黒猫
□黒猫
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『ねぇ…したくないの?』
「し、したいっ!」
『そう。じゃあ、お望みどおりに…』
「ッ…!?」
――ドサッ
倒れた男を見て小さく笑う
『ちょっと物色させてね』
着ている服に手を入れると男の物と思われる財布を見つけた
『一万と四千円…少な』
でもないよりはマシか…
そう思って眠る男を見下ろす
『諭吉貰ってくね。いい夢見てねお兄さん…』
そして頬にくちづけを落とした――
壤夷浪士達が戻って来たのはそれから一時間ほど経ってからの事…
「な…なんだ、コレは!」
倉庫の扉の前で立ち尽くす壤夷浪士達
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