幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編05
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――魔界統一トーナメントBブロックの四回戦・第ニ試合



死々若丸(ししわかまる)
×
奇淋(きりん)



四回戦の最大の激戦となった、飛影と棗の試合が終わった。



その激戦の後のBブロックの第二試合目に登場するのは、死々若丸と奇淋であった。



――Bブロック



フッ



闘場の中央に奇淋が姿を現す。



そして目を閉じて、試合開始を静かに待つ。



奇淋(…………)



――メイン会場



小兎「あーーーっと飛影選手と棗選手との激戦が終わったばかりだというのに、もう闘場に、奇淋選手が来ています」



スクリーンに映し出されている奇淋を見る躯。



「奇淋の相手は確か、幽助や飛影の仲間だったな。これは面白い試合になりそうだ」



――選手達の休憩所



カチャッ



愛刀、魔哭鳴斬剣を腰に装着する死々若丸。



「いよいよか」



死々若丸の顔にも気合いが入る。



鈴木「負けるなよ、死々若」



幽助たちに対して、やや反抗的な死々若丸に対して、保護者的な存在でもある、鈴木が声をかける。



死々若丸、ニコリ。



「もちろんだ。奇淋はオレが倒す」



死々若丸が、この魔界統一トーナメントへ参加した一番の目的は、前大会で、死々若丸を倒した、北神に勝つ事であった。



だが、大会開始早々に、予想外の出来事が起きてしまった。



それは、目標としていた北神の、予選でのいきなりの敗退である。



北神を倒す事を目標にし、三年間、修行を積んできた、死々若丸にとっては、
北神の敗北はいきなり出鼻を挫かれた形となってしまったのだった。



死々若丸「魔道本家・奇淋に勝つ」



目標を失った死々若丸は、北神を倒した奇淋に勝つ事で、失われてしまった、
打倒北神を果たす。



鈴木「死々若、お前に、これを渡しておこう」



鈴木はズボンのポケットから、小さな袋を取り出し、死々若に手渡した。



死々若丸「何だこれは?」


受け取った袋を怪訝そうな顔で見る。



鈴木「奇淋はかなり手強い。試合中、危なくなったらその袋を開けろ。必ずお前の助けになる」



死々若丸「わかった。お前の闇アイテム、有り難くもらうぜ」



袋を着物の帯にぶら下げると、死々若丸は奇淋の待つ、闘場に向かった。



――Bブロック



死々若丸「待たせたな」



闘場の中央に到着し、奇淋と対峙する死々若丸。



奇淋「私がここに早く来ただけだ。待ってはいない」



死々若丸「そうか。オレの名は死々若丸。お前はオレの名をこれから忘れられなくなるぜ」



奇淋「フッ、大きくでたな。見た感じだと、少しは出来るようだが、悪いがお前は私の相手ではない」



死々若丸「お前は妖気の大きさだけで、オレを判断しているようだが、お前に教えてやる。戦いは妖気の大きさだけじゃあないってことをな」



奇淋、ニヤリ。



「無駄だよ。何をしても私には通用しないって事を逆に私が教えてやる」



――メイン会場



「キャーー若様!!頑張って!!」



「若様素敵!!」



観客席から死々若丸に対して、女性妖怪たちからの黄色い声援が飛ぶ。



苦笑いの小兎。



「えーーっと、死々若丸選手、相変わらずの女性人気です。彼の甘いマスクは、多くの女性を虜にしております」

(確かにカッコいいけど、私のタイプではないわね。やっぱり凍矢の方が素敵)



――Bブロック



上空から審判が二人を見つめる。



そして。



「始め!!」



審判の口から、試合開始の合図が告げられた。



カチャ



死々若丸は試合開始の合図と共に、魔哭鳴斬剣に手をかけると、素早く抜き放つ。



死々若丸「行くぞ」



サササ



奇淋に向かってゆっくりと駆け出す。



奇淋はその場から、一歩も動かずに死々若丸を待ち受ける。



死々若丸「ハッ!!」



ビューーーン!!!



目にも止まらぬ速さで、奇淋を斬りつける。



フッ



奇淋は、死々若丸の攻撃をかわす。



死々若丸「ハッ!!!」



再び奇淋を斬りつける。



フッ



死々若丸の剣が空を斬る。


死々若丸「ハーーー!!!!」



激しい剣さばきで、奇淋に次から次へと攻撃を仕掛ける。



――選手達の休憩所



陣「いいぞ、死々若!」



鈴木「まずは死々若から仕掛けたか」



――Bブロック



ビューーーン!!!



死々若丸の剣が、奇淋の右肩を狙って振り下ろされた。



フッ



難なく死々若丸の攻撃をかわす。



奇淋「どうした?剣が当たらなければ、私を倒すことは出来ないぞ」



死々若丸「流石だ。スピードはかなりのものだな」



そう言うと死々若丸の動きが速くなった。



ビューーーーン!!!



フッ



剣をかわす奇淋。



奇淋(さっきより、攻撃のスピードが速くなった。なるほど、様子見をしていたというわけか)



死々若丸「ハァーーーーー!!!」



シュシュシュシュシュ!!!!



これまで、斬りつける攻撃から転じて、激しい突きを繰り出す。



奇淋(…………)



――メイン会場



小兎「あーーーーっと!!これは凄い!!死々若丸選手の目にも止まらない攻撃!!!奇淋選手は攻撃をかわすだけで、死々若丸選手に、攻撃を仕掛ける事が出来ません!!」



「おーー!はええーー」



「あのイケメン野郎、凄いな」



――Bブロック



陣「いいぞ死々若。そのまま行くだぞ」



鈴木(不気味だな。奇淋がまだ何も仕掛けてこない。油断するなよ、死々若)



――Bブロック



死々若丸(こいつ、何で仕掛けて来ないんだ。オレの攻撃の前に手も足も出ないという事は絶対にない)



その時だった。



ピシッ



死々若丸の背後で、地面に亀裂が入った。



死々若丸「何だ!?」



バッ!



攻撃を止めて、奇淋から離れ、一定の距離を取る。



そして。



ピシピシピシ!!!



二人がいる場所から、半径100mに渡り、円状の亀裂が入っていく。



カーーーー!!!



亀裂から眩いばかりの光が放たれた。



奇淋「この技は少々、発動までに時間がかかるのでな。お前の攻撃をかわしながら、時間稼ぎをさせてもらった」



ググッと拳に力を込める。


奇淋、ニヤリ。



「魔道本家と呼ばれる、私の力を存分に味あわせてやろう」



ブォォォォォォ!!!



これまで抑えていた、奇淋の巨大な妖気が一気に解放された。



死々若丸(何て妖気だ。これが奇淋の本当の力か)



死々若丸の額から汗が滴り落ちる。



死々若丸「面白い」



カチャッ



魔哭鳴斬剣に妖気を込める。



死々若丸「何をするつもりか、知らないが、受けてたつ。オレはお前を相手に一歩も引くきはない」



サササ



再び奇淋に向かって駆け出す死々若丸。



死々若丸「行くぞ、奇淋!!」



続く
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