幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編05
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――魔界統一トーナメントCブロックの四回戦・第一試合



酎(ちゅう)
×
楽越(らくえつ)



――Cブロック



楽越「100%」



酎(!!)



ゴゴゴゴゴゴ



闘場が激しく揺れる。



楽越、ニヤリ。



「酎、いい試合が出来るといいな。オレを失望させるなよ」



そして楽越は姿を変えたのだった。



楽越の身体から放出されている妖気は、さっきまで
とは比べられないほど大きくなっている。



――選手達の休憩所



九浄「あいつ、かなり強いな」



楽越の巨大な妖気に驚嘆の声を上げる。



「フッ、魔界は広いぜ。あれだけの妖気の持ち主がまだいたのだからな。チッ、あいつと喧嘩したいぜ。酎に勝ちを譲るんじゃなかったぜ」



――Cブロック



酎「お前さん、随分とイメージが変わったな」



楽越はどちらかといえば、色白の優男といえるその容姿だが、今回の変化によって、色白の肌から褐色の肌に変化。そして目つきが鋭くなり、邪悪な雰囲気を醸し出している。



そして彼の筋肉はあの戸愚呂(弟)の100%時の状態に酷似していた。



――メイン会場



小兎「あーーーーっと、
楽越選手の姿が大きく
変化しましたーーーー!!!!」



流石「あの人、不気味だわ…。それに凄い妖気」



鈴駒「本当に凄い妖気だ。だけど、妖気なら酎も負けていない」

(あんな奴、倒してしまえ、酎)



――Cブロック



酎「行くぞ」

(妖気は今のオレとほぼ互角か…。まずは仕掛けてみるしかねーな)



楽越「かかってきな、酎」


酎は構える。



ズキュ――ン!!!



そして攻撃を仕掛けた。



酎「ウラァァァァ!!」



ズガーーーン!!!



楽越は酎の強烈なパンチを右肘で受け止める。



楽越「いいパンチだ。腕がビリビリするぜ」



酎「そうかい。もう一発くれてやるぜ」



再び強烈なパンチを楽越に向かって放った。



ガシッ



今度は酎のパンチを左手で受け止める。



楽越「本当にいいパンチだぜ。だが」



酎「ヌッーー!!」



グググ



拳に力を込めて押すが、
びくともしない。



楽越「今のオレには通用しねー。くらいな!!」



あいてる左手を使い、酎の腹部を狙った強烈なパンチ。



ドガッ



酎の腹部に楽越のパンチがまともに入る。



だが。



楽越「何ッ!?」

(オレの攻撃が弾かれた)



酎、ニヤリ。



バキッ!!



驚く楽越を殴り飛ばした。



楽越「なるほどな…」



唇の血を手で拭う楽越。



「フッ、忘れていた。お前には確か身体を鋼鉄化させる能力があったんだったな。前に見ていたのを忘れていたぜ」



酎「お前さんには、
もう出し惜しみはしねー。ぶっ倒す」



楽越「面白い」



スッ



酎に右手の手の平を向けた。



酎「ヌッ」



ドーーーーーン!!!!



ドーーーーーン!!!!



ドーーーーーン!!!!



楽越の手から、
衝撃波が放たれた。



酎「グッ!!」



咄嗟に両手をクロスさせて防御。



ブォォォォォォォ!!



凄まじい威力の衝撃波が酎を襲う。



ズズズ………



衝撃波の威力で酎の身体が後ろにおされていく。



フッ



楽越の姿が酎の前から消える。



酎「チッ……」

(どこに行きやがった)



フッ



楽越が酎の頭上に姿を現した。



酎「上か!」

(あんな筋肉の塊みてーな身体なのに、一瞬でオレの頭上に。あいつ、とんでもねースピードだ)



楽越「貰ったーーー!」



ビューーーーン!!!



酎「だけどよー!!」



目つきが鋭くなる。


フッ



酎は素早く動いて、
楽越のパンチをかわす。



酎「スピードはオレも負けてねーんだよ!」



ドガァァァァァン!!!!!!



楽越の拳が地面にめり込む。



酎、ニヤリ。



「チョロいもんよ」



そして酎は空中で
右手に妖気を込める。



ジジジ……



ジジジ…



バババババ!!!



大量の妖気の弾を、
楽越に向かって次から次へと放つ。



楽越「そんな攻撃など!!!」




バシバシバシバシ



次から次へと襲いかかる妖気の弾を両手で弾く。



楽越「オレには通用しないぜ」




ドガァァァァァン!!!




ドガァァァァァン!!!




弾かれた妖気の弾が
闘場の各地で爆発。



酎「さすがに、通用しねーか。だったら!」



ブォォォォォォ!!!



楽越と同じように妖気を高める。



楽越「酎の妖気がさらに強くなった!?」



酎「ウォォォォォ!!!」

(これがオレの今の最大の力。勝負を一気に決めてやる)



右手の掌に妖気の塊が出来る。



「ウォラァァァァァ!!!!!」



ドーーーーーン!!!



巨大な妖気の弾を楽越に向かって放つ。



酎(オレの全力で放った弾だ。どうする楽越さんよー)



楽越「笑止」



ブォォォォォォ!!!



妖気を一瞬で高める。



そして楽越は両手を広げた。



ドーーーーーン!!!!!!!!



楽越の身体から、
なんと、大きな衝撃波が
放たれた。



シュゥゥゥゥゥ……



衝撃波が妖気の弾を打ち消す。



酎「何だと!!?
オレの弾を打ち消した!?」



楽越、ニヤリ。



「酎、本当にそれがお前が全力で放った攻撃なのか?大した事ねーな」



酎「野郎!」



ドーーーーーン!!!



再び、巨大な妖気の弾を楽越に向かって放つ。



楽越「無駄だぜ」



シュゥゥゥゥゥ……



またもや、妖気の弾は衝撃波によって打ち消された。



酎「何なんだ、
あの衝撃波は……」



楽越「フッ、
自慢の妖気弾を消されて、動揺しているようだな」



酎「うるせー。今に見てろよ」



楽越(比羅のフィールドには流石に及ばないが、妖気や霊気、そして魔光気をも打ち消す、オレのこの第二の能力は、遠隔攻撃を得意とする相手に対して無敵だぜ)



――メイン会場



流石「凄い、あれを消すなんて…」



鈴駒「今、あいつに放った酎の妖気弾は、全力で放った弾だ。それを打ち消すとは。あいつ、本当に強いよ」

(どうする、酎)



――Cブロック



酎は考える。



(あいつは…、
分厚い筋肉のわりにスピードも速いし、筋肉の壁におおわれて防御力も高い。
そしてオレの妖気弾を
打ち消すあの衝撃波。
マジで厄介な野郎だぜ。どう攻めるべきか…)




楽越「自慢の技を防がれて、もう八方塞がりみてーだな。一気に勝負を決めさせてもらうぜ」



ズキューーン!!!



素早い動きで酎に接近。



酎(!)



考え事をしていた為、
反応が遅れる。



楽越「オラオラオラオラオラオラーーー!!!」



酎(速い!!鋼鉄化が間に合わねー!!?)



ドゴォォォォォォ!!!



酎「ヌォォォォォォ…!!!」



まともに楽越のラッシュを受けて吹っ飛ぶ。



楽越「まだまだーーーーーー!!!」



フッ



自らが吹っ飛ばした酎に、一瞬で追いつく。



楽越「おねんねするには、まだまだ早いぜ、酎」



酎(!!)



楽越「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」



ズドドドドド!!!!!!!!!!



酎「グォォォォォ!!!」


ズドドドドド!!!!!



僅か数秒の間に、
数百発の高速ラッシュが酎の身体に叩き込まれていた。



楽越「オラオラオラオラオラオラオラオラオラー!!!」



そしてさらに高速ラッシュは続く。



――メイン会場



小兎「こ、これは凄いラッシュです。酎選手、なすすべもなく滅多うちです!!!!!」



鈴駒「酎!!!」



流石「酎ちゃん!」



――選手達の休憩所



九浄「僅かなスキを見逃さずに、ここぞとばかりに勝負を決める、あの男の戦闘センス、まるで“あいつ”にそっくりだ…」



――Cブロック



酎(……)



楽越「オレの勝ちだ、酎」



楽越は高速ラッシュを止めた。



酎は既に数千発のパンチを浴びていた。



酎「お前さん、強いな…。最後は手も足も出なかったぜ……」



楽越「フッ、腕を磨いて来いよ。またやろうぜ」



酎、ニヤリ。



「次は勝つ…」



ドサッ



崩れ落ちるように酎はその場に倒れた。



そして審判が酎の状態を確認。楽越の勝利を告げたのだった。



変身を解く、楽越。



魔界の風が楽越の髪を揺らす。



楽越(フッ、どんなバトルマニアでも、オレには勝てねー。オレの名は楽越。十二人の同志、最強のNo.3さ)



続く
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