向日葵日和
□向日葵日和
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『呑み比べ勝負する?』
「……乗った!白子、酒とお猪口持って来い!ついでにお前も参加だからな!!」
「…思い出話するんじゃなかったの」
白子の呟きは
天火の笑い声に掻き消された――…
「んっ…宙太郎…寝相悪すぎ」
翌朝目を覚ました空丸
自分の上に半分近くも乗ってる身体を退かし
顔を洗いに向かう
水をパシャっと顔にかけると
ポタポタと落ちてくる黒い雫
「………」
拳を震わせた空丸は
ドタドタと一つの部屋へと向かう
「おいクソ兄貴ッ!人の顔に――」
勢いよく襖を開けた空丸は
部屋の惨状に固まった
「ったく、信じらんねぇ兄貴の奴っ…!生活苦しいっつってんのに酒代に使いやがって!!」
やって来た診療所でいまだ抑えきれない怒りを撒き散らし
先程の光景を思い出す
――空丸が立ってるよぉ
――本当だぁ。空丸こっちおいでぇ
「杏さんもいつの間にウチに来たんだ…?朝フラフラしながら帰ってったけどちゃんと家帰れたかな…」
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