黒猫
□黒猫
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「…くそっ」
空になった煙草の箱を握り潰すとゴミ箱に向かって投げた
入る事なく床に転がったそれを土方はただ睨みつける
黒猫が…鈴が屯所を出て行った次の日八百屋に行った
だけど辞めたと言われた
最初はただのこそドロだと思ってた
正体がガキだと知って驚いて、俺をなめた口調が総悟と重なってムカついて…
だけど近藤さんを助けて怪我したアイツを見た時は心臓が止まる思いがした
最後に見たアイツの悲しげな顔がちらついて、そんな自分に腹が立った
どこに居んだよ…鈴――
「鈴ちゃん最近来ませんね」
「公園にも居ないアル」
「おめぇら他に喋る事ねぇのかよ…聞き飽きたぜそのセリフ」
「銀さんがこの間寝ちゃうからいけないんじゃないですかっ!!」
「しょうがねぇだろ、人間睡魔には勝てねぇんだよ」
「使えない男アルな」
「――鈴なら今日来たよ」
「「えっ!?」」
お登勢の声に新八と神楽はバッと顔を上げた
「いつネっ!」
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