君に続く道A
□第37話 紅い誘惑
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「差別かクソガキィ!カラスなめんなよ、朝日と共にカァカァ鳴き続けてやろうかぁ?凄まじいぞカラスの鳴き声は」
『コジロウ…それ私も迷惑だからやめて…』
睨み合う嵐とコジロウに深い溜め息を吐いて立ち上がる
『ほら乗って。じゃあ今度こそ行ってきます』
いまだ嵐を睨むコジロウを肩に乗せ凛は玄関を出て行った
「…あれで本当に大丈夫かよ」
「コジロウは凛の口寄せだ。それに、心配ならお前がついて行けばいいだろ?」
どこか楽しげに流が言えば嵐は頬杖を付いて顔を背ける
「凛が……あの先公を心配そうに見舞う姿なんか見れっかよッ…」
強い口調だが、どこか拗ねた嵐の態度に流はただ小さく笑った
『――じゃあ、コジロウはここで待ってて』
「あ?呼び出しといてなんだよそれ」
部屋を出た直後に凛はそう言い
当然コジロウは気の抜けたような声を出した
『だって、二人が心配してたから…安心させてあげようと思って』
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