黒猫

□黒猫
5ページ/5ページ

昼間の私と…黒猫の私…


どちらも知ってる人間は今まで一人も居ない



『銀さんの言う通り…化粧をして藍色の着物を着て初めて私は黒猫になるの。黒猫で居る時は何でも出来る…そう思えるんだ』



銀時は歩きながら横目で鈴を見た



「分かるよ、ウチにも似たようなのが居るからな」


『……へ?』



「新八がよ、アイドルの親衛隊やっててよ――」



そう言って楽しそうに話す銀時の横顔を見つめているとパトカーのサイレンの音がした



『やばっ…!』


「どうしたよ?」


『私、今真選組に目付けられてて…』



「そりゃまた面倒な奴らに…」



『派手な動き出来ないし、昼間はお店あるから当分取り行けないかも…あっ、もうココでいい。』


「鈴の家どこ?」


『え?……五番街』



「五番街ねェ…」


そう言うと歩き出す


『ちょっと、銀さん!?』


「気ィ付けて帰れよー黒猫ちゃん」



振り返らず手だけを挙げる銀時の背中を見送って路地裏に入る




「あれ…?今のって…」



呟いた男は路地裏を見つめた――





前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ