幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜
□大会編０４
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――魔界統一トーナメントBブロックの四回戦･第一試合
棗(なつめ)
×
飛影(ひえい)
――Bブロック
飛影と棗の二人は激しい肉弾戦を繰り広げていた。
互いの攻撃はヒットし今のところはほぼ互角の展開といったところだ。
飛影「邪王炎殺煉獄掌」
ズドドドドドド
高速の連続パンチ。
棗「やらせないよ！！」
ガガガガガガ
両手の手の平で飛影の煉獄掌を受け止める棗。
飛影の煉獄掌が一時的に止まった。
棗「ハァーーー！！！」
ズン！！
全身の体重を前にかける。
ビューーーン！！
棗の得意の必殺の一撃。
ドゴォォォォォ！！
飛影(…………！！)
飛影の腹部にヒット。
後ろに吹き飛ばされる飛影の小さな身体。
棗(まだまだこれで終わらないわよ)
ズキューーーン！！
素速く飛び出した棗は吹き飛ばされていく飛影に追いつく。
そして。
飛影(！？)
棗「ハァァァーーー！！！！！」
ズドドドドド！！！
高速のラッシュ。
飛影の腹部に次々と棗の拳が撃ち込まれる。
――選手達の休憩所
鉄山「棗の奴、攻めたててるな」
九浄「総合力では飛影の方が上だ。ダメージを与えるチャンスは逃さない方がいい」
鉄山「お前はどっちが勝つと思ってるんだ？やっぱり妹か？」
九浄(……………)
九浄は鉄山の問い掛けには答えなかった。
――Bブロック
ドガーーーーン！！！
飛影の身体が棗の高速ラッシュをうけて身体が地面に叩きつけられた。
地面には大きな穴があいている。
棗「フゥ〜〜」
攻撃の手を止めて飛影の身体がめり込んだ地面から離れる棗。軽く一息をつく。
そして飛影がいる穴に向かって叫ぶ。
棗「出て来なさいよ飛影」
(貴方をこの程度で倒せるとは思っていない)
カーーーーー
穴から眩しい光が放たれる。
そして。
ドガァァァァァァ！！
飛影が穴の中から飛び出してきた。
そして地面に着地。
棗「……あまりダメージを受けていないようね」
飛影「いや。結構効いたぜ」
その言葉とは裏腹に飛影はあまりダメージを受けてはいない様子。
どこか余裕を感じさせる雰囲気を醸し出していた。
棗「気にいらないな。貴方のその余裕の顔」
飛影「フッ」
ボォォォォォォ！！！
飛影は右手に再び魔界の炎を宿す。
棗「邪王炎殺煉獄掌でもするつもり？悪いけどそれは私にはあまり通用しないわよ」
棗の言葉に飛影、ニヤリ。
飛影「随分とナメられたものだぜ。オレを甘く見るなよ」
飛影は右手を上に向かって高く挙げた。
棗「なっ！？」
(まさか！！)
飛影「ハッ！！」
ピカーー
飛影の右胸に現れた魔封紋が光る。
ドゥォォォォォォ！！！！
そして飛影は上空に向かって素早く黒龍波を放つ。
上空に放たれた黒龍は術者である飛影に向かって来る。
そして。
カーー！！！！！
ズンン
なんと飛影は二発目の黒龍を体内に取り込んだのだった。
飛影の妖気はさらに爆発的に上がる。
――選手達の休憩所
幽助「マ、マジかよ！飛影の奴、黒龍波をまた取り込んじまったぜ」
黄泉「まるで別人のように妖気が上がったな」
――メイン会場
小兎「あーーーーっと！！！飛影選手がさらに黒龍波を体内に取り込みました！！！凄い！これは驚きです！！！」
「ス、スゲー！めちゃくちゃ妖気が上がったぞあいつ」
――Bブロック
棗「こんな事が出来るなんて…！」
飛影「前のオレでは出来なかった。だがこの胸に宿っている魔封紋。これを使えばこのぐらい簡単な事」
ブォォォォォォ！！！！！！！
飛影は爆発的に上昇した妖気を一気に放出した。
飛影「行くぞ」
ズキューーン！！
棗に向かって駆け出す飛影。
棗はその場から動かずに飛影を迎え撃つ。
二人の肉弾戦が再開される。
飛影が二発目の黒龍波を取り込んだ事によって試合展開に大きな変化が起きてくるのだった。
飛影「邪王炎殺煉獄掌」
ズドドドドドド
高速の連続パンチ。
棗(！！)
ズガガガガ！！！
棗の胸部に炎の拳が次々と撃ち込まれる。
棗「くっ！！」
(速い！！！)
ビューー！！！
続いて飛影は回し蹴りを放つ。
ガシッ
棗は飛影の回し蹴りをどうにか腕で受け止める。
ビリビリっと棗の腕に凄まじいまでの衝撃が走る。
棗(なんて重たい攻撃なの！！)
バキッ！！
ドゴォォォォ！
ズガガガガ！！！！！
次々と棗に攻撃を繰り出す飛影。
あまりにも速い飛影の攻撃の前に棗は反撃する事も出来ず、防御に徹する事しか出来なくなってしまっていた。
そして飛影の圧倒的な攻撃力の前に棗の身体はいくら防御をしていても大きなダメージを受けていた。
――メイン会場
小兎「あ〜〜っと二発目の黒龍波を取り込んでからは飛影選手が棗選手を圧倒しています！！」
――選手達の休憩所
周はスクリーンに映る飛影をジッと見つめている。
そしてチッと舌打ちする。
周「あいつあんな事が出来るのか。あの野郎…オレとの喧嘩の時は隠していやがったな」
――Bブロック
飛影(…………)
飛影は無言で次々と攻撃を繰り出す。
棗(ハァ…ハァ…ハァ…)
既に棗の身体はかなりのダメージを受けていた。
体力の消耗も激しい。
棗(まずい…。ここまで力の差がついてしまうなんて…。このままでは一方的にやられてしまう。どうにか反撃の糸口を掴まないと)
ズガガガガ！！！！
棗「グッ！！」
容赦ない飛影の攻撃は続く。
棗(無理だ。今動くと一気にやられてしまう…！私はこのままやられてしまうの？)
《そうでもないぜ》
棗(！？)
突然、何者かが棗に念信で語りかけてきた。
棗(こ、この声はまさか……！？)
《この状況を打開するのは簡単さ。あんたの秘められた“あの力”を解き放てばいい事だ》
棗(楽越……！！？)
続く