幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編04
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――魔界統一トーナメントBブロックの四回戦・第一試合



棗(なつめ)
×
飛影(ひえい)



――Bブロック



棗「雪菜ちゃん、勝ったわよ」



棗の鷹襲波を受けて身体の内部に大きなダメージを受けた飛影はその場に倒れたのだった。



――メイン会場



小兎「あーーっと!Bブロックでは飛影選手が棗選手の一撃を受けてダウン!!これはもう勝負がついてしまったかーー!」



「あの女やっぱり強いぜ!」



「なんかあっけない幕切れだな」



解説の小兎、そして試合を見ていた観客たちの多くはこれで勝負がついたと思っていた。



だが、飛影は簡単には終わるような男ではない。



何故なら飛影の格闘センスは“天才”なのだから。



――選手達の休憩所



スクリーンに映し出されている倒れた飛影を見つめる幽助。



黄泉が幽助に声をかける。



黄泉「浦飯、お前の仲間は大した男だな」



幽助、ニヤリ。



「ああ。飛影は殆どダメージを受けてねー」



――Bブロック



棗は空を見上げて審判に手を上げて合図する。



審判に試合が終わった事をアピールする為だ。



一瞬、棗が飛影から目を離したその時だった。



棗(!!)



倒れていた飛影が忽然と姿を消した。



棗「後ろか!!」



強い殺気を背後から感じとる。



そして危険を察知した棗の身体が自然と動いた。



何者かが攻撃してきたのだ。



相手の攻撃は速く完全にはかわしきれなかった。



ドス。



棗の肩に激痛が走る。



棗「うっ!」



棗の肩には剣が突き刺さっていた。



棗を刺した剣…、それは
さっき棗が折った剣。



折れた剣には炎が燃え盛り、剣の形を作り出していた。



素早く肩から剣を抜き、
直ぐにバックジャンプで下がる棗。



棗を刺した人物。



それは。



「チッ、かわされたか。
邪王炎殺剣。やはりこの剣はオレの性には合わないな。これを使うとあいつの顔が浮かんでくる。全くいいイメージが湧かないぜ」



棗「飛影!」



飛影、驚く棗に不敵な笑みを見せる。



飛影「少し驚いたが、あれでオレを倒せたと思われているとはな。オレもナメられたものだぜ」



棗「どうして!?私の鷹襲波は完璧に決まった筈だ」



飛影「ああ。完璧だったぜ。オレの体内にいる黒龍を倒したんだからな」



飛影の言葉に棗は飛影がどうして無事だったのか理解した。



棗「そうか黒龍を…」



――選手達の休憩所



黄泉「あの女の技を受けた時、あいつは体内にいる黒龍に全てのダメージがいくように瞬時に妖気を使ってコントロールした」



幽助「ったく。オレにはあんな事出来ねーよ」



――メイン会場



小兎「あーーーっと飛影選手は無事でした!!これは驚きです」



「あれをくらって全然平気な顔をしてやがる」



「あいつバケモンだ」



――Bブロック



バッ



飛影は右手を上に向かって高く挙げた。



飛影「ハッ!!」



ピカーー



飛影の右胸に現れた魔封紋が光る。



ドゥォォォォォォ!!!!


そして飛影は上空に向かって素早く黒龍波を放つ。



上空に放たれた黒龍は術者である飛影に向かって来る。



そして。



カーー!!!!!



ズンン



飛影は体内に再び黒龍を取り込んだ。



飛影「体内に黒龍がいる限りその技はもうオレには通用しない」



ブォォォォォ!!!!




飛影はかかってこいといわんばかりの攻撃的な妖気を棗に向けて放出。



棗「フフッ、あくまで肉弾戦を求めてるわけか。鷹襲波が通じないなら…」



グッと両方の拳に妖気を込める棗。



棗「ハッ!」



ブォォォォォォ!!!



棗も攻撃的な妖気を放出。



棗「この拳で飛影、貴方を倒す!!」



お互いに構えて相手の目を見る。



飛影・棗「行くぞ」



ズキューーーン!!!



同時に飛び出す二人。



飛影「邪王炎殺煉獄掌!!」



棗「ハァーーーー!!!!」



ドガーーン!!!!



飛影と棗の激しい肉弾戦が幕を開けたのだった。



――その頃、闇撫の樹は亜空間にある仙水忍の身体がある場所へ戻ってきていた。



仙水忍のいる場所に近づくと樹は直ぐに異変に気付く。



何か大きな戦いがあった痕跡が残っていたからだ。



樹「何があったのだ?」



足早に仙水忍の身体のある場所へと向かう樹。



樹「こ、これは…!?」



樹の目に映った光景。
それは捕らえた筈の北神と黎明が瀕死の重傷を負って倒れている姿であった。



樹「一体誰が二人を…」



ここで樹はハッとなる。



樹「忍!!」



樹は慌てて仙水忍を捜す。


しかしどこにも仙水忍の姿がない。



樹「一体何がここであったのだ…」



樹はここで倒れている北神と黎明の身体を見た。



樹「これは“カズヤ”の気功銃の後だ…。という事はまさかこれは忍がやったというのか!?」



「フッ、違うぞ樹。それをやったのは“カズヤだ」



樹の背後から突然声が聞こえてきた。



樹(この声は!?)



いつも冷静沈着で感情をあまり表に出さない樹の顔色が見るみるうちに変わっていく。



樹は肩を震わせながらゆっくりと後ろを振り向く。



そこには樹にとって最も大切な人物が立っていた



樹はまるで愛しい恋人をみるような優しい笑みを浮かべてその人物に語りかける。



樹「やっと、やっとまたお前に逢えた。忍…」



仙水、ニコリ。



仙水「樹、“暗黒天使”は再び舞い降りたのだ」



樹「オレはその“暗黒天使”を高く羽ばたかせてみせるさ」



四年の時を得て再び目覚めた仙水忍。



彼の完全復活によって幽助は過去最大の戦いへと誘われていく事になるのであった。



仙水「楽しくなってきた」



続く
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