仮面ライダーフォーゼ

□一角獣は処女がお好き2
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「処女じゃない?」

 息ぴったり。
「なーんだ」
「…………」
「私達の勘違いかぁ」
 3人はつまらなそうに廊下の先を行く。
 JKは肩をなで下ろしている。
「ありがとうッス……!!」
 やっと自分の味方が出来た。
 JKがほっとしたのもつかの間。
「あなた、貞操なんてとっくに捨てたって言ったわね?」
「へっ?」
 思わず、間抜けな声が出た。
 3人も振り返る。

「童貞じゃない。でも、処女ではある。……それはユニコーンだって怒るわ。騙されたようなものよ」

「あぁぁ!!」
 弦太郎はJKに向かい、勢い良く指を指す。
「そうだ!お前、処女じゃないとは言って無いじゃないか!!」
 確かにJKは自分が処女ではないと否定していない。
「そ、それなら言わせて貰うッス!!弦太郎さんは男とヤったことあるんッスか?!」
 男性経験がある男子高校生の方が絶対に少ないだろう。
「お、おい……」
 このままだと墓穴を掘る可能性が高い。
 それに気がついた賢吾は弦太郎を止めようとする。
 人の痛いところをつつくのは楽しいが、逆の立場はごめんだ。
 絶対につついて欲しくない。
 だが、勢いづいた弦太郎は止まらなかった。
「ねぇよ!!」
「処女じゃないッスかー!!」
「男が処女で何が悪い!俺は一生処女捨てる気はない!!」
 健全な男子なら当然であろう。
「じゃあなんで俺のことばっかり責めるんスか?!」
「責めてねぇよ!聞いただけだろう?!恥ずかしがってるお前が変なの!!」
「うぅ……!!じゃ、じゃあ!賢吾さんはどうなんスか?」
 反撃出来なくなったJKは人に振る。
 何も言わずにこの場から逃げようとしていた賢吾の動きが一瞬止まる。

「……具合が悪いんでな。保健室に行く」

「キャー♪」
 さっきからダンマリだった女子2人が叫ぶ。 
 ちなみに、弦太郎とJKには理由はさっぱりわかっていない。
「待てコラ!!お前一人だけ何も言わないなんてずるいぞ!!」
「逃がさないッスよ!!」
 保健室の常連とは思えない全力疾走だった。

 結局、賢吾が処女かどうかは本人の口から聞けなかったが、あの場から逃げたということは、処女ではないと認めているようなものなのでユウキと友子は色めき立っていた。
「なんかドキドキするね」
「う、うん」

 その頃
「ちぇー。つまんねーの」
「ほんとッスよ……」
 2人はいじけていた。
 賢吾は逃げたので、処女ではないんだろうなぁと薄々気がついているが、ここは本人の口から聞きたかった。

 退屈な時間を次はどう潰そうか……
 また何か面白いことを思いつかないかと、ぐるぐる考える弦太郎であった。


END
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