短編集

□僕にとっての、君にとっての、
1ページ/1ページ



 世界樹が、世界が、この世界に生まれた意味が、自分をそうさせるんじゃない。アドリビトムだからとか、ディセンダーだからとかそんなの関係なくて。
 ただ、いつも自分が正しいと思ったことをやるだけ。信じるだけ。どんなことにも、どんな人にも無限の可能性がある。そこから必ず次の扉が開ける。

 学者みたいに具体的な数字で表す答えも、王族みたいな立派な言葉も、科学者みたいな知的な頭脳も、芸術家みたいな優れた才能も、何一つ私は持っていないけど。そんなものなくったって、大切なのものはいつだってここにあったんだ。今、この時この瞬間。ここにいる皆が、この思いが。私を支えてくれていたんだね。


「もう、大丈夫だよ」


 ああ、君は苦しかったんだね。辛かったんだね。恨んで、憎んで、悔やんで、悲しんで、独りでずっと、

 君の手を取って、やっとこう言えるよ。


「ね、一緒に輝こう」



僕にとっての、君にとっての、
(ひか、り……?)
(うん、そうだよ。あなたの輝き。ねえ、気分はどう?)
(ああ……悪くはない)


エンディングの裏側な感じで。


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]