DVD・Blu-rayのレビュー

□な行
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本作は1968年にジョン・A・ルッソの原作をジョージ・A・ロメロ監督により製作されたゾンビ映画の金字塔的な作品です。

本作の後にロメロ監督による一連のゾンビシリーズ.超名作のゾンビ,死霊のえじき,ランド・オブ・ザ・デッド,と続きます。バーバラとジョニーの兄妹は、母親の墓参りにいき、そこで突然謎の男に襲わる。ジョニーは、男にやられてバーバラは、近くの民家に逃げ込む、そこに逃れてきた黒人青年のベンも加わり家に同じように逃げてきて隠れていたカップルと中年夫婦と逃げる途中で怪我したその娘が加わり民家の周りを取り囲んだゾンビ達との攻防が始まる・・・。

今までゾンビ物といえばブードゥ教物が多かったのですが本作から人肉を食べる、噛まれたらゾンビになる,動きがのろい,脳を破壊しないと倒せない等明確なゾンビ映画のルールが確立されました。

だから現在に定着しているゾンビのイメージは,この作品から生まれたわけですね。

画面がモノクロですが逆にドキュメンタリー的な怖さを醸しだしています。逃げ込んだ人間同士の対立,作品の持つテーマ等優れた完成度も持った作品です。

本作を見て本当に怖いのは,ゾンビでは,なく人間だと思いました。

現在では,本作のフイルムがニューヨーク近代美術館に保管されています。
これは,凄いことですよね。
本作では“ゾンビ”という単語は使われていません。

これは当時の地理的・歴史的な背景が大きいせいであり,本作では「Living Dead」「グール(屍食鬼)]」と呼んでいます。

本作のDVDは、ビーム版のデジタル修復版,ハッピネット版のスペシャル・エディション,最新技術で着色した物とスペシャル・エディションに特典ディスクを加えたコレクターズBOX,15分追加された最終版と低価格のWHDジャパン版があります。
既に廃盤のビーム版は,LDをマスターにしたDVDで特典にオリジナル劇場予告編等が収録されています。この予告編は,気合いが入っていてけっこうお気に入りです(笑)

本作の好きなマニアにはコレクターズBOXがお勧めです。

コレクターズBOXの収録内容は,
DISC-1
ニューマスターによる本編に,監督のジョージ・A・ロメロとキャストによる音声解説を収録。
DISC-2
本編にデジタル・カラー着色を施し,音声もDTS5.1chにミックスした新ヴァージョン。
DISC-3
レアなカラー写真を含むフォトギャラリー,ロメロの会社ラテントイメージ社の歴史紹介。失われたロメロ映画“There‘s Always Vanilla” からのシーン,ジュディ・リドリーのビデオインタビュー。デュアナ・ジョーンズの最終インタビュー、国内外のポスター・コレクション、完全版撮影スクリプト。キャストメンバーの個人的スクラップブック,ロメロが監督したTVスポットなどが収録されています。

最終版は,本作の30周年を記念して,新たに15分の追加撮影分を加えて再編集したものです。

これにはロメロは関わっていないらしく脚本のジョン・A・ルッソが手がけています。

本作のバーバラとジョニーを冒頭で襲うゾンビを演じた,ビル・ハインツマンが棺おけから蘇るシーンや中盤のゾンビ達のシーン,最後のゾンビに噛まれたけど信仰によってゾンビにならなかったとかいうヒックス牧師の話等が追加されていますが,さらに本作の音楽まで新録されています。

個人的には,音楽と冒頭の追加シーンは,許せるのですが,最後の牧師は,完全に蛇足で,本作のラストの余韻もぶち壊しています。どれをとっても追加シーンは,蛇足であると言えます。

歴史的なホラー映画の名作がどんなものか興味がある方や本編を気軽に楽しみたい人には,500円という低価格のWHD版がお勧めです。

ちなみに本作には,トム・サヴィーニの手によりリメイクされた,ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記と赤青メガネを使ったアナグラフ方式の3D映画でのリメイク作品超立体映画ゾンビ3D(Night of the Living Dead 3D)があります。死霊創世記は,ほとんどオリジナルを路襲していますが,大きな違いは,バーバラの変更ですね。68年版は,ただ怯えるだけの存在が,強い女性へと変化していきます。ロメロも関わっておりオリジナルに負けない優れたリメイク作品です。

僕の周りでは,68年版は,モノクロだからって見ていない人が多いですが,こちらのリメイクは,けっこう見ている人が多いですね。

ゾンビ3Dは,正直駄作なのであまり見ない方が良いです…。
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