黒猫

□黒猫
1ページ/5ページ

突然出した大きな声に四人は驚いた顔をした



だけど一番驚いているのは当の本人だ



『あ…ごめんなさい…両親は死んだの。七年くらい前に…』



「う…グスッ…それは辛い思いを…したんだね…ヒック…」


涙と鼻水でグシャグシャの顔の近藤



『別に…平気』


「――お前が泥棒なんてやってんのと何か関係あんのか?」



土方が口を開く



『私は自分の夢を叶える為にしてるの。それに…悪い連中からお金取ったって良いじゃない』



鈴は悪びれた様子もなく土方に視線を向け答える




「やめねぇって言うなら、俺達はお前を捕まえなきゃならねぇ」



『正体もバレちゃったし、この傷じゃまともに動けないから暫くは大人しくしてる。それに…もうすぐ大金が手に入るの。そしたら終わり』




土方の低い声とは裏腹に鈴の声は明るい




「大金だと?」


『何もしないから安心してよ』



眉間にシワを寄せる土方に笑みを浮かべる




「じゃあどういう事でィ」




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ