復活・日常生活集
□今が幻なのか、今までが幻だったのか。
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今、この涙が幻なのか。
それとも、今までの幸せだった時間が幻だったのか。
それは神ですら分からない。
今が幻なのか、今までが幻だったのか。
「綱吉・・・・じゃなくてボス?」
「う、その堅苦しいのやめてくれよ・・・・・!」
愛しい。その嫌がる顔さえも。
「で、何か用?俺だってヒマじゃないんだけど・・・・。」
「いや、ちょっと聞いてみたくてね。」
「?何を?」
愛しい。その不思議そうな顔さえも。
「ボスは、私が死んだらどうするのかなぁって。」
「・・・・・・は!?」
愛しい。その驚いた顔さえも。
愛しい。全てが。
「なんで急にそんなこと・・・・。ビックリするだろ。」
「アハハ、ごめんごめん。ちょっとからかっただけだよ。」
この笑顔は、本物なんだろうか。それとも、嘘?
自分でも、自分がわからない。
今、自分は本当に笑っているのだろうか。本当に喋っているのだろうか。
「でさ、本当にどうする?」
「ならない。」
「うわ、ボスにしてははっきり言ったね。」
「悠希が死ぬなんて、絶対にありえない。」
どこからその自身が沸いてくるのか。どうしてそうも断言できるんだ。
ウチのボスは、謎だらけだ。頭の中には『?』マークがいくつも浮かんでいる。
「あのねえ、私だって不死身じゃないんだから「ボンゴレは・・・・、みんなは俺が守るって決めたんだ。」・・・・・へえ?」
ボスらしいといえばボスらしいのだけれど。こんなに自信を持っているボスなんて、何年かぶりに見た。
ガチャ、と扉の開く音に意識を奪われた。
「てめえ、悠希!!また十代目の邪魔しやがって!!今日という今日はシバく!」
「なんで喋ってただけでシバかれにゃならんの。」
「ご、獄寺くん落ち着いて!!別に悠希は邪魔しにきたわけじゃないし!!」
「十代目がそう仰るのなら・・・・・。」
途中で「チッ」と聞こえた気がしたが、気のせいにしておこう。
私は現在(いま)をこれほど大切にしたいと思ったことは無かった気がする。
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