復活・日常生活集
□なんてったって、逆ハー☆
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「僕だよ。」
「いーや、俺だ。」
「絶対俺なのな。」
「僕に決まってるでしょう!」
・・・・・・・「あんたたち、不法侵入者として警察に突き出すよ!!」
ひとつのマンションに、大きな大きな叫び声が響き渡った。
なんてったって、逆ハー☆
スーパーという名の主婦たちの戦場で格闘を繰り広げ、やっとのことで帰宅した悠希。
でも、部屋のドアを開けるとそこは地獄絵図だった。
ガサッ、と音を立てて卵のパックが割れ落ちる。
せっかく60円で買ったのに・・・・・・今日は久しぶりに平穏だと思ったのに・・・・・・・!!
「大体ね!あんたらのが毎回家に来るたび、冷蔵庫のコンセント抜けてたり、綺麗に片付けた部屋がボロッボロになってたりしてさ!!
あんたらのせいでウチの家計は火の車だっての!!ねえ!分かる!?分かるの、この辛さ!!」
家にいる男4人を正座させ、説教を施している。
「君の家の財政がどんなになろうとも、僕には関係ない「じゃあ来るな☆」
「俺んちの寿司食えばいいだ「家賃滞納しちゃうでしょ☆」
「俺が作ってや「君の実力は把握済み☆」
「僕の幻覚でオードブルでも出しましょう「てかおまえは南国に帰れ☆」
うわーい連続4人ツッコミ達成なんだぜー!
・・・・・・ちっ、虚しい。
「ひどいじゃないですか!この間「私、むく兄と結婚するんだよ〜」って言ってたくせに!!」
「は!?そんなこと言ったのかよ悠希!?」
「しかも、『むく兄』・・・・・?イラつくね・・・・・・!!」
「さーてと、出荷箱出荷箱ー。キモいパイナポーを処分しねえとなー。」
山本には賛成だよ、出荷して二度と戻ってこないようにしてやりたい。
でもね?ひとつ・・・・・いや、全てが矛盾してんだよ。それはね・・・・・?
「私はそこのパイナップルに『結婚する』なんて、言った覚えないんですけどーーーーーーっっっっっ!!!!!てか、何だよ『むく兄』って!!キメえんだよクソやろおおおおおおお!!!!!」
ふっ・・・・・・・、バイバイ昨日までの大人しかった自分。
今日からは、多少うるさくともツッコミに専念することにするよ。
「悠希の言ってることは尤もな意見だよ。」
「悠希かわいいのなー。」
「なっ、この野球バカ!!何言ってやがる、あたりめぇだろーが!!」
「しかも僕、普通にスルーですかそうですねわかります・・・・・けど、なんかこの殺気が痛いです!!」
「うぜえんだよ、鳥と寿司とタコとナッポーよぉ。あ゛ぁん?ひとんちに勝手に上がりこんでよぉ、しかもおいコラ南国果実!!」
「はいなんですかすいません僕に用ですか申し訳ありません!!!!!」
「「「(あぁ・・・・・ついに気づかれたか・・・・・)」」」
むく・・・・・南国果実の制服のポケットから顔を覗かせているのは、どっからどう見ても私の・・・・下着だ。
怒りを滾らせ、まるでマンガかと思われるような物音を背後に示し、黒〜いオーラに包まれている悠希。
「ふふふー、男はハートで勝負だと思ってたさ。まあ顔含むだけど。でもね、やっぱりね、こういうハートはいらないと思ったよ。
男は性格で・・・・・・、誠実さで・・・・・・・、平凡さで勝負しろやあああああああ!!!!!!」
ふいにそう叫んだあと、4人全員に平手打ちを食らわせた。
「私は、鳥よりも寿司よりもタコよりもパイナップルよりも・・・・・・・・
ツナ缶のほうがよっぽど大好きだ!!!!!」
この一言で、タコは忠誠を掲げるのをやめ、寿司は容赦なくキャッチボールをし、鳥は遅刻していないのにトンファーでボコボコにし、パイナップルにいたってはマフィア自体を壊そうと目論むようになった。
「なんでオレだけこんな目にあわなきゃいけないんだよーーーっっ!!!??」
END☆
あとがきという名の言い逃れ→