幽☆遊☆白書〜2ND STAGE〜

□大会編05
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――魔界統一トーナメントCブロックの四回戦・第一試合



酎(ちゅう)
×
楽越(らくえつ)



――Cブロック



酎・楽越(……………)



闘場のど真ん中で酎と楽越は対峙している。



お互いに話す事もなく、
試合開始の合図をジッと
待つ二人。



そんな沈黙を破ったのは酎であった。
楽越に話しかける。



酎「お前さんのこれまでの試合を見た感じだと、あんたはこれまで、相当力を抑えて戦っていた感じにみえたが、実際のとこ、
どうなんだ?」



酎の問い掛けに、楽越はニコリ。



楽越「さあな。試合が始まったら分かるぜ」



酎「お前さんを間近で見てから、オレのバトルマニアとしての血が異様に騒ぐんだ。こんなに血が騒ぐってのは、幽助と戦って以来だぜ」



楽越(幽助?あー、比羅が人間界で戦ったとかいう、男の名前が、浦飯幽助とかいう名前だったな)



審判が上空から二人を見つめる。



そして。



審判「始め!!」



試合開始の合図が闘場に響き渡る。



酎「さあ、行くぜ」



ブォォォォォォォ!!!!!



酎は試合開始と同時に、妖気を一気に上昇させた。



楽越は酎の妖気の強さを肌で感じ、思わず笑みを浮かべる。



楽越「やっと、まともな強さの奴とやれそうだぜ」



酎「ウォラァァァァァァ!!!!!!」



ズキューーーン!!!



楽越に向かって、駆け出す酎。



酎「お前さんの強さが、どれだけのものか、確かさせてもらうぜ」



ビューーン!!!!!!!!!



強烈なストレートパンチを楽越に向かって放つ酎。



ドゴォォォォォ!!



酎のパンチを顔面にまともに浴びて、華奢な楽越の身体は吹っ飛んだ。



ドシャァァァァァ!!!!!



楽越の身体は地面に叩きつけられた。



――メイン会場



小兎「あーーーーーっと!!酎選手の強烈なパンチが楽越選手に炸裂しましたーーーー!!」



「凄い一撃だったな。
今のはまともに入ったぜ」


モニターに映し出されている、楽越は、倒れたままで、いっこうに立ち上がる気配を見せない。



「おいおい、マジかよ。まさか…、たった一発で終わりかよ?」



観客たちがざわめく。



――Cブロック



倒れている楽越をジッと見つめる酎。



酎「オイオイ、ふざけるなよ。今度、ワザと殴られたりしたら頭かち割るぞ」



酎の言葉を聞いて、ゆっくりと楽越は起き上がった。


楽越「フッ、この大会に参加して、初めて強い男と感じた相手だ。真っ向からパンチを受けてみたいと思ってな」



酎、ニヤリ。



酎「気をつけな。真っ向からパンチを受けるってのは、結構病みつきになるんだ」



楽越「フッ、冗談に聞こえないから怖いな」



酎「お前さんはオレと同じ匂いが、プンプンするぜ。あんたもバトルマニアだ」


楽越、ニヤリ。



「正解だ」



楽越の答えに満足げな酎。


酎「やっぱりな」



酎はかかって来いと、
手で楽越に合図。




楽越「あんた、酎って、名前だったな。この対決、
じっくりと楽しませてもらうぜ」



フッ



酎(!)



楽越の姿が酎の視界から一瞬で消える。



酎「下か!!」



フッ



楽越は酎の懐にまで侵入していた。



楽越「オラオラオラオラオラオラオラ!!!」



酎「なんの!」



両手をクロスさせて、素早く防御。



ズガガガガガガ!!!



酎「ぬっ!」



ビリビリビリ



楽越のパンチを受けた、
酎の腕に強い衝撃が走る。



酎(思っていたより、重たいパンチだぜ。だがよー)



ズドドドドド!!!



酎「オレのパンチの方が重たいぜ」



楽越の身体に素早くパンチを叩きこむ。



だが、楽越も酎と同じように両腕をクロスさせて、
酎の攻撃を完全にガード。


ビリビリビリ



楽越の両腕にも衝撃が走る。



楽越「いい攻撃だ」



酎「第一ランドだ。撃ち合うぜ、楽越」



楽越「面白い。受けてたってやる」



互いに繰り出されるパンチ。



二人は無我夢中で攻撃をし続ける。



――メイン会場



小兎「あーーーーーっと、酎選手と楽越選手、
試合開始から凄まじい殴り合いをしています!!!これは激しい!!」



「あいつら、スゲーな……」



「見ろよ。あの二人のぶつかり合いで、闘場が大きく揺れているぞ」



――Cブロック



酎「ウォラァァァァァ!!!!」



楽越「オラオラオラオラオラオラ!!!」



最初はお互いに、
攻撃をガードしながら戦っていた二人だったが、
途中からはガードをする事を忘れて、ただひたすらに殴り合っていた。



楽越「おいっ!」



楽越は酎に目で合図。



酎「ああ」



バッ!




楽越の合図で、撃ち合いを止めて、お互いに少し距離をあける。



酎と楽越は激しい撃ち合いなど、なかったかのように、二人とも涼しい顔をしている。



楽越「肉弾戦は、
ほぼ互角って感じだな」



酎「そうみたいだ。ここまで強いお前さんが、一体何者か、興味が湧いてきたぜィ」



楽越、ニヤリ。



「身体が温まってきた。ウォーミングアップはこの辺で止めて、少し、オレの力を見せてやるとするか」



酎「面白い。見せてくれよ。お前さんの力とやらをな」




楽越は魔光気ではなく、
妖気を高めコントロールを始めた。



楽越「見せてやるぜ、
最強の戦士の力をな」



バチバチバチ



楽越の身体から凄まじいまでのエナジーが放出されだした。



酎(…こいつ、マジで強いぜ…。どうやら、とんでもねー、戦いになりそうだ」


神夢界からやってきた
魔光気だけでなく、妖気をもコントロール出来る、
楽越。戦いにおけるセンスでは、神夢界最強の比羅をも上回ると言われた、
その実力が、いよいよ発揮されようとしていた。



続く
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