黒猫
□黒猫
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昼間の私と…黒猫の私…
どちらも知ってる人間は今まで一人も居ない
『銀さんの言う通り…化粧をして藍色の着物を着て初めて私は黒猫になるの。黒猫で居る時は何でも出来る…そう思えるんだ』
銀時は歩きながら横目で鈴を見た
「分かるよ、ウチにも似たようなのが居るからな」
『……へ?』
「新八がよ、アイドルの親衛隊やっててよ――」
そう言って楽しそうに話す銀時の横顔を見つめているとパトカーのサイレンの音がした
『やばっ…!』
「どうしたよ?」
『私、今真選組に目付けられてて…』
「そりゃまた面倒な奴らに…」
『派手な動き出来ないし、昼間はお店あるから当分取り行けないかも…あっ、もうココでいい。』
「鈴の家どこ?」
『え?……五番街』
「五番街ねェ…」
そう言うと歩き出す
『ちょっと、銀さん!?』
「気ィ付けて帰れよー黒猫ちゃん」
振り返らず手だけを挙げる銀時の背中を見送って路地裏に入る
「あれ…?今のって…」
呟いた男は路地裏を見つめた――
続