の休憩所



黄泉「あの人間の強さが開花したな」



幽助「あんにゃろう…やるじゃねーか」



――Aブロック



桑原は領域内の時の流れを元に戻す。



桑原(フゥ〜。時雨と戦った時ほどじゃねーがやっぱりこの能力は消耗が激しいぜ…)



爆発によって生じた煙が辺り一面を包み込んでいる。


桑原は真面目な顔で修羅が立っていた場所を見つめる。



桑原には分かっていた。修羅をあの程度では倒せないという事を。



桑原は大きな声で叫ぶ。



「出て来いよ修羅」



するとが煙の中から修羅の声が聞こえてきた。



「桑原、お前やるな。ボク、驚いたよ」



煙の中からゆっくりと修羅は歩いて出てきた。



そして桑原の前に立つ。



桑原に打ち返された妖気弾をまともに受けた修羅は、爆発に巻き込まれて全身のあっちこっちにダメージを負っていた。



――選手達の休憩所



幽助「修羅の奴、防ぎきれなかったみてーだな」



黄泉「今のは修羅も反障壁を張る暇はなかった。妖気弾は修羅に直撃した」



幽助「時間の流れを進めたあの弾の速さはマジで凄かったからな。オレでもちょっとかわせねーかも」



黄泉「恐らく今の桑原の攻撃で修羅は本気になる。だが、それでもあの人間の能力の前にはかなり苦しむ事になるだろうな」



幽助「へっ、いいのかよ黄泉。親バカのおめーのわりにはいやに冷静じゃねーか。おめーの息子が苦戦するんだぜ?」



黄泉「この試合、いかに苦戦しようとも必ず修羅が勝つよ。あの人間の能力があれだけの実力差を簡単に埋めてしまうほどの強さを持っていてもな」

(誰が親バカだ)



幽助「えらい自信だな。
そういうからには桑原の能力になんか弱点とかでもあるのかよ」



黄泉「ああ。現時点で一つだけな。目が見えない分、オレにはお前達より早く分かる事があってな。
見ているがいい浦飯。直にあの人間の弱点が表に出て来る」



幽助(弱点か……)



――Aブロック



修羅「もうお前を人間と思って手を抜かないよ。本気でやつけるよ」



そう言うと修羅の目つきが変わった。



ブォォォォォォ!!!!!!!



修羅の小さな身体から、
子供とは思えないほどの
強大な妖気が放出されていく。



桑原(ゾクッ)



桑原は修羅の放つ巨大な
妖気を肌で感じて背筋が凍りついた。



桑原(これがこのガキの本気の力かよ…。時雨や武威が可愛いく見えるぜ…)



修羅「行くよ、桑原」



修羅はその場で構えて戦闘態勢に入る。



遠隔攻撃を止めてどうやら桑原に肉弾戦を仕掛けるつもりのようだ。



ズキューーーン!!!



修羅が一気に攻撃を仕掛ける。



桑原(!?)



修羅の本気の力はさっきまでより遥にスピードが増していた。これが想像以上のスピードであった為に桑原は時間の変化をさせるのが間に合わなかった。



桑原(やべー!?修羅の妖気に気を取られてた)



修羅「ハッ!!」



ビューーーン!!!!



強烈なパンチを桑原の顔面を目掛けて放つ。



バキッ!!



桑原(グッ!!!!!)



桑原の顔面にまともにヒット。



ドゴォォォォォォ!!!!!!!



続いて桑原の腹部に修羅のパンチが入る。



桑原(さっきまでと全然違う!なんて破壊力だ。スピードといい、こいつが修羅の本気か!こんな攻撃を受け続けていたら身体がもたねー。マジでやられちまう…………!!!)



修羅(……………)



ビューーン!!



無言で次の攻撃を仕掛けようとする修羅。



桑原「時よ、遅くなれ!!!」



咄嗟に領域の中の時間の流れが変化させる。



修羅の動きが遅くなっていく。



修羅(また時間の流れが遅くなった…)



フッ



攻撃のスピードが大幅に落ちてきた為に修羅の攻撃を桑原はどうにか間一髪でかわす。



桑原(悔しいが、やっぱり時間の流れを変化させねーと今のオレの力じゃあ修羅には全く歯がたたねー)



修羅の身体はここで再び時間の流れを完全に桑原に支配された。



修羅(身体が思うように動かない。本当にやっかいだな、桑原のこの能力…!)



桑原「今の攻撃のお返しだ!!行くぜ修羅!!」



ビューーーー!!!!



修羅目掛けて時の剣を振り下ろす。



桑原「くらいやがれーーー!!!」



ビューーーー!!!!



シュパッ!



桑原の攻撃は修羅の腕にかすり傷を負わす。



だが修羅はかすり傷を負ったぐらいでは全く動じない。逆に闘志を剥き出しにして桑原に向かっていく。



修羅「桑原!お前なんかにやられないよボクは!」



桑原「ぶっ倒してやる。ガンガン行くぜ!!」



ビューーーン!!!



ビューーー!!!



二人はこの後、接近して
10分以上に渡って攻撃を繰り出したのだった。



この二人の攻防はどちらが優勢なのかは誰の目にもあきらかであった。



修羅(クソッ!ボクの動きがあいつの能力で完全に封じられちゃってる。当たればボクの方が攻撃力は絶対に上なのに…!!)



桑原(行けるぜ!オレの能力で修羅のスピードは完全に抑えられている。攻撃に当たりさえしなければオレの方が今んとこ有利だ)



――メイン会場



「あの人間が本気の修羅を相手に押している!!」



小兎「あ〜〜っと!!あの桑原選手が修羅選手を相手に優勢に試合を進めています!!これは本当に驚きです!!!!」



「あの人間、修羅に勝っちまうんじゃねーか!」



――Aブロック



桑原「ウォリャァャァャァ!!!!」



ピュッ!ピュッ!ピュッ!



修羅(!?)



いきなり放って修羅の虚をつく霊剣手裏剣。



バッ



反射的にジャンプして霊剣手裏剣をかわそうとする修羅。



だがかわせない。



霊剣手裏剣が修羅の身体に突き刺さる。



修羅(うっ!)



桑原「もらったぜ修羅!!!!」

(これでこの試合を決めてやる)



修羅(か、かわせない…!!)



桑原が時の剣を振りかざして修羅に斬りかかろうとしたその時だった。



桑原(!?)



突然桑原の動きが止まる。


ガクッ



そして地面に片膝をつく。


修羅「これは……」



桑原の異変に驚く。



桑原の額からは凄まじい量の汗が。



桑原(や、やべーぜ……)



シュウゥゥゥゥ…………




そして桑原が闘場に張り巡らせた領域が消えていく。


――メイン会場



小兎「あ〜〜っとこれは一体どうした事でしょうか!?桑原選手の動きが止まったかと思ったら桑原選手が張り巡らせた領域が消えて行きます!!」



「おいおいおい!一体桑原の奴どうしたんだ!?」



雪菜「和真さん!?」



――選手達の休憩所



幽助「そうか…そういう事か!!」



黄泉「そう。あの人間の能力はあまりにも強大過ぎる。それが故に精神力の消耗があまりにも激し過ぎるのだ。実力に大きな差のある修羅を相手にする為に能力を使い過ぎた。奴の霊力は殆ど尽きた」



――Aブロック



桑原(クソッタレ…。修羅を相手にする為に能力を酷使した結果がこれかよー…)



桑原の状態を見て、今の状況を理解した修羅はニコリ。



修羅「ちょっと危なかったよ。でもどうやら力尽きたみたいだね」



桑原(クソッ……)



優勢な試合状況から一転。絶望的な状況に追い詰められた桑原であった。



続く。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ