幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編05
13ページ/13ページ

――魔界統一トーナメントBブロックの四回戦・第ニ試合


死々若丸(ししわかまる)
×
奇淋(きりん)



――Bブロック



死々若丸「何をするつもりか知らないが、受けてたつ。オレはお前を相手に一歩も引くきはない」



サササ



再び奇淋に向かって駆け出す死々若丸。



死々若丸「行くぞ、奇淋!!」



――Bブロック



奇淋「フッ」



向かってくる、死々若丸を待ち受ける。



死々若丸「ハッ!!」



バッ!!!



奇淋に接近する直前に、高くジャンプ。



――選手達の休憩所



陣「出るぞ!!」



鈴木「死々若の最大の技」


――Bブロック



死々若丸「爆吐髑触葬ーーーー!!!!」



死々若丸、渾身の一撃が、奇淋を襲おうとしていた。


だが、その時だった。



シュルシュルシュル



ガシッ



死々若丸(!)



突如、死々若丸たちが今いる場所から、少し離れた場所にある森の中から、急にツルが伸びてきて、剣を持っている死々若丸の右手に絡みついた。



死々若丸「何だ!」



ツルは物凄い力で、死々若丸の身体を持ち上げる。



死々若丸(!!)



ビューーーーン!!!!



そして死々若丸の身体を地面に叩きつける。



ドガァァァァァァン!!!!!!!!



死々若丸「くっ、これは植物か」



立ち上がった死々若丸に、今度は闘場の四方から、
沢山のツルが伸びて、死々若丸の身体にまとわりつこうと襲いかかる。



死々若丸「こんな攻撃で、オレを止められるか!」



シュパン!!シュパン!!シュパン!!



身体にまとわりつこうとしていた、ツルを切り裂く。



シュルシュルシュル



斬っても斬っても、次から次へと死々若丸に向かって、四方からツルが襲いかかってくる。



死々若丸「ハッ!」



シュパン!シュパン!シュパン!



襲いかかるツルを次から次へと斬っていく。



死々若丸、考える。



(奇淋の能力は、蔵馬と同じ植物を操る能力か……?前の大会の時に、奴と電鳳の試合を見とくべきだったな)



――選手達の休憩所



木阿弥「奇淋がこの大会で魔道本家の技を使うのは初めてだな」



雑魚「ああ。前回の大会でも、魔道の力を使ったのは、奇淋が敗れた電鳳との試合のみ。予選の北神との戦いでも魔道の力は使わなかった」



木阿弥「死々若丸という男、かなりの実力者であるのは間違いないが、奇淋がわざわざ魔道の力を使わなくても勝てる相手だ。何で魔道の力を使っているのだろう?」



雑魚、ニヤリ。



「おそらく、次の飛影戦の前の肩慣らしってとこだろうぜ」



――Bブロック



奇淋(フフフッ、お前は次の準々決勝であたる、飛影と戦う前のウォーミングアップの相手に丁度いい。遊ばせてもうぞ)



次々と襲いかかる、ツルを切り裂き、死々若丸は徐々に奇淋に向かっていく。



死々若丸「お前の魔道本家の力とやらは、植物を操る能力か?オレの知っている妖怪にもいるぞ。今更驚くほどの事はないぜ」



奇淋「お前は上辺だけで判断して、私の魔道の力の本質には気付いていない」



そう言うと、奇淋は右手の人差し指は地面に向ける。


その瞬間、地面に亀裂が入り、そこから眩いばかりの光が放出される。



奇淋「大地よ、私に力を」


ズキューーーン!!



死々若丸に向かって、物凄いスピードで、光が地面を走っていく。



死々若丸(!)



瞬間的に危険を察知し、
光をよける。



光はそのまま、岩壁に向かっていく。



そして。



死々若丸「これは……!」


シュパン!!



岩壁が真っ二つに切り裂かれた。



死々若丸(光の刃か。危なかった。よけなければ、一撃でやられていたところだったぜ)



奇淋「よくかわしたな。誉めてやる。だが、そう何度もかわせるかな」



再び奇淋は、右手の人差し指を次々と地面に向ける。


ズキューーーン!!



ズキューーーン!!



ズキューーーン!!



死々若丸「ヌッ!」



襲いかかる光をかろうじてかわす、死々若丸。



その顔には余裕がない。



――選手達の休憩所



陣「とんでもない技だ」



鈴木「あれは一撃でもまともにくらえば、アウトだ。どうする死々若?」



――Bブロック



ズキューーン!!



連続で次々と攻撃する奇淋。



それを必死にかわす死々若丸。



死々若丸(植物を操るだけでなく、こんな技まであるのか。奇淋の魔道本家の力の正体とは一体何だ…)



奇淋「どうした?よけるだけでは、私を倒す事など出来ないぞ」



死々若丸(あいつの魔道の力の正体を見破らねば、迂闊に近付く事は出来ない)


奇淋「行け」



シュルシュルシュル



死々若丸(!)



死々若丸の足元から、根のようなものが出てきて、死々若丸の右足に絡みつく。



死々若丸「しまった!」



足に絡みついた根のせいで、よける動作が遅れる。



奇淋「さあ、かわせないぞ。どうする」



ズキューーン!!



光の刃が死々若丸を襲う。


――選手達の休憩所



鈴木・陣「死々若!!!」


――Bブロック



奇淋、ニヤリ。



「直撃だ」



だが、ピンチの筈の死々若丸がここで不敵にニヤリと笑う。



「それはどうかな」



光の刃が死々若丸を切り裂こうとした瞬間。



ズガァァァァァ!!!



光の刃が、死々若丸に接触する寸前で弾かれた。



予想外の出来事に奇淋、驚く。



「何だと!?」



なんと死々若丸の周りには、不気味な怨霊たちが、彼を守る障壁を作っていた。



死々若丸「怨呼障縛壁。本来なら相手の動きを抑制する為の技だが、使い方によっては防御にも応用出来る。残念だったな」



――Bブロック



鈴木「フッ、死々若には、あれがあったのをすっかり忘れていたぜ」



陣「まったく、ヒヤヒヤしたぞ。あれがあるなら、よけないでさっさと使えばいいのに」



――Bブロック



奇淋「…お前、何故直ぐにそれを使わなかった。それを直ぐに使えば、私の光の刃を苦戦せずとも、楽に防げたのに」



死々若丸「フッ、切り札は先に見せるなとオレに教えてくれた男が知り合いの妖怪にいるのでな。ギリギリまで使うつもりはなかった」



奇淋「なるほど。どうやら私は、お前を随分と甘く見ていたようだ。見下していた態度は詫びよう。もう一度名前を聞いておこうか」



死々若丸、ニヤリ。



「オレの名は死々若丸。最初にも言ったが、お前にとって、忘れられない名前になるぜ」



続く
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ